研究実績
2021年01月14日
本報告では,Hugという移乗支援ロボットを2年以上継続的に使用している介護施設において,移乗介助中における介護職員の身体的負担や施設利用者への発話について調査しました.その結果,Hugを用いて職員が利用者の移乗介助を行うと,職員の心拍数がHugを使わないときと比較して低下するとともに,移乗介助前後における職員から利用者への声掛け回数が増えることを示しました.この結果は,ロボット介護機器を活用した移乗介助において,職員の身体的負担の軽減が,利用者とのコミュニケーションの向上につながる可能性を示しています.調査対象の施設では,Hugを長期的に使用し,機器の取り回しやその使い方に熟練しています.したがって,ロボット介護機器を継続的に使用することが,介護施設のケアの質を向上させる可能性があることを示しています.
論文リンク
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.14113
本研究成果は,2020年12月16日に日本老年医学会の公式英文誌「Geriatrics & Gerontology International」のオンライン版に掲載されました.
本研究は、AMEDの研究助成を受けて行われました.