※別紙1から5はテキスト化していませんので、以下の「第1期中期計画」をご覧ください。
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第1期中期計画(341KB)![]() |
平成22年度計画(455KB)![]() |
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平成26年度計画(352KB)![]() |
独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第29条第1項の規定に基づき平成22年4月1日付けをもって厚生労働大臣から指示のあった独立行政法人国立長寿医療研究センターの中期目標を達成するため、同法第30条の定めるところにより、つぎのとおり独立行政法人国立長寿医療研究センター中期計画を定める。
平成22年4月1日
独立行政法人国立長寿医療研究センター
理事長 大島伸一
独立行政法人国立長寿医療研究センター(以下「センター」という。)は、平成16年に老化メカニズム及び老年病発症機序の解明を目指す基礎及び臨床研究、高齢者に特有な疾病に関する包括的医療、看護・リハビリテーション等の体制確立及び推進等を目的として設置された国立長寿医療センターを前身とする。
我が国における、世界に例を見ない急速な少子高齢化を踏まえ、国立長寿医療センターはこれまで、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾患であって、高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするもの(以下「加齢に伴う疾患」という。)に関し、診断・治療、調査・研究、技術者の研修を行うとともに、加齢に伴って生ずる心身の変化に関し調査・研究を行ってきた。
一方で、急速に進行する高齢社会を豊かで活力に満ちたものとするためには、高齢者に対する医療の充実とともに、老年医学及び老年学に関する研究基盤及びネットワークの整備拡充が必要不可欠であり、センターは、健康長寿社会を実現するための医療上の諸課題を着実に解決するため、老人保健及び福祉とも連携し、その中核的役割を果たしていく必要がある。
このため、センターは、事業体として、業務運営の効率化に取り組むとともに、加齢に伴う疾患に係る医療に関し、調査、研究、技術の開発や、これらに密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うとともに、国の医療政策として、加齢に伴う疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを使命として、国内外の研究機関・医療機関・学会等と連携し、長寿医療に関する国際水準の成果を継続して生み出していく。
こうした観点を踏まえつつ、厚生労働大臣から指示を受けた平成22年4月1日から平成27年3月31日までの期間におけるセンターが達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を達成するための計画を以下のとおり定める。
センターが国際水準の研究を展開しつつ、我が国の治験を含む臨床研究を推進するため、以下に掲げる中核機能を強化する。
これにより、高度先駆的医療の開発及び標準医療の確立のための臨床を指向した研究を推進し、その成果を継続的に生み出していく。
研究所と病院等、センター内の連携強化
臨床現場における課題を克服するための基礎研究を円滑に実施し、また、基礎研究の成果を臨床現場へ反映させるため、研究所と病院との合同会議や共同研究の推進等により、人的交流を図るとともに、各部署の高度な専門性に基づいた連携を推進する。
これにより、病院・研究所による共同研究を、中期目標の期間中に、平成21年度に比べ20%増加させる。
産官学等との連携強化
国内外の産業界、研究機関、治験実施医療機関等とも、共同研究・受託研究の推進等により、各組織の高度な専門性に基づいた連携を図るため、「医療クラスター」の形成等、研究の基盤となる体制を整備する。
これにより、企業との共同研究の実施数を、中期目標の期間中に、平成21年度に比べ20%増加させる。
また、治験実施数(国際共同治験を含む。)を、中期目標の期間中に、平成21年度に比べ10%増加させる。
研究・開発の企画及び評価体制の整備
倫理委員会、共同研究・受託研究審査委員会、長寿医療研究開発費評価委員会等の活用により、研究・開発についての企画・評価体制を整備する。
知的財産の管理強化及び活用推進
研究・開発の成果を確実に知的財産に結びつけるため、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律(平成20年法律第63号)及び「知的財産推進計画」を踏まえつつ、研究開発成果の流出に対する防止策の構築、職員に対する知財教育の実施、研究者への相談支援機能の充実等により、効果的な知的財産の管理を強化するとともに、産業界との連携等により、知的財産の活用を推進する。
このため、職務発明委員会を随時開催するとともに、同委員会における審査件数を、中期目標の期間中に、平成21年度に比べ20%増加させる。
臨床研究機能の強化
治験等の臨床研究の実施体制の強化のため、薬事・規制要件の専門家を含めた治験業務に携わる人材の充実をはじめとした、治験等の臨床研究の支援体制の整備に努める。
倫理性・透明性の確保
倫理委員会等の機能強化のため、臨床研究により発生しうる有害事象等安全性に関わる課題に関し、医療安全委員会等との情報共有等による連携を推進する。
倫理性・透明性確保のため、臨床研究等に携わる職員に対する教育の実施等により、職員の意識向上のための機会を確保する。
また、臨床研究に参加する患者・家族に対する説明書・同意書の内容について、倫理委員会等において重点的な審査を行い、臨床研究の趣旨やリスクに関する適切な説明と情報開示につなげる。
これらの取り組みと併せ、センターで実施している治験等臨床研究について適切に情報開示することにより、治験等の臨床研究を病院内で高い倫理性、透明性をもって円滑に実施するための基盤の整備に努める。
これらの研究基盤の強化により、高度先駆的医療の開発やその普及に資する研究・開発を着実に推進する。具体的な方針については別紙1のとおり。
高齢者に特有な疾患に関する高度先駆的医療技術を提供するとともに、高齢者に対する有効性や安全性の向上を目指した長寿医療の標準化を行う。
高度先駆的な医療の提供
センターの研究成果や、国内外の研究施設及び医療機関等の知見を集約し、高齢者に特有な疾患の予防、診断、治療及び機能低下の回復のための高度先駆的医療を提供する。
医療の標準化を推進するための、最新の科学的根拠に基づいた医療の提供
研究所と病院の連携による臨床研究の成果を踏まえ、長寿医療の標準化を推進するため、最新の科学的根拠に基づいた医療の提供を行う。
具体的には、既に有効性が示されている既存の医療技術についても、高齢者に安全な低侵襲手技による手術、高齢者に最適な薬物療法等、高齢者に対する有効性や安全性の向上を目指した長寿医療の標準化を目指す。
患者の自己決定への支援
患者・家族に対する説明に当たっては、標準的な医療はもとより、高度先駆的な医療技術であっても平易な説明に努めることにより情報の共有化に努め、高齢者である患者自身やその家族が治療の選択、決定を医療者とともに主体的に行うことができるよう支援する。
また、セカンドオピニオン外来を設置し、患者・家族の相談に対応する。
患者等参加型医療の推進
