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骨格筋由来因子が老化・寿命を制御

Mimecanが深部体温調節と寿命延長に関与

2026年5月8日

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典。以下、国立長寿医療研究センター)生体リズム研究チームの森健太郎チームリーダーと、ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)のテオドール&バーサ・ブライアン卓越教授である今井眞一郎教授は、骨格筋から分泌される因子「Mimecan」が、深部体温の日内リズムを若く保ち、寿命に関与することを明らかにしました。

研究の主なハイライト

研究の概要と結果

本研究では、骨格筋から分泌される因子「Mimecan」が、脳の視床下部および褐色脂肪組織と連携して深部体温の日内リズムを制御し、加齢の進行を遅らせ、寿命を延ばすことをマウスモデルで明らかにしました。骨格筋特異的にMimecanを欠失させたマウスでは、褐色脂肪組織の機能低下や深部体温調節の障害が認められ、これらは老齢マウスに見られる表現型を模倣するものとなっていました。一方で、老齢マウスにおいて骨格筋でのMimecan発現を維持したモデルでは、褐色脂肪組織の機能および深部体温の日内リズムが顕著に改善し、加齢に伴う死亡率の低下と寿命の有意な延長が確認されました。Mimecanは、視床下部の背内側視床下部および背側視床下部に存在するメラノコルチン4受容体(MC4R)陽性神経細胞を活性化し、褐色脂肪組織に向かう交感神経活動を高める作用を持つことが分かりました。さらに、これらの神経細胞におけるMC4Rの機能を抑制すると、Mimecanによる褐色脂肪組織活性化作用は完全に消失しました。また、Mimecanの発現は骨格筋に向かう交感神経の活動によって調節され、加齢に伴い低下しますが、自発的な運動を行うと老齢マウスにおいても血中Mimecan濃度を若年レベルに維持できることが示されました。

研究の意義と今後の展望

本研究は、骨格筋・脳(視床下部)・褐色脂肪組織からなる臓器間ネットワークが、哺乳類における深部体温の日内リズムを介して老化の進行や寿命制御に結びつくことを示したものです(図)。
深部体温はヒトにおいても日内リズムに従って変動し、加齢に伴ってその振幅が低下することが知られています。今回の成果は、深部体温リズムの維持が健康寿命の延伸に資する可能性を示唆するものであり、今後は深部体温リズムに着目した介入法や指標の開発を通じて、ヒトでの応用可能性を明らかにしていきます。

図:骨格筋、視床下部、褐色脂肪組織の間の臓器間ネットワーク

論文の情報

本研究成果は国際科学誌『Cell Metabolism』に、日本時間2026年5月8日付でオンライン掲載されます。

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お問い合わせ先

研究に関すること

国立長寿医療研究センター ジェロサイエンス研究センター
生体リズム研究チーム チームリーダー 森健太郎
電話:0562-46-2311 (代表) E-mail: kmori(at-mark)ncgg.go.jp
※(at-markを「@」に置き換えてください)

報道に関すること

国立長寿医療研究センター 総務部総務課
TEL : 0562-46-2311(代表)
E-mail : webadmin(at-mark)ncgg.go.jp

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