
APOE研究会は、広い視野からAPOEとそれに関わる分子に興味を持つ研究者の皆様に交流の場を提供し、APOEに関する情報交換・APOE研究の普及・さらに次世代の研究者を育成することを目的として活動しています。

アポリポプロテインE(Apolipoprotein E、APOE)の略で、脂質の輸送や代謝に関わるタンパク質です。APOEは、アポリポタンパク質と呼ばれる脂質結合タンパク質のファミリーに属しています。脂質は水に溶けにくいため、リポタンパク質が脂質と結合したリポプロテインという水溶性の形で体内を輸送されます。
APOEには、血液型と同じように型があります。遺伝子の違いにより、APOE2・3・4という種類があり、これら3つのAPOEの組み合わせにより6種類の組み合わせが存在します(注1)。これらの遺伝子多型は、アルツハイマー病などの認知症の発症リスクと関係することが知られており、APOE4が最もリスクが高いことが報告されています(注2)。

アルツハイマー病の治療薬として、抗アミロイド抗体医薬が用いられるようになってきました。抗体医薬による治療では、アミロイド関連画像異常(ARIA)という副作用が一定の頻度で起こることがわかっています。このARIAの発生頻度にも、アルツハイマー病のリスクとして知られるAPOEの遺伝子多型が影響することがわかってきました。APOE4の遺伝子を2本持つ(ホモ接合体)方はARIAの発症頻度が高くなり、2本の遺伝子の片方がE4型(ヘテロ接合体)の方でもやや高くなる傾向が見られます。しかし現在のところ、APOE4の保有者でARIAの発生頻度が高くなる理由はわかっていません。
ランチョンセミナーや広島特別プログラムの内容を公開しました。
以下リンクより第5回APOE研究会のページをご覧ください。
第5回APOE研究会(広島)のページ
にて参加登録と演題登録を受け付けています。
奮ってご参加ください。
国際的な総合科学雑誌Natureのウェブサイトに2025年11月13日公開された特集企画Technology Feature Neuroscienceの一部として、新潟大学・遺伝子機能解析学分野が行ったアルツハイマー病研究に関する記事広告Rare Asian gene variants may protect against Alzheimer'sが掲載されました。
この記事では、日本人を含む東アジア集団に特有の稀少なAPOEのミスセンス変異が、ADの発症リスクを低減する可能性を示す最新知見が紹介されています。これらの変異は欧米集団にはほとんど存在せず、地域集団固有の遺伝的背景がAD感受性に大きく影響することを示唆しています。また、国内外の研究施設が連携して取得した大規模なゲノムデータを利活用し、ADに対するポリジェニックリスクスコア(PRS)を算出し、今後のPRSの臨床応用に向けた展望が語られています。
第5回APOE研究会は広島で開催いたします。
開催日:2026年10月17日(土曜日)
会場:広島大学医学部 広仁会館
世話人:山崎雄
参加登録は、来年3月より受付開始の予定です。
「APOE集中講義:アルツハイマー病の次の治療標的としてのApolipoproteinE研究の最前線」

第4回APOE研究会は、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)にて、2025年6月14日(土曜日)に開催されました。


APOE研究会会長
橋本唯史
国立精神・神経医療研究センター
"ApoE is center of the universe"
これは私の留学時代の恩師,Bradley T. Hyman教授の言葉です。この言葉は、apoEの神経疾患研究における重要性を示すとともに、生命現象におけるapoEの多面的な機能を象徴しています。
天文学者が地球上の様々な地点から、多様な観測機器を用いて宇宙を探るように、apoE研究も、異なる研究背景や研究分野の研究者が、それぞれの視点とアイデアをもって探求を進めていきます。そして、これらの知見が結びついたとき、生命にとってのapoEの機能、そして疾患における役割が見えてくると信じています。
apoE研究会は、そうした研究者たちが、闊達に議論し、協力し合うためのプラットフォームとして結成されました。ここから新しい発見や共同研究が生まれ、apoE研究がますます広がっていくことを願っています。