患者等参加型医療及びセルフマネジメントの推進の観点から、ホームページによる患者向け情報の発信や、リーフレットの配布等により、患者の医療に対する理解を支援する機会を提供する。
また、定期的な患者満足度調査の実施、日常的な患者・家族からの意見収集等をもとに、診療等業務の改善を行い、患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供に努める。
チーム医療の推進
医師及びその他医療従事者等、それぞれの特性を生かした多職種連携かつ診療科横断によるチーム医療を推進し、特定の職種への過度な負担を軽減するとともに、質の高い医療の提供を行う。
このため、多職種から構成される院内診療チームの合同カンファレンス、合同回診等を、週1回以上開催する。
入院時から地域ケアを見通した医療の提供
医療の提供に必要なネットワークの構築に努め、急性期の受入れから、回復期、維持期、再発防止まで一貫した包括的なプログラムに基づく医療を提供するとともに、患者に対し切れ目なく適切な医療を提供できるよう、紹介先医療機関等の確保に努め、入院から地域ケアまで見通した医療の提供を行う。
医療安全管理体制の充実
医療事故報告の有無に関わらず、医療安全管理部門が定期的に病院内の安全管理体制を検証し、その改善のための対策を立案し、各部門に対して助言を行う等、医療安全管理を統括、監督する体制を充実する。
また、医療安全管理部門の担当者は、関係法令、各種指針等にのっとって、病院各部門における医療安全に関わる管理体制の編成、日常的な医療安全の管理業務、医療事故等の発生時における初動対応と危機管理等を統括する。
客観的指標等を用いた医療の質の評価
患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供を行うため、センターで提供する医療について、客観的指標等を用いた質の評価を行う。
認知症に関する医療及び包括的支援の提供
認知症患者、家族を支援する医療体制を構築するため、医療と介護等の連携を推進するとともに、センターにおいて、地域の医療施設、介護施設、自治体関係者等と連携し、認知症に対するモデル的な医療を提供する。
このため、医療者、介護者、家族等を交えたカンファランスの開催件数を、中期目標の期間中、平成21年度に比べ10%増加する。
モデル的な在宅医療支援の提供
患者の在宅療養生活を支援し、切れ目のない医療の提供を行うため、全国を代表する在宅医療関係者等との連携等により、モデル的な在宅医療を推進する。
また、センターにおいて、在宅医療支援病棟を中心に、モデル的な在宅医療支援を提供する。
このため、在宅医療支援病棟の新入院患者数を、中期目標の期間中、平成21年度に比べ20%増加させる。
モデル的な終末期医療の提供
終末期医療についての国民のコンセンサスの形成に資するよう、センターにおいて、モデル的な終末期医療のあり方について検討し、提供する。
レジデント等の若手医療従事者、流動研究員等の若手研究者に対する教育・指導体制の充実により、長寿医療分野において将来専門家として活躍する人材の育成を推進する。
また、センター職員に対する長寿医療分野に関する教育機会を確保する。
さらに、老年医療に関する医学生向けセミナー等を、年1回以上開催する。
長寿医療の均てん化の推進を目的として、長寿医療に携わる医療従事者を対象としたモデル研修・講習を実施することとし、特に認知症患者、家族を支援する医療体制を構築するために、全国各地で認知症患者の地域支援の調整等に携わる医師を対象とした研修等により、医療と介護等の連携を推進する。
これにより、医療従事者のニーズを踏まえた、医療従事者向け研修会を、年1回以上開催するとともに、修了者数を年20名以上とする。
(1)ネットワーク構築の推進
長寿医療に携わる医療従事者を対象としたモデル研修・講習等を通じ、全国の中核的な医療機関等との連携を推進する。
また、認知症サポート医養成研修会を、年5回以上開催するとともに、修了者数を年300名以上とする。
医療従事者や患者・家族が長寿医療に関して信頼のおける情報を分かりやすく入手できるよう、センターが国内外から収集、整理及び評価した長寿医療に関する最新の知見や、センターが開発する高度先駆的医療や標準的医療等に関する情報について、インターネットの活用等により国民向け・医療機関向けの広報を行う。
我が国において、医療政策の企画がより強固な科学的裏づけを持ち、かつ、実情に即したものになるよう、国と連携しつつ、長寿医療分野において事業に取り組む中で明らかとなった課題の解決策等について、科学的見地から専門的提言を行う。
また、専門的提言の実施に必要な知見を集積するため、科学的根拠に基づいた検討の基盤となる社会医学研究等の推進を図る。
(1)公衆衛生上の重大な危害への対応
公衆衛生上重大な危害が発生し又は発生しようとしている場合には、国の要請に積極的に協力するとともに、センターの有する医療資源(施設・設備及び人材等)の提供等、協力可能な範囲で迅速かつ適切に対応する。
研究成果の諸外国への発表や、外国人研究者の継続的な受入れ等、長寿医療分野における我が国の中核的機関として求められる国際貢献を行う。
また、長寿医療に関する国際シンポジウムを、年1回以上開催する。
センターとしての使命を果たすことができるよう組織内の企画立案、調整、分析機能を高めるとともに、人的・物的資源を有効に活用し、ガバナンスの強化を目指した体制を構築する。
さらにセンターの使命に応じて、より効率的に成果を生み出せるよう、各部門の再編を行う。
総人件費については、センターの果たすべき役割の重要性を踏まえつつ、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年法律第47号)に基づき平成22年度において1%以上を基本とする削減に取り組み、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)に基づき、人件費改革の取組を平成23年度まで継続するとともに、給与水準に関して国民の理解が十分得られるよう必要な説明や評価を受けるものとする。
その際、併せて、医療法(昭和23年法律第205号)及び診療報酬上の人員基準に沿った対応を行うことはもとより、国の制度の創設や改正に伴う人材確保も含め高度先駆的医療の推進のための対応や医療安全を確保するための適切な取組を行う。
また、独立行政法人に関する制度の見直しの状況を踏まえ適切な取組を行う。
副院長複数制の導入
特命事項を担う副院長の設置を可能とするとともに、副院長の役割と院内での位置付けを明確化する。
事務部門の改革
事務部門については、配置を見直し、効率的・効果的な運営体制とする。
センターとしての使命を果たすための経営戦略や毎年の事業計画を通じた経営管理により収支相償の経営を目指すこととし、5年間を累計した損益計算において、経常収支率が100%以上となるよう経営改善に取り組む。
給与制度の適正化
給与水準等については、社会一般の情勢に適合するよう、民間の従業員の給与等を踏まえ、業務の内容・実績に応じたものとなるよう見直す。
材料費の節減
医薬品、医療材料等の購入方法、契約単価の見直しにより、材料費率の抑制に努める。
一般管理費の節減
平成21年度に比し、中期目標の期間の最終年度において、一般管理費(退職手当を除く。)について、15%以上節減を図る。
建築コストの適正化
建築単価の見直し等を進めるとともに、コスト削減を図り、投資の効率化を図る。
収入の確保
