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国立長寿医療研究センターは、エビデンスに基づいた多因子介入プログラムである「地域版J-MINTプログラム」を開発しプログラムの普及を推進していきます

2025年7月15日

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典。以下 国立長寿医療研究センター)は、軽度認知障害 (MCI) における認知障害の進行予防の有効性を検証したJ-MINT研究の成果に基づき、社会実装のための多因子介入プログラム「地域版J-MINTプログラム」を開発しました。2025年5月より、J-MINT認定推進機構株式会社(本社:愛知県大府市、代表取締役:江藤啓司。以下 J-MAP)とともに、「地域版J-MINTプログラム」を普及させることを目指した取り組みを開始します。

 高齢化の急速な進行により、我が国の認知症の人の数は増加しています。2022年の認知症の高齢者数は約443万人、軽度認知障害(MCI)の高齢者数は約 559 万人と推計され、その合計は1,000万人を超え、高齢者の約3.6人に1人が認知症又はその予備群といえる状況にあります(厚生労働省「認知症施策推進基本計画」2024年12月)。

 MCIは、認知症と診断される一歩手前の状態であり、放置すると認知症に進行することが多いですが、適切な介入により健常な状態に戻ることも期待されています。こうした背景のもと、全国の自治体や民間事業者によって介護予防プログラムが展開されていますが、認知機能改善に関する科学的根拠(エビデンス)を有するものはありません。

「地域版J-MINTプログラム」は認知症予防の非薬物による標準的な介入方法として、いつでも誰でもどこでも受けられるサービスとなることを目指しています。これにより、高齢者の認知機能とQOL(生活の質)の向上、地域全体の健康とウエルビーングの向上、さらには健康寿命の延伸、医療費や介護費の削減にも貢献できると考えています。

 社会実装にあたっては、J-MAPが「地域版J-MINTプログラム」の認定運用主体として、プログラムを標準化されたサービスとして提供する事業者を「J-MINTパートナー」として認定する事業者認定制度、さらに教室で高い品質なプログラムを提供できる「J-MINTインストラクター」の育成・認証制度を設計しました。これらの制度をJ-MAPが運用することで、社会実装を支えるリソースの確保を進めてまいります。

今後の展開について

J-MINTプログラムの社会実装に向けて開発した「地域版J-MINTプログラム」の有効性を検証する研究事業を、2026年度から2027年度にかけて実施いたします。この研究にご協力いただける市町村を広く募集しています。

本研究にご参加いただく自治体には、以下のようなメリットがあります:

研究内容や参加条件等の詳細につきましては、下記の問い合せ先宛てにお問い合わせください。

なお、研究事業への参加が難しい自治体向けにも、「地域版J-MINTプログラム」に関心をお持ちの場合は、J-MAPより詳しい御説明をいたします。ご希望の方は、J-MAP公式ウェブサイト(www.j-mint.co.jp)記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

J-MINT研究とは

 J-MINT研究(正式名称:認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較研究)は、2019年から2023年にかけて実施された、日本初の大規模な認知症予防介入研究です。本研究では、認知症リスクのある高齢者を対象に、生活習慣病管理、運動指導、栄養指導、認知トレーニング、社会参加支援を組み合わせた多面的なプログラムの有効性を検証しました。研究期間中に新型コロナ感染症のために途中で中断せざるを得ない期間もありましたが、運動教室に70%以上参加された方では、認知機能の維持・向上に有意な効果が確認されました。

また、J-MINT研究と同様の指導を行ったJ-MINT PRIME-Tamba研究(兵庫県丹波市)では、新型コロナ感染症の影響はほとんどなく介入プログラムを完遂することができ、認知機能の有意な改善が確認されました。

地域版J-MINTプログラムとは

 J-MINTプログラムは、1教室あたり約20名の参加者を対象に、週1回の頻度で以下の内容を行う多因子介入型プログラムです:

これらのプログラムを通じて、参加者の認知症リスクの低減が期待されます。

<プログラムの構成イメージ>

プログラムは運動、認知トレーニング、グループワーク、セルフモニタリングの4本柱で構成されています。

J-MINT認定推進機構株式会社について

J-MINT認定推進機構株式会社(www.j-mint.co.jp)は、国立長寿医療研究センター、SOMPOホールディングス株式会社、コナミスポーツ株式会社等からJ-MINTプログラムに関する知的財産権の実施許諾を受け、J-MINTプログラムの社会実装を目的として設立された会社であり、社会実装にあたっては、パートナー企業や自治体等と協力しながら、J-MINTプログラムの品質を維持しつつ、日本全国に普及展開することで認知症予防を推進することを目指します。

リリースの内容に関するお問い合わせ

この研究に関すること

国立長寿医療研究センター 予防科学研究部

電話 0562(46)2311(内線5068)

E-mail  sbir-office(at-mark)ncgg.go.jp

※(at-mark)を「@」に置き換えてください。

報道に関すること

国立長寿医療研究センター総務部総務課 総務係長(広報担当)

〠474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話 0562(46)2311(代表)

E-mail webadmin(at-mark)ncgg.go.jp

※(at-mark)を「@」に置き換えてください。

地域版J-MINT教室に関すること

J-MINT認定推進機構株式会社

〠474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

                 国立長寿医療研究センター連携ラボユニット番号2

電話 050(5838)9176(代表)

E-mail info(at-mark)j-mint.co.jp

※(at-mark)を「@」に置き換えてください。

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