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実施研究課題

「脳内炎症イメージングによるアルツハイマー型認知症患者の脳内炎症動態を反映する血液・髄液中の炎症系物質に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1276-5)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

国立長寿医療研究センター精神科では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
この研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。
このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年4月21日

1.研究課題名

 「脳内炎症イメージングによるアルツハイマー型認知症患者の脳内炎症動態を反映する血液・髄液中の炎症系物質に関する研究」 (倫理・利益相反委員会受付番号No.1276-5)

この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

国立長寿医療研究センター 安野史彦(精神科部)

2.研究機関の名称及び研究責任者の氏名(部署名)

国立長寿医療研究センター 安野史彦(精神科部)

3.研究分担者名(部署名)

  • 木村秦之(脳機能画像診断開発部 副部長)
  • 渡邉淳(共同利用推進室 室長)
  • 加藤隆司(放射線診療部 部長)
  • 南博之(精神科部 医師)

4.当該研究の意義、目的

この研究においては、当院精神科を受診したアルツハイマー型認知症患者のうち、[11C]DPA-713を用いたPETにより、変性過程において生じる脳内炎症反応について生体内での定量を行い、同時に炎症によって引き起こされる髄液・末梢血中タンパク・サイトカイン・炎症系細胞のダイナミックな変化と、認知症の認知・精神行動面を中心とした臨床症状との関連について定量的に解析を行います。
これらにより、アルツハイマー型認知症患者の症状の発現に関連する炎症の詳細を明らかにします。
本研究によって抗炎症作用に基づく治療法の開発に役立つ情報が期待できます。

5.研究に使用する情報

6.当該研究の方法

当センターバイオバンクに血液および臨床情報が登録保存されているアルツハイマー型認知症患者群において、[11C]DPA-713を用いたPETにより、変性過程において生じる脳内炎症反応について生体内での定量を行い、同時に炎症によって引き起こされる髄液・末梢血中タンパク・サイトカイン・炎症系細胞のダイナミックな変化と、認知症の認知・精神行動面を中心とした臨床症状との関連について定量的に解析を行います。
これらにより、アルツハイマー型認知症患者の症状の発現に関連する炎症の詳細を明らかにします。

7.研究期間

倫理・利益相反委員会承認後から2032年3月31日まで

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

臨床診断に基づく適格基準を満たすアルツハイマー型認知症(AD)患者さんの中から、当センターバイオバンクに血液および臨床情報が登録保存されている方として選定されます。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益

PET検査は被ばくをしますが、人体に影響を与える量ではないと考えられています。
PET検査時の動脈血採血については、動脈閉塞、神経損傷の危険性がありますが、可能性は非常に低いです。
局所麻酔薬、血液凝固阻止剤によるアレルギー反応や血小板の減少、出血などの副作用の可能性はありますが、いずれもごくまれです。
髄液検査では針を刺す際に感染を起こす可能性や、神経を傷つけ、しびれが残ることや、出血が脊髄の神経を圧迫する危険性がありますが、いずれもまれです。
その他の検査も安全と考えられています。
国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている試料・情報の利用については、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。
検査の結果は、あなたの主治医が今後の経過や治療を考えるうえで、参考になる情報を含みます。

10.研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について

ご自身の試料・情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.研究に関する情報公開の方法

本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については論文や学会において発表し、必要に応じてホームページやメディアを通じた情報公開を行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い(匿名化する場合にはその方法を含む。)

この研究では診療情報(電子カルテ、当センターバイオバンクでの登録情報)より上記「5」の情報を抽出して使用いたしますが、その際は、被験者ごとにID番号を決め、匿名化し抽出され、主任研究者のデータサーバーにおいて、パスワード管理されたマイクロソフトエクセルファイルに入力され、統計処理が行われます。被験者とIDとの対応表は、研究に携わらない第3者が精神科部にて施錠管理されます。また研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

14.試料・情報の保管及び廃棄の方法

抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、論文発表から10年間の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータについては、精神科部の主任研究者のデータサーバーにおいて、対応表については研究に携わらない第3者が精神科部にて施錠保管いたします。保管期間終了後は速やかに紙に書かれたデータについてはシュレッダー処理にて、電子データについてはデータサーバーから消去することで、データを廃棄いたします。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究に必要な費用は、主任研究者の獲得する研究資金で賄います。
研究機関の研究に関わる利益相反及び個人の集積等、研究者等の研究に関わる利益相反はありません。

16.研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応

研究対象者等及びその関係者の方からの相談等ございましたら、下記のお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

この研究に関するお問い合わせ先

国立長寿医療研究センター 精神科部 安野史彦

  • 住所:〒474-8511 愛知県大府市森岡町7丁目430
  • 電話:(0562)-46-2311
  • 血液検体
  • APOE遺伝子情報(バイオバンクの解析結果に基づく既存の情報)
  • MRI画像情報
  • 認知症病態関連情報

 注:研究代表者の所属等はご申請いただいた当時のまま掲載させていただいております。 

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