本文へ移動

病院

文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大

 

外来診療・時間外診療・救急外来 電話:0562-46-2311

ホーム > 病院 > 健康長寿ナビ > 足腰が弱る原因は?

足腰が弱る原因は?

昔から、長く歩けなくなったり、階段を上るのがつらくなったり、ちょっとしたものにつまずいたり滑ったりして転びそうになることに、足腰が弱くなるとか、足腰が衰えるというような表現がよく使われてきました。
人は、二足歩行をすることで、両手が自由になり、腕や手を使うことで様々な文明を生み出してくることが出来たといっても過言ではないでしょう。
赤ちゃんの時は、誰もがハイハイをして四つ這いで移動しますが、幼児期になると二足歩行の能力を獲得し、やがて、歩くのみでなく、階段を上ったり、走ったり、飛んだりすることも苦も無くできるようになってきます。しかし、年を重ね、運動をする機会が減り、また外出することも少なくなると、足腰が弱くなってきたと自覚することが多くなってきます。

ここでは、足腰が弱くなる、衰える原因について、改めてその理由を振り返り、年をとっても、できるだけ長い期間、自分の足でしっかりと歩くにはどうしたらよいか、皆様にもお分かりいただけるように書いてみたいと思います。

また、昔から言われている、足腰が弱るということが、最近になって考え方が出されたロコモティブシンドローム「ロコモ」とほぼ同じ意味になりますので、その言葉の解説と合わせて記してみます。

(図1)加齢による運動器の機能の低下

(図1)加齢による運動器の機能の低下
(国立長寿医療センター研究所・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA) 」第5次調査結果より)

足腰が弱る(ロコモの)原因は大きく2つに分けられます。

  1. 年齢が高くなり、立ったり、歩いたりする機能の衰え、すなわち、加齢や活動の低下による筋力やバランス力の低下
  2. 運動器(からだを動かす仕組み)の病気

A.変形性関節症

B.変形性脊椎症(腰部脊柱管狭窄症、頸椎症)

C.骨粗鬆症(にともなう骨折)

D.筋肉減少症(サルコペニア)

1.については、筋力の減少は上肢の力(握力など)より、下肢の力(ひざを伸ばす力など)の方が速く低下し、また、低下する速度は女性より男性の方が急です。ただ男性は年齢とともに減少し80歳代になったときでも、女性の40歳代と同程度ですので、やはり女性の方がより影響が大きいと言えます。(図1)また、バランス力は筋肉よりずっと急速に低下し、転びやすくなりますので注意が必要です。(図2)

(図2)加齢によるバランス力の低下

(図2)加齢によるバランス力の低下
国立長寿医療センター研究所・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA) 」第5次調査結果より

足腰が弱る(ロコモの)主な病気について

加齢に伴う様々な運動器(体を動かすしくみ)の病気として、代表的なものは以下の3つです。すなわち、変形性関節症(もっとも頻度の多い変形性膝関節症と、足腰へより影響を及ぼす変形性股関節症)、骨粗鬆症(とそれに伴い背中が丸くなったり、転んだりするなどで簡単におこる骨折)、変形性脊椎症(特に神経圧迫を伴う脊柱管狭窄症)です。これらの病気が原因で、痛みや関節の動きの範囲が狭くなったり、また筋力低下や麻痺やしびれが起きたり、あるいは骨折したり、体が硬くなったり、バランスをとる力、体力、立ったり歩いたりする能力の低下(すなわち、足腰が衰える)がおきます。東京大学が主になっておこなっている、一般の方を対象とした調査によれば、これらの患者さんの推定数は、変形性膝関節症が2,530万人、骨粗鬆症は1,070万人、変形性脊椎症が3,790万人で、どれか1つでも持っている人は4,700万人(男性2,100万人、女性2,600万人)とされています。もっとも、X線画像診断上や骨密度測定をもとにした推定結果ですので、症状のある人の数はこれほど多くはありません。

ロコモとしては、上記の3つの運動器の疾患とサルコペ二アが代表的な状態といえます。それぞれが原因でフレイル(虚弱)という状態にもなりますが、このなかでサルコペニアについてご説明します。

サルコペ二ア:日本語では加齢性筋肉減少症といいます。考え方が出されたのは1989年ですが、当初は筋肉の量の減少が重視されていました。現在では、筋力の低下や、歩行や立ち上がる力などの身体機能の低下がより重要と考えられてきています。筋力低下は将来の骨密度低下の予測因子とも報告され、筋力の維持は骨強度を保つ意味でも重要です。また、大腿骨近位部骨折例においてもサルコペ二アが多く合併すると報告されており、骨と筋肉が同時に減少して虚弱になりやすい最たる例です。また、変形性膝関節症においても、筋力低下が膝の痛みや機能と関連しています。サルコペニア自体が身体的フレイルの主要因でありますが、やはりロコモティブシンドロームの諸疾患の基礎的要因としても大きく影響しており、相まって、虚弱の連鎖を加速させる要因となっています。最近では、筋肉の量的な減少のみでなく、筋肉の一部が脂肪になったりするなどの、質の低下についても重要とされ、当センターでは、そうした研究に力をいれています。

 

ここで、足腰が弱ってきたサインを紹介しますので、ロコモかどうか振り返ってみましょう。次の7項目は大丈夫でしょうか?1つでも該当する人は足腰が弱りかけているかもしれません。

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたり滑ったりする
  3. 階段を上るのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 15分くらい続けて歩けない
  6. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  7. 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

当センターのロコモフレイル外来では、ここに書きました足腰の弱る原因についていろいろな検査を行い、しっかりと調べ、適切なアドバイスをさせていただいております。
ご興味をお持ちになられた方はパンフレットをご覧いただければと思います。