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疾患ゲノム研究部 浅海裕也研究員らの論文がJournal of Human Genetics誌に掲載されました

大脳白質病変(White matter hyperintensities)は高齢者の脳MRI検査でよく認められる虚血性の変化であり、アルツハイマー病などの認知症や、脳卒中、脳梗塞のリスクと関係しています。しかし、その原因は十分に分かっていません。また、白質病変の体積に遺伝が影響する割合はおよそ5割から8割と高いことが推定されています。白質病変の遺伝的な要因については、これまでに欧米の大規模コホートに基づくゲノムワイド関連解析(GWAS)により20箇所以上の遺伝子座が同定されています。しかしながら、日本人を含む東アジア人における白質病変の遺伝的要因は完全には解明されていませんでした。日本人においても白質病変の遺伝的要因を探索することが望まれています。

本研究では、国立長寿医療研究センター(NCGG)病院で測定された脳MRIデータと、NCGGバイオバンクに登録されたゲノム情報を組み合わせて、日本人1,001名の白質病変に関するGWASを実施しました。さらに、最近報告された日本人の認知症コホート研究(JPSC-AD)と、英国のUKバイオバンクのゲノム解析情報を使い、これらのデータを合わせてメタ解析を実施しました。その結果、NCGGとJPSC-ADのデータを合わせた日本人メタ解析では、JPSC-AD研究で同定された2つの遺伝子座が白質病変と有意に関連することが検証され、さらに新たな遺伝子座が3つ見つかりました。また、UK Biobankのデータを加えた民族横断的メタ解析では、JPSC-AD研究で同定された11遺伝子座が検証され、NCGGのGWASで同定された新規遺伝子座のうち1つが有意に関連することがわかりました。

これらの遺伝子座に対して、NCGGバイオバンクが保有する血中の網羅的な遺伝子、タンパク質の発現量データを活用した発現量的形質遺伝子座(eQTL)解析、タンパク質QTL(pQTL)解析を実施しました。その結果、白質病変関連遺伝子座がACOX1遺伝子の発現低下や、免疫・炎症関連タンパク質の発現増加と関連することが示唆されました。本研究は日本人における白質病変の遺伝的要因に関する新たな知見を提供し、白質病変の原因解明や関連する疾患の病因研究に貢献すると期待されます。

本研究成果は,2026年1月20日に人類遺伝学の国際誌「Journal of Human Genetics」に掲載されました。

本研究は、長寿医療研究開発費、堀科学芸術振興財団、長寿科学振興財団、AMED認知症開発事業、文部科学省科学研究費補助金、中京長寿医療研究推進財団、厚生労働省の研究助成を受けて行われました。

表題

Meta-analyses of genome-wide association studies identify novel loci influencing Japanese white matter hyperintensities

研究チーム

研究所 メディカルゲノムセンター

研究所 認知症先進医療開発センター

研究所

掲載誌

Journal of Human Genetics

論文URL

https://doi.org/10.1038/s10038-026-01454-1このリンクは別ウィンドウで開きます

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