すこやかな高齢期をめざして ~ワンポイントアドバイス~
ホーム > 研究所 > すこやかな高齢期をめざして > 夜間のトイレ何回行きますか 【夜間頻尿】
夜眠りについた後、トイレにいくことがありますか。ぐっすり眠りたいのに1回、2回、3回・・・と頻繁にトイレに行くと、眠りが浅くなって翌日まで疲労感を持ち越してしまいそうですね。このように「夜間、排尿のために起きなければならない症状」を夜間頻尿といいます(日本泌尿器科学会)。皆さんは昨夜の就寝中にトイレに行きましたか? もし行かれた場合は、何回行きましたか?
NILS-LSA(ニルス・エルエスエー)では地域にお住まいの皆様に日常の「夜間の尿の回数」を伺っています。その結果、図にお示ししたように、男女ともに年齢が高くなるほど「夜間頻尿がある」方々の割合が高くなり、また尿の回数は高齢の方々ほど多いことが分かりました。
夜間頻尿の原因は人によってさまざまです。例えば服用中の薬の種類や、水分量、飲酒量の多さによる尿量の増加、睡眠障害などが、夜間頻尿の原因となります。また前立腺炎や膀胱炎などで膀胱が過敏になったり、前立腺肥大で膀胱内に多量の尿が残り、尿を溜めておく容量が減少することなども夜間頻尿の原因となります。
図:NILS-LSA第5次調査における性別夜間排尿回数
女性:1,078人、男性:1,011人
夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こすこともあり、日中の疲労感など日常生活に影響するばかりでなく、暗い中、トイレに行くことで転倒する危険性もあります。
でも、自分の尿が「多尿か」、「頻尿か」など、他の人と「おしっこ」の量を比べる機会も普段ありませんので、自分ではなかなか判断が難しいですね!
就寝時に何度もトイレにいく必要があり、それが昼間の生活にも影響するようであれば、たかが「おしっこ」と思わずに専門外来を訪ねるのも良いでしょう。歳のせい、と片付けずに、排尿習慣を見直し、質の良い睡眠を得て、すっきりした頭と身体で1日を過ごしましょう。
夜間の頻尿を見直して、質のよい睡眠を得ましょう
<コラム担当:大菅 陽子, 大塚 礼>
*このコラムの一部は、以下の研究成果として発表しています* |
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