高齢者の「治療可能な認知症」として注目される特発性正常圧水頭症(iNPH)の診断と治療を行う専門外来です。
もの忘れセンター外来
の中で、脳神経内科、精神科、リハビリテーション科などの医師と連携して、診療を行っています。
MRI、シンチグラフィ(DaTスキャン)、脳血流SPECTなど、最先端の診断機器を用いて診療します。
初診の方は、受診前にCGAという認知機能や活動性の総合評価を受けて頂きます(1時間くらいかかります)。
特発性正常圧水頭症の可能性が高い方は、脳神経外科にてタップテストや髄液シャント術を行うことを検討します。
完全予約制ですので、当院の総合受付(予約受付・8番窓口)、または下記の予約センターで予約してください。
TEL:0562-46-2547
月曜日から金曜日の午後1時から午後4時まで
脳の内部にある脳室に脳脊髄液(髄液)が貯留して脳室サイズが拡大したものを水頭症といい、先行する病気がなく、髄液圧の高くないものは、特発性正常圧水頭症(iNPH)と呼ばれます。60歳以上の高齢者に起こり、有病率は1から3%程度とされています。比較的多い病気ですが、見過ごされている患者さんも多くいるようです。なぜこの病気が起こるのかは、よくわかっていません。

iNPHの代表的な症状は、歩行障害、認知障害、排尿障害ですが、必ずこの3つがそろっているとは限りません。他の病気が原因でこれらの症状が出ている場合もあります。アルツハイマー病などの認知症や、脳血管障害、パーキンソン病、前立腺肥大症などが合併していることもあるため、症状だけでは診断できません。

iNPHの特徴的な画像所見はDESHと呼ばれ、脳室やクモ膜下腔の不均衡な拡大を示すため、脳CTやMRIなどの画像検査で、比較的容易に見つけることができます。診断にはこの他、問診、歩行や認知機能の検査、DaTスキャンや脳血流SPECTなどの画像検査、髄液検査などを行い、iNPH以外の病気の可能性も含め、総合的に診断します。髄液排除試験(タップテスト)で一定量の髄液を排出すると、髄液を流す治療を行なったときの効果を予測することができ、髄液の性質も同時に検査できるため、ほぼ全例でこの検査を行い、治療方針の決定に役立てています。

iNPHの治療は、貯留した髄液を体の他のスペースへ流す、髄液シャント術という手術を行います。髄液を抜く場所には2種類あり、頭蓋骨に穴を開けて脳室を穿刺する方法と、腰椎の間を穿刺し脊髄の周りの髄液を抜く方法があります。髄液を流す場所にも2種類あり、腹腔というお腹の内蔵表面のスペースと、首の静脈から心臓の近くの血管内(便宜上、心房と言います)へ流す方法があります。脳室を穿刺する場合は、髄液を流す場所として腹腔と心房のどちらでも選べますが、腰椎を穿刺する場合は、位置的に腹腔しか選べないため、髄液シャント術は、脳室-腹腔(V-P)シャント、脳室-心房(V-A)シャント、腰椎-腹腔(L-P)シャントの3種類となります。
シャント手術では、脳室などの髄腔内へ穿刺してシャントチューブを入れ、皮下にチューブを通して腹腔や心房まで髄液を流します。チューブの途中にバルブという機械が付いており、皮膚の上から磁石で操作することで、流れの圧を調節することができます。髄液が流れすぎると硬膜下血腫などの合併症が起こるため、バルブに髄液の過剰排出を防止する機械を使用し、術後に細かく圧設定を確認します。

圧可変式バルブ(CODMAN CERTAS® Plus)
2022年に新しい診療体制になってからの、正常圧水頭症に対する検査・手術件数です。


脳神経外科については、下記のページもご参照ください。