老年内科では、高血圧や糖尿病、認知症などの慢性疾患や、肺炎、尿路感染症などの急性疾患など、高齢期に多い一般的な疾病を中心に診療を行っています。とくに、これらの疾患を併せてもつ複雑な状態(マルチ・モビディティ)や、これに伴って多くの薬剤を使用している状態(ポリファーマシー)の方などを積極的に診療しています。
高齢期には、サルコペニアや骨粗鬆症、フレイルなど、生活機能に影響を及ぼしやすい問題が生じやすいことが知られています。老年内科では、これらの予防を視野にいれた一般的な内科系疾患、多病で複雑な高齢患者のマネジメント、さらには人生の最終段階の医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)まで、幅広い領域に対し、総合的な診療を行っています。加齢に伴う疾病や、いくつもの病気を併せ持つ方、体の機能が低下してきた方、受診すべき診療科がわからない方は、老年内科へご相談ください。
また、当科では、かかりつけ医の先生方の診療をサポートできるよう、ご紹介いただいた方について、必要な精査や治療を行い、ご本人やご家族の同意のもと、得られた結果等をご報告し、診療に役立てていただきます。
高齢者の一般内科診療や認知症診療を行うとともに、高齢者に特有なフレイル状態(些細なことで調子を崩しやすい高齢者)を評価し、可能な限り自立機能を維持できるような治療や療養支援をしています。
病気の影響や後遺症によって、自立した生活を送ることが困難になった場合には、地域の介護施設や介護支援専門員らとも連携をとり、適切な療養環境を構築する支援を行います。環境や病状に応じて、在宅医療との連携も積極的に行っています。
高齢者の人生(寿命)を視野に入れ、個々に寄り添える診療の実現に努めています。そのために、多職種(医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学・作業・言語療法士、社会福祉士など)によるチーム医療を積極的に構築し、各職種の専門性を重視した診療を行っています。
人生の最終段階(エンド・オブ・ライフ)には、病状やご本人の意向に基づいて、自然の摂理に沿った節度のある診療を行います。そのため、通常の診療においても人生の最終段階(エンド・オブ・ライフ)の医療に対する意向を確認するよう努めています。