知多半島地域医療研修(へき地医療臨床研修)カリキュラム
指導責任者:知多厚生病院 院長 水野史朗
研修目的
へき地医療において必要な知識、技能、態度を修得するとともに、医療・介護・保 健など総合的に理解し、地域において医療の果たすべき役割を理解することを目的とする。
研修内容
外来診療
- 篠島診療所および日間賀島診療所の外来診療において、小児から高齢者にわたる広範囲な初診患者に対して、問診、理学的診察、診断、治療方針の決定と治療の実施を体験する。
- 再診患者の経過を把握し、継続治療方針を立案し、施行する。
- 実習の最終日には、できる限り自分が診察した患者の経過について診療所専門医師に問い合わせ、自らの診察の適否を検証する。
在宅診療
- 島内での往診に同行し、地形や村落の状況を知るとともに、在宅療養患者の実情を把握し、在宅診療のノウハウを経験する。
- 知多厚生病院におけるCATV網を活用した遠隔医療・在宅医療を実践し、保健・医療・介護の情報ネットワークのあり方を学ぶ。
- 南知多訪問看護ステーションスタッフと同行し訪問看護、訪問リハビリを経験する。
介護事業
- 知多厚生病院の介護療養病床において担当医師とともに診療を行い、介護意見書の記載方法を学ぶ。
- 看護師や介護士とともに食事・入浴・排泄介助やレクリエーションを体験し、高齢者介護の実情を理解する。
- 在宅介護支援センターにおいて介護保険の仕組みや地域でのサービスの現状を学ぶ。
到達目標
へき地・離島において保健・医療・介護を体験することにより、地域医療とプライマリーケアの重要性を認識し、将来専門とする分野にかかわらず医師としての基本的使命を果たす姿勢を培う。
行動目標
医療人として必要な基本姿勢・態度でへき地医療に臨む。
- へき地の地理的、経済的、社会的特徴を理解し、地域住民・患者の心身の状況を的確に把握して良好な患者-医師関係の下に診療にあたる。
- へき地における限られた医療・介護のマンパワーの中で、緊密な連携によって最適な保健・医療・福祉のサービスを提供している現場を経験し、チーム医療の重要性を認識するとともに、チームリーダーとしての役割を果たすことを学ぶ。
- 医療機器や資材が限られた中で、医師や医療スタッフが持てる知識と能力を最大限に発揮し、自己責任において診療する状況を経験し、問題対応能力や安全管理能力の大切さを実感する。
- へき地における保健・医療・介護体制の実情を見ることにより、医療の社会性、社会保障制度のあり方を広い視野で考え得る力を養う。