手術・集中治療部は国立長寿医療研究センター病院の手術および重症および術後患者の集中治療にかんして、運営・管理する部局です。現在、当院の集中治療はHCU(high care unit: 高度治療室)にて行っています。手術部および集中治療部について、それぞれご紹介します。
手術部では手術室、中央材料室、内視鏡室における業務が円滑に行われることを目的として管理・運営を行っています。
現在、年間の総手術件数は約1700件(全身麻酔手術:約500件)です。手術を行っている主な診療科は外科(血管外科を含む)、整形外科、泌尿器科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、歯科です。また、内視鏡検査、内視鏡手術なども手術部で管理されています。夜間や休日の緊急手術はさほど多くはありませんが、速やかにスタッフの対応が行えるように整備されています。
当院では高齢者の手術が多く、また認知症患者さんの手術も行っているため、比較的低侵襲の手術術式を選択することで、患者さんへの負担を少なくするように心掛けています。また、手術室では、高齢や認知症の患者さんへの対応についての配慮も行われています。
新病院では手術室も新築され、様々な手術機器も整備されると思われ、新しい手術室を活用して、さらなる手術件数の増加と、新たな術式への取り組みが期待されています。
集中治療部ではHCUの業務が円滑に行われることを目的として、管理・運営を行っています。現在HCUは中3病棟に所属しており、4床が稼働しています。各患者さんの主治医がHCUでも患者さんの担当医として管理や検査・処置を行い、看護士は中3病棟の看護士が担当しています。
全身麻酔手術後の術後管理やPCI後の管理としてHCUを利用することも多く、またHCU入室の対象者としては、意識障害、急性呼吸不全、慢性呼吸不全の急性増悪、急性心不全、ショック、肝不全、腎不全、多臓器不全、熱傷などの患者さんが含まれます。各種血液浄化療法もHCUで行われています。
現在の病床利用率は60%ほどですが、HCU基準を満たす患者さんは90%以上を確保しています。今後はさらなる利用率の増加を計画しています。
手術室と同様に入室される患者さんは高齢者や認知症の方もみられ、対応については十分な配慮を行うように心掛けています。