APOE研究会副会長
宮下哲典
新潟大学 脳研究所
2000年代初頭より、主にアルツハイマー病(AD)の感受性遺伝子探索研究に従事してきました。
その過程で、APOEが確実にADと関連する遺伝子であることを強く実感しました。
他のAD感受性遺伝子とは一線を画するその確実性と多様な機能に魅了され、今日に至ります。
APOEという興味深い分子の理解が、今後さらに深まることを願っております。

APOE研究会副会長
渡部博貴
藤田医科大学
APOEを含むアルツハイマー病の遺伝性因子の影響を、ヒト細胞及びマウスモデルを用いて研究を進めています。創薬開発に資することができるような基礎研究を目指しています。

常任理事・会計監査主査
飯島浩一
国立長寿医療研究センター
アルツハイマー病は非常に身近な病気にもかかわらず、治療がとても難しい病気です。しかし最近、アルツハイマー病を発症前にとらえるバイオマーカーの開発が急ピッチで進み、発症や進行を遅らせる先制治療を実現できる可能性が出てきました。しかし、アルツハイマー病の発症には、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合うため、その発症メカニズムには不明な点が多く残されています。
アポリポタンパク質E(Apolipoprotein E: APOE)は、血液中や脳の中でコレステロールなどの脂質の輸送や代謝に関わる重要なタンパク質です。不思議なことに、APOEには主に3つのタイプ(APOE2・APOE3・APOE4の遺伝子型)があり、その個人差が「アルツハイマー病へのなりやすさ」を左右します。そのため、アルツハイマー病の予防法や治療法の開発の鍵を握ると考えられ、ますます研究を推進する必要があります。
本APOE研究会が、様々な専門分野の研究者、医療従事者、さらに企業の皆様が交流して力を結集するプラットフォームとなり、アルツハイマー病の発症や進行を少しでも遅らせる治療法の開発へとつながることを願っております。

常任理事・広報委員長
関谷倫子
国立長寿医療研究センター
APOEの多型や変異は多くの疾患と関係することから、疾患研究において重要な分子であると思います。一方で、APOE多型の頻度に地域や人種集積性があること、APOE多型が進化により変化したと推測されていることなどから、APOE多型の機能、人種・環境要因との関係にも大変興味があります。
APOE本研究会を通じて、多くの先生方との交流を深めながら互いに知見を共有し、APOE研究を進めていきたいと思います。

第5回世話人・会計
山崎雄
広島大学
発見から30年以上。
APOE×アルツハイマー病の不思議を解き明かし、アルツハイマー病の未来を変える手がかりを探しています!
臨床医の視点からもとても興味深い研究分野です。
名誉顧問:道川誠(名古屋市立大学)
特別顧問:兼清貴久(Mayo Clinic Jacksonville)
以下のpdfファイルに必要事項を記入し、メールにてお申し込みください。
開催日:2023年3月15日(水曜日)、会場:国立精神・神経医療研究センター、世話人:橋本唯史
開催日:2023年10月28日(土曜日)、会場:新潟大学脳研究所、世話人:宮下哲典
開催日:2024年9月28日(土曜日)、会場:慶應義塾大学三田キャンパス、世話人:渡部博貴
開催日:2025年6月14日(土曜日)、会場:国立長寿医療研究センター、世話人:飯島浩一
開催日:2026年10月17日(土曜日)、会場:広島大学、世話人:山崎雄
APOE研究に使用する抗体情報や試薬など、掲載情報を募集しています!
国立長寿医療研究センター
神経遺伝学研究部 関谷倫子
TEL:0562-46-2311(代表)
E-mail:mmsk@ncgg.go.jp
迷惑メール防止のため、@を全角表示しております。メール送信にあたっては、半角の@に直してお送りください。