医業未収金については、新規発生の防止に取り組むとともに、定期的な支払案内等の督促業務を行うなど回収に努めることで、平成21年度に比して(※)医業未収金比率の縮減に取り組む。
また、診療報酬請求業務については、院内のレセプト点検体制の確立等により適正な診療報酬請求事務の推進に努める。
※平成21年度(平成20年4月から平成22年1月末時点)医業未収金比率0.07%
業務の効率化を図るために職員に対する通報等の文書の電子化を、費用対効果を勘案しつつ取り組むよう努めるとともに、情報セキュリティの向上を図る。
また、電子カルテシステムの円滑な運用のための具体的な取組を行う。
企業会計原則に基づく独立行政法人会計基準への移行に伴い財務会計システムを導入し、月次決算を行い、財務状況を把握するとともに経営改善に努める。
法令遵守(コンプライアンス)等の内部統制のため、内部監査等の組織を構築する。
契約業務については、原則として一般競争入札等によるものとし、競争性、公正性、透明性を確保し、適正に契約業務を遂行するとともに、随意契約については、従前の「随意契約見直し計画」を踏まえた適正化を図り、その取組状況を公表する。
「第2業務の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置」で定めた計画を確実に実施し、財務内容の改善を図る。
民間企業等からの資金の受け入れ体制を構築し、寄附や受託研究の受け入れ等、外部資金の獲得を行う。
センターの機能の維持・向上を図りつつ、投資を計画的に行い、中・長期的な固定負債(長期借入金の残高)を償還確実性が確保できる範囲とし、運営上適切なものとなるよう努める。
そのため、大型医療機器等の投資に当たっては、原則、償還確実性を確保する。
なし
決算において剰余を生じた場合は、将来の投資(建物等の整備・修繕、医療機器等の購入等)及び借入金の償還に充てる。
中期目標の期間中に整備する施設・設備整備については、別紙5のとおりとする。
職員が業務で発揮した能力、適性、実績等を評価し、職員の給与に反映させるとともに、業務遂行意欲の向上を図る業績評価制度を導入する。当該制度の適切な運用を行うことにより優秀な人材の定着を図り、人事制度へ活用することにより、センター全体の能率的運営につなげる。
非公務員型組織の特性を活かした人材交流の促進など、優秀な人材を持続的に確保する観点から人材の適切な流動性を有した組織を構築するため、国、国立病院機構等独立行政法人、国立大学法人、民間等と円滑な人事交流を行う体制を構築する。
女性の働きやすい環境を整備するとともに、医師の本来の役割が発揮できるよう、医師とその他医療従事者との役割分担を見直し、職員にとって魅力的で働きやすい職場環境の整備に努める。
良質な医療を効率的に提供していくため、医師、看護師等の医療従事者については、医療を取り巻く状況の変化に応じて柔軟に対応するとともに、経営に十分配慮する。
特に、医師・看護師不足に対する確保対策を引き続き推進するとともに離職防止や復職支援の対策を講じる。
また、幹部職員など専門的な技術を有する者については、公募を基本とし、優秀な人材の確保に努める。
センターの平成22年度期首における職員数を434人とするものの、医師、看護師等の医療従事者は、医療ニーズに適切に対応するために、変動が見込まれるものであり、中期目標の期間においては、安全で良質な医療の提供に支障が生じないよう適正な人員配置に努める。
特に、技能職については、外部委託の推進に努める。
(参考)中期目標の期間中の人件費総額見込み 16,022百万円
センターのミッションを理解し、ミッションを実現するために必要なアクションプランを立て、具体的な行動に移すことができるように努める。
また、アクションプランやセンターの成果について、一般の国民が理解しやすい方法、内容で情報開示をホームページ等で行うように努める。
ミッションの確認や現状の把握、問題点の洗い出し、改善策の立案、翌年度の年度計画の作成等に資するよう、職員の意見をセンター内メール・システム等にて聴取を行うよう努める。
※別紙1から4はテキスト化していませんので、以下の「第2期中長期計画」をご覧ください。
PDF文書(印刷用)
第2期中長期計画(748KB)![]() |
平成27年度計画(362KB)![]() |
平成28年度計画(363KB)![]() |
平成29年度計画(375KB)![]() |
平成30年度計画(352KB)![]() |
平成31年度計画(412KB)![]() |
令和2年度計画(701KB)![]() |
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独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第35条の4第1項の規定に基づき平成27年4月1日付けをもって厚生労働大臣から指示のあった国立研究開発法人国立長寿医療研究センター中長期目標を達成するため、同法第35条の5の定めるところにより、次のとおり国立研究開発法人国立長寿医療研究センター中長期計画を定める。
平成27年4月1日
平成28年2月4日改正
令和2年3月27日改正
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
理事長 鳥羽研二
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(以下「センター」という。)は、平成16年に設置された国立長寿医療センターを前身とし、平成22年に独立行政法人国立長寿医療研究センターに改組され、今般、独立行政法人通則法の改正により研究開発の最大限の成果の確保を目的とする国立研究開発法人と位置付けられた。
我が国の人口は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、高齢者特に75歳以上の急速な増加が進み、都市部における高齢者人口の爆発的な増加と地方における人口の減少が進むことが見込まれている。そして認知症を始め加齢に伴う疾患への対応が従来にもまして重要になるほか、超高齢社会に適応する医療への変容を迫られている。
このような中、長寿医療に関する政策の動きをみると、平成25年8月には、社会保障改革国民会議報告書がとりまとめられ、2025年を念頭に置いた21世紀型の社会保障の構築に向け、医療分野でも超高齢社会に見合った「地域全体で、治し支える医療」への変革等が提起された。これを受けて、いわゆる「医療介護総合確保促進法」が成立し、医療制度の見直し、医療介護の連携、認知症施策の強化等地域包括ケアシステムの構築を目指した改革が進められようとしている。さらに、平成27年1月には、G7認知症サミット等の国際的な取組強化の流れの中「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」が策定され、医療介護とともに認知症に関する研究開発の推進も新たにプランの内容とされた。
研究開発の分野では、平成26年7月に「健康・医療戦略」が閣議決定され、また、本年4月には国立研究開発法人日本医療研究開発機構が設置され、健康長寿社会の形成に向けて、研究開発分野でも変革が進められている。
学会においては、日本学術会議が平成26年9月に、超高齢社会のフロントランナーとしての日本のこれからの日本の医学・医療のあり方について提言をとりまとめ、「治し支える医療」へのパラダイム転換やそのための人材育成の拠点整備等を提言した。
