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「脳の蓄え」を可視化する

認知予備能指数(CRIq)の 日本語版が完成

2026年9月1日

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典。以下「国立長寿医療研究センター」)老年学・社会科学研究センターの片山脩副部長、島田裕之センター長らの研究グループは、加齢によって脳が萎縮しても認知機能を保つ脳の特性「認知予備能」を測定する認知予備能指数(Cognitive Reserve Index questionnaire: CRIq)の日本語版を作成し、その妥当性を確認しました。

研究背景

加齢による認知機能の低下は避けては通れません。

しかし、年齢を重ねても認知機能を高く保たれている方もいれば、そうでない方もいます。その違いはなんなのか。こうした脳の特性は、認知予備能と呼ばれています。

これまで、認知予備能は教育年数といった指標で測定されていましたが、近年では職業や余暇活動も関与することが報告されています。そこで、教育年数・職業・余暇活動から認知予備能を包括的に評価する指標として、認知予備能指標質問票(Cognitive Reserve Index questionnaire: CRIq)が開発されました。現在は無料で公開され、15カ国以上の言語に翻訳されて世界中で活用されています。さらにCRIqの短縮版も開発され13カ国の言語に翻訳され使用されています。しかしながら、日本語版は存在していなかったためCRIqを使用した日本人対象の認知予備能に関する研究はできていませんでした。そこで、日本における認知予備能研究の推進に向けて日本語版CRIq(Japanese version of the CRIq: CRIq-J(312KB)このリンクは別ウィンドウで開きます)とその短縮版(short version of the CRIq-J: sCRIq-J(289KB)このリンクは別ウィンドウで開きます)を作成し、認知機能との関連性を調査することで、CRIq-JおよびsCRIq-Jの信頼性および基準関連妥当性を検証することを目的としました。

研究内容

原著者から日本語版作成の許諾を得た後、言語表現が日本の高齢者の社会文化的文脈に自然に適合するよう配慮して日本語に直訳しました。この暫定の日本語版について、元の英語版を盲検化された2名の英語と日本語のバイリンガルスピーカーが英語に逆翻訳しました。原著者に逆翻訳された日本語版について助言を求め、日本語版の認知予備能指標質問票(CRIq-J)と短縮版(sCRIq-J)を作成しました。次に作成したCRIq-JとsCRIq-Jのスコアが認知機能と関連するか地域在住高齢者3,567名を対象に検討しました。

その結果、CRIq-JおよびsCRIq-Jのスコア(採点表(3149KB)このリンクは別ウィンドウで開きます)は、認知機能と有意かつ正の関係を示すことが明らかになりました。さらに、CRIq-Jのスコアが高いほど、全般的認知機能障害との関連が有意に低いことが示されました(図)。

図 研究結果の概要

研究の意義と今後の展望

この成果は、「脳の蓄え」である認知予備能を可視化するといった観点から、現在の認知機能予備能の量を測定できる可能性を示唆しており、次のようなメリット・展望が期待されます。

  1. 認知予備能を可視化できる
  2. 認知機能の状態をスクリーニングできる可能性がある
  3. CRIq-J、sCRIq-Jを用いて日本人を対象とした認知予備能研究が発展する

今後は、CRIq-JとsCRIq-Jスコアが将来の要介護発生、認知症発症を予測できるかを検証することで、CRIq-JとsCRIq-Jの有用性を明らかにすることを目指します。

本研究は、科学研究費助成事業(日本学術振興会)、長寿医療研究開発費(国立長寿医療研究センター)からの研究助成を受けて行われました。

論文情報

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お問い合わせ先

研究に関すること

国立長寿医療研究センター 予防老年学研究部

副部長 片山脩

TEL : 0562(44)5651(内線 5256)PHS 7881
E-mail : katayama.o(at-mark)ncgg.go.jp

※(at-mark)を「@」に置き換えてください)

報道に関すること

国立長寿医療研究センター 総務部総務課

TEL : 0562-46-2311(代表)
E-mail : webadmin(at-mark)ncgg.go.jp

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