認知症予防
認知症予防
日本では高齢化が進み、それに伴い認知症や軽度認知障害をもつ方も増えています。
2024年7月、ランセット国際委員会は、生活の工夫や治療によって改善できる認知症の危険因子として、糖尿病、高血圧、肥満、運動不足など、14項目を示しました。
これらの危険因子に対して早めに取り組むことで、世界の認知症の約45%は、発症を遅らせたり予防できたりする可能性があると報告されています。なお、この14項目には「栄養(食事)」は含まれていませんが、WHO(世界保健機関)の認知症予防ガイドラインでは、バランスのよい食事を心がけることも認知症予防に大切だと推奨しています。
Livingston G, Huntley J, Liu KY, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet. 2024;404(10452):572-628. doi:10.1016/S0140-6736(24)01296-0 Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines ISBN 978-92-4-155054-3

多因子介入
最近では、1つのリスク因子だけに取り組むのではなく、運動・食事・生活習慣の見直し・社会参加など、複数のリスク因子にまとめて取り組む「多因子介入」が、認知機能の低下を抑える可能性があることを示す研究が増えてきています。
Japan-Multimodal Intervention Trial for the Prevention of Dementia (J-MINT研究)では、65から85歳のMCIの方を対象に、「運動指導」「栄養指導」「認知トレーニング」「生活習慣病の管理」の4つの介入を組み合わせた、「多因子介入」を実施しました。その結果、運動教室に積極的に参加した人ほど、認知機能が改善する可能性が示されました。将来、認知症になりやすい遺伝子を持つ人でも、この多因子介入プログラムを受けることで、認知機能が保たれる可能性があることが明らかになりました。これらのことから、複数のリスク因子に同時に取り組むことで、認知機能の低下を緩やかにできる可能性があります。
Sakurai T, Sugimoto T, Arai H. Multidomain interventions for prevention of dementia : Achievements, challenges and future perspectives. Geriatr Gerontol Int. 2025;25(8):1015-1034. doi:10.1111/ggi.70088
Sakurai T, Sugimoto T, Akatsu H, et al. Japan-Multimodal Intervention Trial for the Prevention of Dementia : A randomized controlled trial. Alzheimers Dement. 2024;20(6):3918-3930. doi:10.1002/alz.13838