今期の中長期目標期間においては、これら社会構造の変化と医療政策、研究開発政策の動向を踏まえ、業務運営の効率化に取り組むとともに、加齢に伴う疾患に係る医療に関し、調査、研究、技術の開発や、これらに密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うとともに、国の医療政策として、政府はいうに及ばず国内外の研究機関・医療機関・学会等と連携し、長寿医療に関する最大限の成果を確保していく。
とりわけ、今期においては、築後50年近くを経た病院施設の更新に着手することとしており、新たな展開に向けての重要な中長期目標期間として、一層の積極的な活動を図っていくこととしている。
こうした観点を踏まえつつ、厚生労働大臣から指示を受けた平成27年4月1日から令和3年3月31日までの期間におけるセンターが達成すべき業務運営に関する目標(以下「中長期目標」という。)を達成するための計画を以下のとおり定める。
加齢に伴って生ずる心身の変化及びそれに起因する疾患であって高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするもの(以下「加齢に伴う疾患」という。)を克服するための研究開発成果の最大化を目指す。
認知症やサルコペニア等の加齢に伴う疾患・病態に関する医療の推進に大きく貢献する成果を中長期目標期間中に12件以上あげることを目標とする。
成果には、1)加齢に伴う疾患の本態解明と治療法の開発、2)医薬品、医療機器、再生医療等における革新的な基盤技術の創成数や発明件数、3)治験等で寄与した医薬品等の数、4)著明な学術誌に論文掲載されたもの、等が含まれる。
また、原著論文数について、平成26年に比べ5%増加を目指す。
加齢に伴う疾患(認知症、サルコペニア等)の発症の要因やメカニズムに関する研究を行い、その本態を解明し、予防、診断、治療法の開発につながる基礎となる研究を推進する。
認知症、サルコペニア等加齢に伴う疾患に対する予防、早期発見、診断、治療等、社会疫学的な研究等で収集されたビッグデータの解析により、加齢に伴う疾患に対する効果的な対策と評価に関する研究を行う。
認知症やサルコペニア等加齢に伴う疾患に対する予防、診断、治療法の開発に関する研究を行う。
具体的には、創薬開発につながるシーズの探索・評価、早期診断につながるバイオマーカーの探索とその測定方法、発症前の効果的な予防方法に関する研究を行う。
臨床現場における課題を克服するための基礎研究を円滑に実施し、また、基礎研究の成果を臨床現場へ反映させるため、センター内の各部門の連携を強化するとともに、産学の橋渡しの拠点としての連携を推進する。
高齢者の生活や活動を支えるロボットを医療・介護・生活の場に普及するための拠点を設置し、開発者のシーズを臨床の場に適合させるための臨床評価研究を実施する。
原因解明や創薬に資する医学研究の推進基盤として、詳細な臨床情報が付帯された良質なバイオリソースを収集・保存し、研究に提供するバイオバンク体制の充実を図る。
また、疾患や個人の特性に基づくゲノム医療の実現のため、バイオバンクのヒト検体を用いたゲノム解析等を進めるための体制を整備する。
地域保健予防活動、認知症初期集中支援等における加齢に伴う疾患に対する効果的な介入手法の確立を目指す。
産学官が連携した(高齢者医療に係る)シーズの発掘システムと橋渡し研究機能を整備するとともに、治験・臨床研究ネットワークの構築を推進する。また、バイオバンク機能と連携し全遺伝子情報を臨床情報に加味した高度で先進的な治験・臨床研究データ解析システムの構築を進める。
これら取組の結果として、臨床研究実施件数(倫理委員会にて承認された研究をいう)及び治験(製造販売後臨床試験も含む)の実施件数の合計数を中長期目標期間中、200件/年を目指す。
また、First in human(ヒトに初めて投与する)試験数、医師主導治験数、センターの研究開発に基づくものを含む先進医療承認件数について、中長期目標期間中に合計5件以上を目指す。
研究不正に適切に対応するため、組織として研究不正を事前に防止する取り組みを強化し、管理責任を明確化するとともに、研究不正が発生した場合、厳正な対応に取り組む。
臨床研究における倫理性・透明性を確保する観点から、倫理審査委員会等を適正に運営し、その情報を公開する。
また、センター職員の研究倫理に関する意識・知識の向上を図るとともに、センターで実施している治験・臨床研究について適切に情報開示する。さらに、臨床研究の実施に当たっては、患者及び家族に対して十分な説明を行い、理解を得ることとする。
競争的研究資金を財源とする研究開発について、センターのミッションや中長期目標を十分踏まえ、応募に際し、センターとして取り組むべき研究課題であるかどうかを審査したうえで、研究課題を選定する仕組みを実施する。
センターにおける基礎研究成果を着実に知的財産につなげるため、知財に関する相談体制を整備するとともに、知的財産を適切に管理する。
産官学連携を基礎に、我が国の民間企業の技術や開発力及びナショナルセンターの臨床研究基盤を応用し、医療機器の開発を推進する。
収集された国内外の最新知見を加味した診療や介護等のガイドラインの作成・改定に関連学会と連携して実施するとともに、普及推進に努める。
センターの研究成果について、学会等が策定する診療や在宅医療等、高齢者の医療・介護に関するガイドラインへの採用件数について、中長期目標期間中に10件以上を目指す。
上記(1)及び(2)に関し、世界最高水準の研究開発や医療を目指して、6つの国立高度専門医療研究センター(以下「6NC」という。)共通の内部組織として、共同研究等の推進や産学連携の強化等の研究支援を行うための横断的研究推進組織を設置し、6NC間の連携による研究やデータ基盤構築等による新たなイノベーションの創出に向けた取組を推進する。
また、研究開発の成果の実用化及びこれによるイノベーションの創出を図るため、必要に応じ、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)に基づく出資並びに人的及び技術的援助の手段を活用する。
国内外の研究施設及び医療機関等の知見を集約しつつ研究部門と密接な連携を図り、その研究成果を活用し、先進医療を含む高度かつ専門的な医療の提供を行う。
また、長寿医療研究センターでの臨床の実績を踏まえ、各地に設置される認知症初期集中支援チームに対する指導・研修・助言を通じ、認知症の人の早期受療に関する適切な介入を行うことにより受療行動の増加を目指す。
社会保障改革国民会議の提唱する「地域で治し支える医療」や、多くの疾病を有し完全な回復を図りがたい高齢者医療の特徴を踏まえ、臓器別ではなく包括的な心身状態の評価を基本に、全体的なQOLの向上を目指し、低侵襲な医療を行う等の新たな高齢者医療について、他の医療機関等でも対応できるモデルを作成し、普及を推進する。
併せて、再生医療、先進的画像診断技術等をはじめとする最新の技術に基づく医療技術の開発を行う。
センターの研究成果や、国内外の研究施設及び医療機関等の知見を集約し、加齢に伴う疾患の予防、診断、治療及び機能低下の回復のための医療を提供する。
長寿医療の特性を踏まえた臨床評価指標を独自に策定した上で、医療の質の評価を実施し、その結果を公表する。
本人(患者)の意思を反映した医療を確立する。
本人及びその家族等(周囲の介護者等)に対し、認知症等加齢に伴う疾患に関する理解浸透、負担軽減等、日常生活に密着した支援を実施するため、病状や状態に合わせた患者・家族教室等を開催する。
部門横断的に認知症サポートチーム、エンドオブライフ・ケアチーム、転倒転落防止チーム等、専門的知識・技術を身に付けた多職種からなる医療チームによる活動を実施し、患者・家族の目線に立った質の高い医療の提供を行う。
