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バイオインフォマティクス研究部の浅海裕也研究員らの研究成果がScientific Reports誌に掲載されました

認知症のバイオマーカーの特定は極めて難しいとされています。認知症には様々な病型があり、その鑑別診断は適切な治療やケアのためには重要と考えられており、疾患層別化マーカーの研究がさかんになっています。本研究では、多クラスロジスティック回帰という解析方法を応用して、血清中のマイクロRNA(miRNA)発現量に基づく、認知症鑑別のための多クラス分類モデルを構築しました。

NCGGバイオバンクには約5,000例の認知症関連のmiRNome(網羅的なmiRNA発現量)データが保存されています。この中から約1,300人の認知症例(アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、正常圧水頭症)と認知機能正常者約250例のデータを用い、それぞれの病型におけるmiRNA発現プロファイルのパターン分析を行いました。

病型の予測には、L1正規化項やL2正規化項を導入した多クラスロジスティック回帰を応用しました。学習群データのクロスバリデーションから最適なmiRNA数と正則化項パラメータを決定し、全学習群データから判別モデルを構築しました。その結果、46種のmiRNAをバイオマーカーとして用いることで、被験者の病型を予測できる判別モデルが得られ、検証群による解析でもこのモデルがワークすることが示されました。

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図:血中miRNAバイオマーカーを用いた多クラス分類モデルによる鑑別診断

判別精度はまだ高くはありませんが、数理モデルとしてこの方法が活用できると考えられます。症例数を増やした再検証が精度を向上させると期待しています。また、認知症に限らず、複雑な病型を示す他の疾患にも応用可能と考えられます。

本研究では同定した46種のmiRNAが標的とする遺伝子群の遺伝子間相互作用ネットワーク解析も調べています。その結果、アルツハイマー病判別モデルから、同疾患の発症への関与が示唆されるSRCCHD3がネットワークの主要ハブ遺伝子として確認されました。この結果は、本モデルが使用したmiRNAが認知症鑑別に適切であることを示唆していると考えられます。

本研究成果は,2021年10月22日にオンライン英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。本研究は、AMED、長寿医療研究開発費、長寿科学振興財団、武田科学振興財団、厚生労働省の研究助成を受けて行われました。

論文情報

表題

Dementia subtype prediction models constructed by penalized regression methods for multiclass classification using serum microRNA expression data

研究チーム

掲載誌

Scientific Reports

論文URL

https://www.nature.com/articles/s41598-021-00424-1このリンクは別ウィンドウで開きます

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