すこやかな高齢期をめざして ~ワンポイントアドバイス~
ホーム > 研究所 > すこやかな高齢期をめざして > ロコモティブシンドローム(ロコモ)をご存知ですか
私たちの身体を動かす「運動器」は、骨や関節、筋肉や神経から構成されており、それらが連携して働くことで、人は自分の身体を自由に動かすことができます。高齢期には膝の痛みや筋力の低下などの運動器の障害が増加しやすく、治療が必要となることも少なくありません。
ロコモティブシンドローム注)(運動器症候群)とは、筋肉や骨、関節、椎間板といった運動器に障害が起こり、日常生活に何らかの支障が発生している状態を指します。このロコモティブシンドローム(以下ロコモ)が進行すると介護が必要になることもあり、予防がとても大事です。
注)介護が必要となる原因に、運動器の病気や障害が少なからずあることから、2007年に日本整形外科学会によりロコモティブシンドロームという概念が提唱されました。
運動器の障害は、少しずつ進行します。自分で気付くためのツールとして日本整形外科学会から「ロコチェック(ロコモーションチェック)(図1)」が出されています。皆さんもロコチェックしてみましょう。
図1:ロコチェック
引用)日本整形外科学会公式ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモonline」より「ロコチェック」を参照し作成
ロコチェックの結果は、いかがでしたでしょうか。
実は、1項目でもチェックがつくと、ロコモの可能性があります。
NILS-LSA(ニルス・エルエス・エー)で行なった調査では、40-80歳代の方々のうち、上記いずれかの項目に「症状がある」と答えた女性は29.5%、男性は25.7%でした。また「症状がある」と答えた方々の割合は高齢群ほど高く(図2)、項目別では「片脚立ちで靴下がはけない」「階段を上がるのに手すりが必要である」「家の中でつまずいたりすべったりする」にチェックした方々が多いという結果でした。
図2:ロコチェック7項目中1項目以上「症状あり」と答えた人の割合
思い当たる症状がある場合は、年齢に関わらず身体を動かすことを心がける等の生活習慣を見直す、医療機関を受診するなど、適切な対処が必要かもしれません。
また該当する項目がなかったとしても、運動習慣のない生活は運動器の衰えを促します。痩せすぎや太りすぎも骨や筋肉を弱らせ負担をかけます。ロコモを防ぐ運動「ロコトレ」も紹介されていますので(日本整形外科学会公式ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモonline」より「ロコトレ」へ)、自分のペースで行ってみましょう。
ロコチェックを活用し、加齢とともに増える運動器の障害を防ぎましょう
<コラム担当:大塚 礼、竹村 真里枝、松井 康素>
*このコラムの一部は、以下の研究成果として発表しています*
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