可能な限り在宅生活を維持できるように、在宅医療支援機能を充実させ、急性増悪時における緊急入院の受入れ、かかりつけ医との連携の下での患家への訪問、在宅医療を実施している地域の診療所や介護関係者とのカンファレンスを実施する等、在宅医療における後方支援病院としての機能の高度化を図る。
在宅医療と連携したアドバンスケアプランニング、エンドオブライフ・ケア等、人生の最終段階におけるモデル医療の確立と普及を目指す。
医療安全管理室による連携・統制の下、インシデント・アクシデントの原因の分析、再発防止策の検討、医療安全講習の実施、マニュアル等の見直しを行い、医療安全対策の維持・向上を図る。
そのため、全職員を対象とした医療安全や感染対策のための研修会を2回/年以上開催し受講状況を確認する。また、医療安全委員会を1回/月以上開催する。
また、他の国立高度専門医療研究センターと医療安全相互チェックを行い、医療安全体制の充実を図る。
高齢者医療の特性を踏まえつつ、効果的かつ効率的に病院運営を行うため、年間の病院における入院延患者数、病床利用率、平均在院日数等について、医療技術の伸展や医療改定の動向、及び外来診療棟の建て替え整備の進捗を考慮して、年度計画に適切な指標を定める。
国内外の有為な人材の育成拠点となるよう、加齢に伴う疾患に対する医療及び研究を推進するにあたり、リーダーとして活躍できる人材の育成を実施する。
認知症施策推進総合戦略をはじめとする政策の動向に呼応しながら認知症サポート医研修や高齢者医療・在宅医療総合看護研修、セミナーの開催等を通じ、加齢に伴う疾患に対する研究・診療に関してリーダーとして活躍できる人材の育成に努める。
認知症サポート医研修の修了者数について、500人/年以上を目指す。
高齢者医療・在宅医療総合看護研修の修了者数について、100人/年以上を目指す。
レジデント及び専門修練医の育成を図るとともに、国内外の病院からの研修の受入等、幅広い人材育成を行う。
認知症の介護・予防や人生の最終段階の医療、在宅医療の推進等、標準的な研修実施、及びマニュアルやテキストの提供を通じ高齢者医療に関する情報・技術・手技等の普及を推進。
認知症(診断、医療介護の連携、予防等)や在宅医療連携等の研修プログラム作成及び改定を行う(医療・看護・介護・リハなど)。
医療政策をより強固な科学的根拠に基づき、かつ、医療現場の実態に即したものにするため、科学的見地から専門的提言を行う。提言は、各種研究報告によるものの他、重要なものについてはセンターとして提言書をとりまとめた上で、国等へ提言を行う。
関係学会とも連携しつつ、加齢に伴う疾患に係る全国の中核的な医療機関間のネットワークを構築し、医療の均てん化等に取り組む。
医療従事者や患者・家族が認知症その他加齢に伴う疾患に関して信頼のおける情報を分かりやすく入手できるよう、広く国内外の知見を収集、整理及び評価し、ホームページ等を通じて、国民向け・医療機関向けの情報提供を積極的に行うとともに、メディアに向けても積極的に情報を発信する。
全国の都道府県、市町村等の要請に基づき、保健医療関係の人材育成、専門的知見の提供等を通じて、各地における地域包括ケアシステムの推進に協力する。
公衆衛生上重大な危害が発生し又は発生しようとしている場合には、国の要請に積極的に協力するとともに、センターの有する医療資源(施設・設備及び人材等)の提供等、協力可能な範囲で迅速かつ適切に対応する。
業務の質の向上及びガバナンスの強化を目指し、かつ、効率的な業務運営体制とするため、定期的に事務及び事業の評価を行い、役割分担の明確化及び職員の適正配置等を通じ、弾力的な組織の再編及び構築を行う。
センターとしての使命を果たすための経営戦略や毎年の事業計画を通じた経営管理により収支相償の経営を目指すこととし、6年間を累計した損益計算において、経常収支率が100%以上となるよう経営改善に取り組む。
給与水準について、センターが担う役割に留意しつつ、社会一般の情勢に適合するよう、国家公務員の給与、民間企業の従業員の給与、センターの業務実績等を踏まえ、適切な給与体系となるよう見直し、公表する。
また、総人件費について、センターが担う役割、診療報酬上の人員基準に係る対応等に留意しつつ、政府の方針を踏まえ、適切に取り組むこととする。
「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」等、関係する国の方針を基に、納期や費用対効果、共同購入の枠組み等を検討し、単独購入より有利な契約方法、枠組みを設定できるものについては国立高度専門医療研究センター等の間で共同購入を実施する。
研究開発等に係る物品及び役務の調達に関する契約等について、一般競争入札を原則としつつも、研究開発業務を考慮し、随意契約によることができる事由を規程等において明確化し、公正性・透明性を確保しつつ合理的な調達に努める。
また、後発医薬品の使用をより促進し、中長期目標期間の最終年度までに数量シェアで60%以上を目指す。
※後発医薬品の数量シェアの算式
[後発医薬品の数量]/([後発医薬品のある先発医薬品の数量]+[後発医薬品の数量])
3.収入の確保
医業未収金については、新規発生の防止に取り組むとともに、督促マニュアルに基づき、未収金の管理・回収を適切に実施することにより、平成26年度に比して、医業未収金比率の低減に取り組む。
また、診療報酬請求業務については、査定減対策など適正な診療報酬請求業務を推進し、引き続き収入の確保に努める。
一般管理費(人件費、公租公課を除く。)については、平成26年度に比し、中長期目標期間の最終年度において、15%以上の削減を図る。
中長期目標期間中に耐用年数が経過する病院情報システムについて、臨床研究との連携も踏まえたセンターの業務に最適なシステムの導入について、費用対効果も踏まえた検討を行い導入を図る。
マイナンバー制度の施行に伴う給与システムの改修等を情報管理体制に配慮して適切に行う。
政府の方針を踏まえ、漏洩防止、DDoS等攻撃対策等、適切な情報セキュリティ対策を推進する。
センターの目的に合致する外部の競争的資金の応募を積極的に行うとともに、センターの目的や実施内容、成果を積極的に広報することにより、寄附金の獲得を図る。
センターの目的に合わせた医療の提供に対し、診療報酬の改定・方向性を踏まえつつ、人員配置などを考慮して最適な施設基準を取得し、自己収入の確保を図る。
センターの機能の維持・向上を図りつつ、投資を計画的に行い、中・長期的な固定負債(長期借入金の残高)を償還確実性が確保できる範囲とし、運営上適切なものとなるよう努める。
なし
なし
決算において剰余を生じた場合は、将来の投資(建物等の整備・修繕、医療機器等の購入等)及び借入金の償還に充てる。
監査室、監事及び会計監査法人との連携強化を図り、コンプライアンスへの 取組を重点とした監査を実施することで、内部統制の一層の充実強化に努める。
研究不正に適切に対応するため、組織として研究不正を事前に防止する取り組みを強化し、管理責任を明確化するとともに、研究不正が発生した場合、厳正な対応に取り組む。
(1)及び(2)に加え、「「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について」(平成26年11月28日総務省行政管理局長通知)に基づき業務方法書に定めた事項について、その運用を確実に図る。
公正かつ透明な調達手続による適切で、迅速かつ効果的な調達を実現する観点から、策定した「調達等合理化計画」に基づく取組を着実に実施する。
