プレスリリース
2026年2月12日
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
国立長寿医療研究センターは、健康長寿支援ロボットセンター・ロボット臨床評価研究室を中心とし、次世代の高齢者支援ロボティクスを実生活へ導入するための新たな実証拠点「長寿チャレンジハウス」を開設いたしました。
次世代ロボティクスとともに挑戦できる暮らしへ
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典、以下「当センター」)は、健康長寿支援ロボットセンター・ロボット臨床評価研究室を中心とし、サンヨーホームズ株式会社との共同研究により、次世代の高齢者支援ロボティクスを実生活へ導入するための新たな実証拠点「長寿チャレンジハウス」を当センターにほど近い住宅地内に開設いたしました。「長寿チャレンジハウス」とは、家庭内で多様な支援ロボットを活用し、高齢者一人ひとりが日々の生活に挑戦(チャレンジ)しやすい環境にて、生き生きと暮らすことで、健康長寿を実現するための未来型住環境を示すコンセプトです。

写真1:長寿チャレンジハウス全景
日本では急速な超高齢社会の進展により、移乗支援ロボットや見守りセンサ、移動支援モビリティなど、高齢者の生活を支えるロボット技術の社会的ニーズが急速に高まっています。2050年までには、誰もがいつでも、どこでも、ロボットを活用できる「人とロボットが共生する社会」の到来が期待されています。当センターでは、この未来を見据え、当センターのリビングラボ環境において様々な生活支援ロボットを活用し、ロボット導入により生活活動に“心理的安心感”が生まれること、その安心感が自己効力感を向上し、個々の挑戦を後押しできることを実証してきました。こうした知見を実際の生活空間に展開するためには、ロボットの改良だけでなく、住宅そのものをロボットフレンドリーに再設計する発想が必要です。
日本の住宅地では空き家率が上昇し、地域の安全、コミュニティの希薄化、老朽化など社会課題が顕在化しています。本取り組みでは、空き家を活用し、断熱・耐震性能の向上、水回り刷新などを行うと同時に、1)間取りの最適化、2)福祉用具・ロボット移動導線の設計、3)懸架型ロボット(転倒の際の衝撃を緩和する;写真2)使用を前提とした天井・壁の補強、4)センサの設置が可能な環境整備、などを行い、「ロボットが使いやすい家」へ包括的にリノベーションする全国初の試みを実現しました。

写真2:転倒衝撃緩和ロボット周回レール仕様
本開発は、サンヨーホームズ株式会社との共同研究により進められ、健康長寿支援ロボットセンターのリビングラボ(生活支援実証室・ロボット実証空間)で検証された以下のような多様なロボティクス技術を、実際の生活環境へ展開できる拠点として整備しました。
すでにロボットメーカー、建築メーカー、センシング企業、エンターテイメント事業者など多数の企業が参画し、生活支援・医療・介護分野にわたる実装に向けた共創が加速しています。

写真3:生活支援ロボット装備
本取り組みでは、自治体、地域住民、医療・介護スタッフ、企業研究者など、多様な関係者と共創し、先端技術の体験、使用シナリオの評価、改善点のフィードバックを継続的に行う、共進化型の実証プラットフォームとしての運用を目指します。特に、センシング企業との連携により、活動量、歩行、睡眠、生活活動など、さまざまなライフログを高精度に取得し、生活変容の可視化やロボット介入がもたらす効果の定量的評価にも取り組みます。また、当センター病院とのデータ連携を進めることで、取得したライフログを活用した遠隔医療や遠隔リハビリテーションの実現にも貢献します。最終的には、長寿チャレンジハウスでの生活体験を通じて、ロボットとの共生が個々の挑戦や生きがいを創出するような「未来の暮らし」を実現するための拠点として運用することを目指します。
なお、本取り組みは、内閣府ムーンショット型研究開発事業「目標3」「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」(プロジェクトマネージャー:平田泰久、課題推進者:加藤健治)の一環として実施されています。
同プロジェクトは、2024年にパリ・パラリンピック公式ファンゾーンでの「スマーター・インクルーシブ・ダンス」実施、第11回ロボット大賞(介護・医療・健康分野)優秀賞の受賞など、国内外で高い評価を受けています。
長寿チャレンジハウスは、これらの成果を「生活の中で活かす」ための次なる挑戦であり、ロボットと人がともに暮らしながら生活を築いていく共創ハウスです。
| 氏名 |
加藤健治 |
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| 研究室 | ||
| 研究の概要 |
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健康長寿支援ロボットセンター ロボット臨床評価研究室
国立長寿医療研究センター総務部総務課 総務係長(広報担当)
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