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実施研究課題

腸内フローラによる高齢者認知機能・総合機能への影響に関する研究(2):観察研究

この研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。

国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。

この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年7月21日

1.研究課題名

腸内フローラによる高齢者認知機能・総合機能への影響に関する研究(2):観察研究

2.研究機関の名称及び研究責任者の氏名(機関、部署名)

  • 佐治直樹
    国立長寿医療研究センターもの忘れセンター・副センター長
  • 室谷健太
    久留米大学バイオ統計センター
  • 冨本秀和
    三重大学大学院医学系研究科神経病態内科学 脳循環研究推進プロジェクト研究室
  • 田部井賢一
    産業技術大学院大学 産業技術研究科
  • 田中香お里
    東海国立大学機構岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター 研究基盤部門嫌気性菌研究分野
  • 金城よしの
    琉球大学病院 第三内科(循環器・腎臓・神経内科学)
  • 久田貴義
    株式会社テクノスルガ・ラボ

3.研究分担者(機関、部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 櫻井孝(研究所)
  • 武田章敬(もの忘れセンター)
  • 松下健二(ジェロサイエンス研究センター 口腔疾患研究部)

4.研究期間

2018年12月5日〜2031年3月31日

5.当該研究の利用目的・利用方法

利用目的

血液検体や糞便検体、口腔内サンプルを用いて、血液バイオマーカー、腸内フローラや口腔内細菌を解析します。解析データは、さまざまな研究の基礎資料となり、腸内フローラと高齢者の認知機能や日常生活機能との関係解明へ貢献できると予想されます。

利用方法

患者(または代諾者)やスタディパートナーから研究参加の同意を取得後、電子カルテを用いて、①基本情報、②診断名、③総合的機能評価、④神経心理評価、⑤身体機能評価、⑥頭部MRIや脳血流シンチなどの画像情報、など様々な臨床情報を収集します。

同意取得前のこれらの臨床情報およびバイオバンクに登録された臨床情報も、解析の参考になるため収集対象として採用することもあります。血液検体、口腔内サンプル、糞便検体を採取し、国立長寿医療研究センターのバイオバンクで凍結保存します。血液検体はバイオバンクで管理、ApoE遺伝子(認知症に関連する遺伝子)を測定し、統計解析に用います。口腔内サンプルと糞便検体は、細菌検査専門施設へ移送して口腔内細菌と腸内フローラを解析し、必要に応じて細菌機能を評価するための理化学分析も実施します。

6.研究に利用する試料・情報の項目

基本情報

  • 年齢、生年月日
  • 性別
  • 教育歴:小学校から最終教育機関までの教育年数
  • 既往歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、虚血性心疾患、その他)
  • 身長、体重
  • 居住地(都道府県)
  • バイタル(血圧、脈拍)
  • 生活歴(社会的スタイルとライフスタイル)
  • 抗認知症薬[ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン]内服の有無
  • 薬剤処方状況
  • 他の臨床試験や治験への参加状況

診断名

  • 健常、MCIもしくは認知症(アルツハイマー型認知症、もしくはその他の認知症病名)

総合的機能評価

  • Barthel index
  • IADL scale(Lawton & Brody)
  • Geriatric Depression Scale (GDS)
  • Dementia Behavior Disturbance Scale (DBD)
  • Vitality index
  • Apathy scale
  • Zarit Caregiver Burden Interview (ZBI)

神経心理評価

  • Clinical dementia rating (CDR)
  • Mini-Mental-State Examination (MMSE)
  • Montreal Cognitive Assessment (MoCA)
  • Alzheimer's Disease Assessment Scale (ADAS)-cog
  • Digit span
  • Wechsler memory Scale-R/Logical memory II Story A & B (WMS-R)
  • Category fluency
  • Frontal Assessment Battery (FAB)
  • Trail Making Test (TMT)

身体機能・栄養評価

  • 簡易栄養状態評価表(Mini Nutritional Assessment-Short Form: MNA-SF)
  • 食事や栄養についての質問表
  • 握力(kg)
  • 歩行測度(m/s)
  • 片足立ち(秒)
  • Fall risk index (FRI)
  • Lubben Social Network Scale (LSNS)
  • 下腿周囲長(cm)

バイオマーカーの測定

研究参加の同意取得後、採取した血液・便検体や口腔内サンプルで、循環器・消化器疾患や脳卒中、認知症などの病態を反映しうるバイオマーカーを測定する。測定候補として、①血液検体で測定する項目(高感度CRP、IL-6、APP、NfL、エクオール3分画等)と、②便検体で測定する項目(糞便理化学分析:便中アンモニア、腐敗産物等を測定)を必要に応じて予定する。

7.この研究の対象となる方

当センターのもの忘れセンターを受診して、①健常、②MCI、③認知症、と診断された方です。年齢や性別は問いませんが、MCIや認知症の場合には、ご家族などの「スタディパートナー」となる方がいらっしゃることが、適正な情報登録のために必要です。また、脳梗塞、うつ病、その他重大な疾患をお持ちの方は、ご参加いただけない場合があります。

8.研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について

本研究に参加されるかどうかは、あなたの自由です。また、参加を取りやめたいと思われましたら、研究の途中であってもいつでも同意を取り消すことができますので、遠慮なく申し出てください。臨床研究に参加されない場合あるいは途中で参加を取りやめられた場合でも、不利益をうけることは何らありません。一旦同意した場合でも不利益を受けることなく、いつでも撤回することができます。その場合、それ以降の研究目的の検査や経過観察を行いません。ただし、同意を撤回した時点で、研究結果が学会や論文で既に公表されていた場合など、収集されたデータの取り下げができないことがあります。また、診療に沿って収集された記録などはカルテから削除できません。

この研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 副センター長 佐治直樹

  • 0562-46-2311(代表)

 注:研究代表者の所属等はご申請いただいた当時のまま掲載させていただいております。 

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