積立金は、厚生労働大臣の承認するところにより、将来の投資(建物等の整備・修繕、医療機器等の購入等)及び借入金の償還に充てる。
加齢に伴う疾患に対する研究・診療などを実施している大学や独立行政法人国立病院機構、医療機関等との人事交流を推進する。
また、産官学の人材・技術の流動性を高め、センターと大学間等の技術シーズを円滑に橋渡しすることにより、高度かつ専門的な医療技術の研究開発を推進するため、大学等との間でクロスアポイントメント制度を導入する。
センターの使命に即した業務改善に積極的に取り組む人材を育成する。
職員、特に女性の働きやすい職場環境を整えるため、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、メンタルヘルス等の対策を強化・充実し、人材確保及び離職防止に努める。
なお、上記については、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)第24条に基づいて策定した「人材活用等に関する方針」に則って取り組む。
センターの使命及び果たしている役割と業務、その成果について広く理解が得られるよう、わかりやすい広報を行う。
※別紙1から4はテキスト化していませんので、以下の「第3期中長期計画」をご覧ください。
PDF文書(印刷用)
第3期中長期計画(412KB)![]() |
令和3年度計画(517KB)![]() |
令和4年度計画(420KB)![]() |
令和5年度計画(424KB)![]() |
令和6年度計画(438KB)![]() |
令和7年度計画(460KB)![]() |
令和8年度計画(890KB)![]() |
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独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第35条の4第1項の規定に基づき令和3年2月26日付けをもって厚生労働大臣から指示のあった国立研究開発法人国立長寿医療研究センター中長期目標を達成するため、同法第35条の5の定めるところにより、次のとおり国立研究開発法人国立長寿医療研究センター中長期計画を定める。
令和3年3月29日
令和4年10月7日改正
令和6年3月29日改正
令和7年4月1日改正
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
理事長 荒井秀典
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(以下「センター」という。)は、平成16年に設置された国立長寿医療センターを前身とし、平成22年に独立行政法人国立長寿医療研究センターに改組され、平成27年、通則法の改正により研究開発の最大限の成果の確保を目的とする国立研究開発法人と位置付けられた。
我が国の高齢化率は、令和2年には28.7%となり、団塊の世代が75歳以上となる2025年を前に、高齢者、特に75歳以上の人口は更に増加し、都市部における高齢者人口の爆発的な増加と地方における人口の減少が進むことが見込まれている。そのような状況の中、認知症やフレイル等、加齢に伴う疾患・病態への対応が従来にも増して重要になるほか、超高齢社会に適応する医療・介護システムの構築が喫緊の課題となっている。
これまでの長寿医療に関する政策の動きをみると、平成25年8月には、社会保障改革国民会議報告書がとりまとめられ、2025年を念頭に置いた21世紀型の社会保障の構築に向け、医療分野でも超高齢社会に見合った「地域全体で、治し支える医療」への変革等が提起された。これを受けて、いわゆる「医療介護総合確保促進法」が成立し、医療制度の見直し、医療介護の連携、認知症施策の強化等、地域包括ケアシステムの構築を目指した改革が進められてきた。特に認知症に関しては、平成27年1月の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」策定に引き続き、令和元年6月には「認知症施策推進大綱」がとりまとめられた。すなわち、世界一の長寿国である我が国における社会をあげた認知症への取組を世界的に発信するとともに、認知症の人ができる限り地域で自分らしく暮らし続けることが出来る社会の実現を目指し、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進することとなった。
研究開発の分野では、平成26年7月に「健康・医療戦略」が閣議決定され、令和2年3月の閣議決定において国民が健康な生活及び長寿を享受できることの出来る社会(健康長寿社会)を形成するため、「世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発の推進」と「健康長寿社会の形成に資する新産業創出及び国際展開の促進」が、戦略のポイントとして掲げられた。
学術分野においては、日本学術会議が令和2年9月に、「活力ある超高齢社会の構築に向けて―これからの日本の医学・医療、そして社会のあり方―」について提言をとりまとめ、超高齢社会におけるフレイル予防・対策の普及や健康長寿社会における地域のあり方等を提言した。
今期の中長期目標期間においては、これら社会構造の変化と医療政策、研究開発政策の動向を踏まえ、業務運営の効率化に取り組むとともに、加齢に伴う疾患に係る医療に関し、調査、研究、技術の開発や、これらに密接に関連する医療の提供、専門職の研修等を行うとともに、国の医療政策として、政府はいうに及ばず、国内外の研究機関・医療機関・学会等と連携し、長寿医療に関する最大限の成果を確保する。
とりわけ、今期においては、築後50年近くを経た病院施設のリニューアルが終了する予定であり、新たな施設での新たな展開に向けての重要な中長期目標期間として、一層の積極的な活動を図っていくこととしている。
こうした観点を踏まえつつ、厚生労働大臣から指示を受けた令和3年4月1日から令和9年3月31日までの期間におけるセンターが達成すべき業務運営に関する目標(以下「中長期目標」という。)を達成するための計画を以下のとおり定める。
加齢に伴って生ずる心身の変化及びそれに起因する疾患であって高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするもの(以下「加齢に伴う疾患」という。)を克服するための研究開発成果の最大化を目指す。
認知症やフレイル(虚弱)・サルコペニア等の加齢に伴う疾患・病態に関する医療の推進に大きく貢献する成果を中長期目標期間中に19件以上あげることを目標とする。
成果には、1)加齢に伴う疾患の本態解明と治療法の開発、2)医薬品、医療機器、再生医療等における革新的な基盤技術の創成数や発明件数、3)治験等で寄与した医薬品等の数、4)著名な学術誌に論文掲載されたもの、等が含まれる。
また、原著論文数については、第3期中長期目標期間中に1,700件以上の成果をあげることを目指す。
加齢に伴う疾患(認知症、サルコペニア等)の発症の要因やメカニズムに関する研究を行い、その本態を解明し、予防、診断、治療法の開発につながる基礎となる研究を推進する。
ア.認知症の本態解明に関する研究
アルツハイマー病を中心に、認知症の本態解明を目指し、その発症要因や発症メカニズムに関する研究を行い、予防、診断、治療法開発への展開を図る。
イ.加齢に伴う未解明の病態の本態解明に関する研究
フレイルやその原因の一つと考えられているサルコペニア等、加齢に伴う心身の状態に関し、未解明となっている病態について、予防、診断、治療法開発につながる本態解明に関する研究を行う。
