プレスリリース
2025年12月16日
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
国立長寿医療研究センターは、学校法人日本福祉大学および株式会社AVANTIAと、2025年11月19日に三者共同研究契約を締結しました。
今後、三者が連携し、高齢者が安心して暮らせる住環境づくりに向けて、介護支援ロボットの実装などの取り組みを進めてまいります。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典。以下「当センター」)では、健康長寿支援ロボットセンター・ロボット臨床評価研究室を中心に、次世代の高齢者支援ロボティクスの開発と社会実装を加速するための実証拠点として、2022年に「リビングラボ」を設立しました。
このたび、従来の「リビングラボ(生活支援実証室(図1)とロボット実証空間)」に加え、新たに在宅環境における実証を可能とするモデルハウスを開発します。
これにより、実際の生活場面におけるロボットの評価が可能となり、社会実装の取り組みが本格化しています。本研究により、学校法人日本福祉大学(所在地:愛知県知多郡、学長:原田正樹、以下日本福祉大学)、株式会社AVANTIA(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:沢田康成、以下AVANTIA)とともに、実際の在宅環境における生活支援・医療・介護の現場での活用に向けた産学連携を強化します。

図1:生活支援実証室(従来のリビングラボ空間)の全景
三者契約による“実証型”の住環境研究:住宅設計・福祉・医療の専門知見を融合し、平屋の高齢者仕様モデルハウスを活用した実証研究を展開します。具体的には認知や記憶に配慮した設備や動線設計の研究、また、自立を支援する介護ロボット技術の検証を、地域高齢者を招いて行うことを目的としています。
当センターでは、この未来を見据え、産学官連携のもとで、ロボットの開発・実証・社会実装を一気通貫で支援できる環境として、リビングラボの機能強化を進めてまいりました。リビングラボは、ロボットやAIを実生活の中で活用し、現場の課題を見つけ、技術で解決していく「共創型の実証空間」です。本研究においてはその機能をさらに拡充し、社会課題の解決に貢献します。
本モデルハウスは、日本福祉大学における福祉・介護分野の実習および研修の場としても活用されます。学生たちは、ロボット技術を活用した生活支援の現場に実際に触れ、利用者目線に立った介護技術の理解を深めるだけでなく、テクノロジーと人間との関係性、倫理的配慮、多職種連携の現場理解といった観点からも実践的な学びを得ることができる場としての活用が見込まれます。
本モデルハウスは、AVANTIAが展開する平屋専門ブランド「RAN」シリーズに、介護動線や介護ロボットの導入を考慮した新たなカテゴリーとして設定され、それに基づくコンセプトモデルとして設計・公開されます。さらに、本モデルハウスは、当センターおよび日本福祉大学に対し、実証研究の場として無償で提供されます。本研究の成果は、今後、高齢者仕様の住まいの提案として社会に還元され、活用されることが見込まれます。
なお、本取り組みは、内閣府ムーンショット型研究開発事業「目標3」(プロジェクトマネージャー:平田泰久)における「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」(課題推進者:加藤健治)の一環として実施されています。



図2:主な導入機器
健康長寿支援ロボットセンター ロボット臨床評価研究室
国立長寿医療研究センター総務部総務課 総務係長(広報担当)
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