あいち小児保健医療総合センター 臨床研修プログラム
指導責任者:あいち小児保健医療総合センター 総合診療科部長 鈴木基正
- 特色
当院は、国立長寿医療研究センターを基幹とした臨床研修プログラムにおいて、選択必修科目で当院の小児科研修を希望した初期臨床研修医に対して、以下のプログラムを提供する。
- 目標
医師の初期研修として、小児患者のプライマリーケアに対応できるようにすること
- 研修責任者
責任者名 鈴木基正(総合診療科医長)
- 研修指導体制
初期研修医に1人の専任指導医が全期間を通して研修の責任を負う。必要に応じて他の指導医と診療を行う。
- 研修の評価方法
国立長寿医療研究センターの様式に従い研修医を評価し、国立長寿医療研究センターへ報告する。
- 研修医の処遇
基幹型病院である国立長寿医療研究センターの処遇に従う。
- 臨床研修病院群
当院は、国立長寿医療研究センターを基幹型臨床研修病院とした臨床研修病院群を構成する。
小児科/研修カリキュラム
小児科研修の一般目標
- 子どもの特性を学ぶ
- 子どもの成長・発達と異常に関する基本的知識を習得する
- 子どもの心身の特性を知り、身体的状態だけでなく心理的状態を考慮した診療態度を身につける
- 養育者の心配・育児不安などを受けとめる
- 小児診療の特性を学ぶ
- 子どもや養育者との信頼関係を構築し、訴えに十分耳を傾ける
- 養育者からの情報を的確に収集できる
- 養育者の情報と子どもの観察から病態を推察する「初期印象診断」の経験を蓄積する
- 診察に際して子どもの協力を得るためのスキルを身につける
- 小児のや薬容量、検査値などは成長とともに変化することを理解する
- 小児の採血、血管確保、予防接種などの基本的技能を習得する
- 小児疾患の特性を学ぶ
- 小児疾患は成人と同じ疾患でも病像が異なり、同じ主訴・症候でも年齢により鑑別疾患が異なることを理解する
- 年齢特性を理解した上で鑑別疾患を挙げ、子どもの病態に応じて問題解決する経験を蓄積する
- 頻度の高い疾患(感染症、けいれん、喘息など)については、診断・治療法について習熟する
小児科研修の行動目標
- 患者・家族・医師の関係
- 子どもや家族と良好な人間関係を気づくことができる。
- 子どもや家族の心理状態・社会的背景に配慮できる
- 入院している児のストレスに配慮することができる
- 守秘義務とプライバシーを遵守できる
- 医療面接病歴聴取
- 子どもや養育者との信頼関係に基づいて情報収集ができる
- 子どもに不安をあたえないように接することができる
- 子どもに痛いところ、気分の悪いところを示してもらうことができる
- 養育者から診断に必要な情報を的確に情報収集できる
- 養育者から子どもの発達歴・既往歴・予防接種歴などを聴取できる
- 傾聴・共感的態度でコミュニケーションを図れる
- 心理・社会的側面に配慮した病歴聴取を行い、身体疾患だけでなく心理的問題の把握ができる
- 患者・家族が納得できる医療を行うために、適切に説明・指導ができる
- 身体診察
- 年齢に応じ、適切な手技による系統的診察ができる
- 子どもの全身状態を包括的に観察し、重症度を推測できる
- 診察中に子どもや家族への声かけと配慮ができる
- 診断問題解決
- 子どもの状態を把握し、適切なプレゼンテーションができる
- 得られた情報を総合し、指導医と議論し、エビデンスに基づいた診断と問題解決ができる
- 診断技能(自ら行える)
- 臨床検査(以下の検査の結果を解釈できる)
- 尿検査
- 血液検査
- 細菌学的検査
- X線検査
- 心電図
- 超音波検査
- CT
- MRI
- 治療
- チーム医療
- 医師・看護師・薬剤師・保育士・事務職員・その他の医療職の役割を理解し、協調して医療ができる
- 指導医・他分野の専門医に適切なコンサルテーションができる
- 安全管理
- 病棟内での子どもの事故(ベッドからの転落など)を防止できる
- 院内感染対策を理解し、感染予防策を実行できる
研修指導体制
- 指導医1名が研修医1名に対して、専任指導医として全期間を通して研修の責任を負う。
- 研修内容は研修医とその内容に関して打ち合わせを行う。