認知症、フレイル・サルコペニア等、加齢に伴う疾患・病態に対する予防、早期発見、診断、治療、社会疫学的な研究等で収集されたビッグデータの解析により、加齢に伴う疾患に対する効果的な対策と評価に関する研究を行う。
ア.加齢に伴う疾患に対する効果的な対策と評価に関する研究
認知症、フレイル・サルコペニア等、加齢に伴う疾患・病態の研究推進のために、遺伝子解析も含めた地域在住高齢者のコホートを設定し、センター内バイオバンクと連携した総合的な調査・分析を行う。
また、老化に対する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)も継続して実施し、他の機関では困難な長期の疫学研究を推進する。
イ.加齢に伴う疾患に関する疾患レジストリの構築・運用
加齢に伴う疾患等を有する患者情報を多施設から収集するシステムを構築し、治験等の対象症例、臨床情報集積機能を向上させ、引き続き、疾患レジストリを構築するとともに、企業等との治験や臨床研究を迅速かつ効果的に実施できるようデータベース等の体制を整備し、運用する。
認知症やフレイル・サルコペニア等、加齢に伴う疾患・病態に対する予防、診断、治療法の開発に関する研究を行う。
具体的には、創薬開発につながるシーズの探索・評価、早期診断につながるバイオマーカーの探索とその測定方法、日本人における疾患感受性遺伝子の同定、発症前の効果的な予防方法に関する研究を行うとともに予防策の社会実装を目指す。
ア.認知症に対する創薬、早期診断、予防法に関する研究
認知症のなかでも、特にアルツハイマー病の制圧を目指し、アミロイドやタウを標的とする創薬(先制治療薬)、ゲノム解析情報からのドラッグ・リポジショニング、生化学及び脳機能画像による早期診断並びに薬物及び非薬物による予防に関する画期的な研究開発を推進する。
認知症の有病率減少へ向けて、地域において大規模な調査と介入研究を行政や民間企業等と連携して実施し、認知症の発症遅延の方法に関するモデルを提示し、その普及のための研修・管理システムを構築する。
また、認知機能の低下に伴って生じる問題(自動車事故等)に対する効果的な対処法についての実証研究も進める。
認知症の予防のための脳血管病変の管理の在り方の実証や、認知症の様々な段階で有効なリハビリテーションの効果を検証し、リハビリテーションモデルを提示する。
また、ロボット工学及びICTを応用し、発症前からの身体機能を含めた異常を検知し、それに対処することによって、認知症の予防及び進行遅延化のための開発を進める。
イ.フレイル等の予防に関する研究
身体的、精神神経的、社会的要素などの相互作用が想定されているフレイルの概念とその病態生理を明らかにするために、専門外来、専門病棟、バイオバンクと連携し、包括的調査・分析を行う。それらの調査結果をフレイルの診断、予防、治療法の開発につなげる。
ウ.地域包括ケアシステムの確立に資する研究
地域包括ケアシステム確立に資するため、ビッグデータ分析、モデル事業の活動性評価、治療・投薬行為の分析等の多様な手法に基づき、医療介護連携や、認知症施策推進大綱の推進等の政策課題を達成するための政策研究を推進する。
また、在宅医療やエンドオブライフ・ケア、認知症者の徘徊対策などの老年・社会科学的な研究開発を進め、政策提言を行う。
国立高度専門医療研究センター及び国立健康危機管理研究機構(以下「NC等」という。)の連携による新たなイノベーションの創出を目的として設置した国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(以下「JH」という。)において、NC等間の疾患横断領域を中心とした研究開発の推進とそのための基盤整備、人材育成等に取り組むこととする。
具体的には、ゲノム医療、大規模医療情報の活用、コホート研究基盤の連携・活用、健康寿命延伸のための疾患横断的予防指針の提言、実装科学推進のための基盤構築などについて、疾病の予防や共生にも留意しつつ、NC等がそれぞれの専門性を活かし、相乗効果を発揮できる研究領域における研究開発の推進等に取り組むこととする。
また、人材育成については、特に研究支援人材を育成するための体制を構築し、我が国の有為な人材の育成拠点となるようモデル的な研修及び講習の実施に努めるとともに、NC等連携及びNC等を支援することによる研究成果の発信やメディアセミナーの開催、知財の創出・管理の強化や企業との連携強化に取り組むこととする。
さらに、横断的研究推進事業等の円滑な実施を図るため、JH内で適正なガバナンス体制を構築し、定期的に活動状況の評価を行うこととする。
これらの取組を通じ、中長期目標期間中において、JHが実施する横断的研究推進事業費を伴う研究・事業等でNC等連携及びNC等を支援することにより、我が国の医療・研究に大きく貢献する成果を挙げることとする。
臨床現場における課題を克服するための基礎研究を円滑に実施し、また、基礎研究の成果を臨床現場へ反映させるため、センター内の各部門の連携を強化するとともに、産学の橋渡しの拠点としての連携を推進する。
高齢者の生活や活動を支えるロボットやIoT機器等を医療・介護・生活の場に普及するための拠点として体制を強化し、開発者のシーズを臨床及び生活の場に適合させるための臨床評価研究を実施する。
バイオバンクの国際標準ISO20387の取得に向けた整備を進めることで、NCGGバイオバンクの利活用システムを強化する。また、バイオバンク試料のゲノム解析情報の取得と蓄積を進め、疾患や個人の特性に基づくゲノム医療の推進基盤となるデータベースの充実を図る。ゲノムデータはバイオバンクを通じて研究者が共有できる仕組みにするとともに、ゲノム情報等を活用した研究を推進して日本人の個別化医療の推進に資するデータ取得を目指す。
新規要介護認定や介護度の重度化に関する要因を解明するためのコホート研究を実施するとともに、それらを予防するためのソリューションを開発し、その効果を検証するための比較試験を実施する。また、ソリューションの社会実装を検討するための費用対効果分析を併せて行う。
ロボット工学を応用し、高齢者に適合した日常会話及び身体活動を促進することで、身体及び認知機能の低下の予防、重症化防止を目指す研究開発を行う。認知症、フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアの予防や状態改善のための医療、運動、栄養等の適切な介入方法、社会的活動の促進を行うための国際連携も含めた支援体制等に関する研究を促進する。
地域保健予防活動、認知症初期集中支援等における加齢に伴う疾患に対する効果的な介入手法の確立を目指す。
高齢者感覚器疾患への診断、治療方法の確立や再生医療の推進
再生医療等提供機関として必要な整備を行い、高齢者に増加する水疱性角膜症に対する培養角膜内皮細胞注入療法を継続し、眼科領域の再生医療拠点化を目指す。また、高齢者の難治性眼表面疾患に対して希少疾患再生医療製品である培養角膜上皮移植を実施し、市販後研究に参加する。
在宅医療における医療・介護連携に関する調査研究を行うとともに、ICTを活用した連携構築を行う。
地域保健予防活動、認知症初期集中支援等における認知症やサルコペニア等、加齢に伴う疾患に対する効果的な介入手法を確立する。
産学官が連携した高齢者医療に係るシーズの発掘システムと橋渡し研究機能を強化するとともに、治験・臨床研究ネットワークの構築を推進する。また、メディカルゲノムセンター機能と連携し、全遺伝子情報と臨床情報とを統合した高度で先進的な治験・臨床研究データ解析システムの構築を進める。
