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息切れや足のむくみ ~もしや心不全?~

はじめに

軽く動いた時の息切れや足のむくみが気になったことはありませんか?

もちろん誰でもきついことをすれば息切れは起きますよね。しかし、今までなんともなかった動きで息苦しくなったり、脈がバクバク速くなったり、寝ているときに息苦しくなったり、すねを押すとへこんで戻らなかったりする症状は、心不全の可能性があります。

心臓は、弁がひらいて血液をとりこみ、心臓の部屋(左室)が縮んで指先まで血液を運ぶという、血液循環のポンプの役割をしています。心臓の収縮機能(縮む力)がよくても、心不全になることはご存じですか?最近、世界中の専門家でも話題になっており、収縮力がよくても高齢者では容易に心不全になるのです。つまり、誰でも心不全になりうるのです。そのほかにも、高齢者では、食欲がなくなったり、元気がなくなったりする症状が、実は心不全の悪化を示していることがあります。そのような場合、心不全の悪化に気づきにくく、発見がおくれることがあります。今回、心不全について、ご紹介しますね。

心不全ってなに?

「心不全ってなに?」と子どもに聞かれたら何て答えますか?

“心不全”って聞いたことはあるけれど、分かったような、分からないような言葉だと思います。実は、それは医療関係者でも同じなのです。心臓の不全って何だろう?と思うことでしょう。解釈も幅が広く、つかみづらいのです。

そこで、2017年、日本循環器学会/日本心不全学会では、『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。』と定義しました。

心不全の基礎疾患は?

心不全の原因となる、もとの病気(基礎心疾患)はご存じですか?

基礎心疾患とは、心不全の原因となる病名になります。すべて紹介することはできませんが、頻度が多いものを紹介します。

  1. 心臓を養っている血管が閉塞を起こし、一部心臓の筋肉(心筋)が壊死を起こす「心筋梗塞」
  2. 心臓内の各部屋の血液逆流防止の扉(弁)が狭くなったり逆流したりする「弁膜症」
  3. 心臓の筋肉自体の収縮力が弱くなる「心筋症」
  4. 高血圧が長期間にわたり心臓に負担をかける「左室肥大」
  5. 心拍数が過度に減少する高度房室ブロックなどの「電気信号の障害」などがあります。

図1 心臓の解剖

心不全の症状は?

心不全の症状はご存じですか?

代表的なものは、「動いた時の息切れ、動悸」と「足やまぶたのむくみ」になります。そのほか、意識を失う、胸の圧迫感、食欲低下、不眠などもあります。ただし、息切れは、肺の病気や貧血でも起きますし、むくみは、肝臓、腎臓、甲状腺、リンパ浮腫などでも起きますので、注意が必要です。1週間に2~3kg以上体重が増加し、足のむくみが強くなってきたときなどは、心不全の悪化兆候となりますので、日常の体重測定、血圧/脈拍、体温の確認は、循環器系の自己管理としてたいへん重要で、悪化に対する早期発見につながります。

心不全の治療は?

どのように治療を進めていけばよいのでしょうか?

患者さんが、適切なタイミングで病院にいらっしゃることが必要となります。私たちは、最初に重症度と緊急度を見極めつつ、できるだけ早く呼吸が楽になるように処置をします。まず酸素投与や薬を用いて病状を安定させます。次に、心不全の原因を調べ、どのような疾患による心不全なのかを、できるだけ早く、安く、痛くない検査から進めていきます。こわがらなくても大丈夫です。外科的手術が必要な場合は、近隣の心臓外科のある大きな施設と連携をとりながら、紹介する場合もあります。カテーテル治療やペースメーカー治療が必要な場合は、当センターで適切なタイミングで治療を行います。薬で整える場合も多いですが、副作用がないかどうかを確認しながらモニタリングします。適切な診断、治療には、看護師、薬剤師、生理検査技師、放射線技師、臨床工学技士、管理栄養士、社会福祉士など、多くの職種が関与します。

心臓リハビリテーション(心リハ)

心臓リハビリテーション(心リハ)という言葉を聞いたことはありますか?

一般にリハビリというと、脳卒中の麻痺や整形外科の術後を思い浮かべるのではないでしょうか。心リハは、心臓の予備能に配慮した、新しい内科的なリハビリのことですので、簡単に解説しますね。

病状が安定したら、健康管理の維持、強化は、患者さんご自身が主役です。安静にしていたことで衰えている足の筋肉の強化を中心に、理学療法士、作業療法士に支えてもらいながら、心リハを行うことで、退院後の家庭生活をスムーズにしていきます。心リハとは、運動するだけでなく、自己管理をしっかりしてもらうこと、すなわち、服薬、食事、睡眠、排便、禁煙節酒などもふくめた生活指導をしていくことを指します。いったん心臓病で入院すると、患者さんは不安になり、動かなくなってしまうことがあります。そうしますと、せっかくの心臓治療が不十分になり、寝たきりに近づき(図2)、積極的な社会とのかかわりが少なくなってしまいます。心臓に負担をかけすぎてはいけないのですが、患者さんに見合った生活での動きをすることで、生活の質を維持できます。できれば日々の散歩などは、心臓だけでなく、血管、血圧、代謝、筋肉、精神、などに好影響をもたらすことが分かっています。退院後に、4か月程度の外来における心リハも積極的に推奨しております。外来心リハを行った方は、行わない方と比べて、4か月後のバランス感覚が改善し、特に80歳以上の高齢者で、その傾向が強いことが、わたしたちの研究結果で明らかになっています。

図2 心不全の長年の経過

心臓病教室の取り組み

わたしたちは、月に1回、第1週木曜日14時30分から約1時間、循環器医、管理栄養士、理学・作業療法士とともに、心臓病教室を開いています。聴衆者は、患者さん5名+ご家族です。入院患者を中心に、退院後も外来における心リハ(一般的には4か月間、それ以上は主治医が必要と判断すれば延長する場合もある)も積極的に参加を勧めております。心臓病教室や外来心リハを行いたい方は、一度循環器内科の医師にご相談ください。