これら取組の結果として、中長期目標期間中に臨床研究(倫理委員会にて承認された研究をいう。)実施件数について1,200件以上、治験(製造販売後臨床試験を含む。)の実施件数について350件以上を目指す。
また、中長期目標期間中にFirstinhuman(ヒトに初めて投与する)試験数1件以上、医師主導治験数6件以上、センターの研究開発に基づくものを含む先進医療承認件数1件以上、企業等との共同研究の実施件数250件以上を目指す。
研究不正に適切に対応するため、組織として研究不正を事前に防止する取組を強化し、管理責任を明確化するとともに、研究不正が発生した場合、厳正な対応に取り組む。
臨床研究における倫理性・透明性を確保する観点から、倫理審査委員会等を適正に運営し、その情報を公開する。
また、センター職員の研究倫理に関する意識・知識の向上を図るとともに、センターで実施している治験・臨床研究について適切に情報開示する。さらに、臨床研究の実施に当たっては、患者及び家族に対して十分な説明を行い、理解を得ることとする。競争的研究資金を財源とする研究開発について、センターのミッションや中長期目標を十分踏まえ、応募に際し、センターとして取り組むべき研究課題であるかどうかを審査したうえで、研究課題を選定する。
センターにおける基礎研究成果を着実に知的財産につなげるため、知財に関する相談体制を整備するとともに、知的財産を適切に管理する。
産官学連携を基礎に、我が国の民間企業の技術や開発力及びナショナルセンターの臨床研究基盤を応用し、医療機器の開発を推進する。
世界における認知症及び高齢者に係る情報を幅広く収集し、国内外へ情報発信を行う。
国際連合及び世界保健機関(以下「WHO」という。)の「HealthyAgeing10年」を踏まえ、高齢者の活動を賦活し、生活機能を維持するためのICT及びロボットの共同開発、普及の促進を行う。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)からの研究助成を受け、海外の研究機関と連携して、大規模データベース構築を推進する。
関連する国内外の関係組織及び個人の人的・情報的つながりの橋渡しを行う。
国際連携を目的とした窓口を作り、WHOや国際団体(ADI:Alzheimer's DiseaseInternational、DAI:DementiaAllianceInternational等)、国内外官民の組織や当事者団体との連携を推進する。
収集された国内外の最新知見を加味した診療や介護等のガイドラインの作成・改定に関連学会と連携して実施するとともに、普及推進に努める。
センターの研究成果について、学会等が策定する診療や在宅医療等、高齢者の医療・介護に関するガイドラインへの採用件数について、中長期目標期間中に34件以上を目指す。
また、研究開発の成果の実用化及びこれによるイノベーションの創出を図るため、必要に応じ、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)に基づく出資並びに人的及び技術的援助の手段を活用する。
国内外の研究施設及び医療機関等の知見を集約しつつ研究部門と密接な連携を図り、その研究成果を活用し、先進医療を含む高度かつ専門的な医療の提供を行う。
また、長寿医療研究センターでの臨床の実績を踏まえ、認知症、フレイル、高齢者に特有な疾患、高齢者感覚器障害、摂食嚥下排泄障害等に対する臨床研究、指導・研修・助言を通じ、予防も含めた高齢者への適切な医療を提供する。
社会保障改革国民会議の提唱する「地域で治し支える医療」や多くの疾病を有し完全な回復を図りがたい高齢者医療の特徴を踏まえ、臓器別ではなく包括的な心身状態の評価を基本に、全体的なQOLの向上を目指し、低侵襲な医療を行う等の新たな高齢者医療について、他の医療機関等でも対応できるモデルを作成し、普及を推進する。
あわせて、再生医療、先進的画像診断技術等をはじめとする最新の技術に基づく医療技術の開発を行う。
センターの研究成果や、国内外の研究施設及び医療機関等の知見を集約し、加齢に伴う疾患の予防、診断、治療及び機能低下の回復のための医療を提供する。
アミロイドPET等、先進的画像診断による認知症に関する早期診断の実施
認知症に対する診療について、センター内外の知見を集めた診療・介護を含めた総合的な対応の充実
フレイル、ロコモティブシンドローム等、高齢者特有の心身の状態に対する包括的な医療の提供
高齢者の感覚器疾患に対する診療科横断的でかつ包括的な医療の提供
口腔疾患対策、口腔ケアを通じたQOL向上の実施
長寿医療の特性を踏まえた臨床評価指標を独自に策定した上で、医療の質の評価を実施し、その結果を公表する。
本人(患者)の意思を反映した医療を確立する。
本人及びその家族等(周囲の介護者等)に対し、認知症等加齢に伴う疾患に関する理解浸透、負担軽減等、日常生活に密着した支援を実施するため、病状や状態に合わせた患者・家族教室等を開催する。
部門横断的に認知症・せん妄サポートチーム、エンドオブライフ・ケアチーム、転倒転落防止チーム、高齢者薬物治療適正化チーム、褥瘡対策チーム、栄養サポートチーム、排尿ケアチーム等、専門的知識・技術を身に付けた多職種からなる医療チームによる活動を実施し、患者・家族の目線に立った質の高い医療の提供を行う。
ICTを利用し、持続的なモニタリングから得られる身体情報をAIで処理し、加齢に伴う運動及び認知機能の異常をとらえ、認知症・フレイルなどの早期の徴候を検知し、医療的な対応につなげるシステムの開発を目指す。
AI技術を活用したフレイルの主要因であるサルコペニアについての診断法や、各種疾患との関連を明らかにする研究等に取り組む。また、ICTを活用した遠隔診療や指導するシステムを開発・構築し、フレイルの改善や予防に資する新しい医療の実践を目指す。
認知症の診療情報、脳画像、ゲノム情報を統合したデータベースの増強、研究開発の促進により診療の質を向上、他の研究機関とデータシェアリングを行う。
多施設共同のフレイルレジストリを構築し、データシェアリングシステムを整備することで、フレイル等に関する研究促進を図り、高齢期に特有な疾患治療成績の向上や高齢者のQOLの向上のための研究成果に繋げる。
可能な限り在宅生活を維持できるように、在宅医療支援機能を充実させ、急性増悪時における緊急入院の受入れ、かかりつけ医との連携の下での患家への訪問、在宅医療を実施している地域の診療所や介護関係者とのカンファレンスを実施する等、在宅医療における後方支援病院としての機能の高度化を図る。
在宅医療と連携したアドバンスケアプランニング、エンドオブライフ・ケア等、人生の最終段階におけるモデル医療の確立と普及を目指す。
医療安全管理室による連携・統制の下、インシデント・アクシデントの原因の分析、再発防止策の検討、医療安全講習の実施、マニュアル等の見直しを行い、医療安全対策の維持・向上を図る。
そのため、全職員を対象とした医療安全や感染対策のための研修会を開催し受講状況を確認する。また、安全管理委員会を開催する。
また、同規模・同機能の医療機関との間における医療安全相互チェックを行い、医療安全体制の充実を図る。
高齢者医療の特性を踏まえつつ、効果的かつ効率的に病院運営を行うため、年間の病院における入院延患者数、病床利用率、平均在院日数等について、医療技術の伸展や診療報酬改定の動向及び病棟の建て替え整備の進捗を考慮して、年度計画に適切な指標を定める。
国内外の有為な人材の育成拠点となるよう、加齢に伴う疾患に対する医療及び研究を推進するにあたり、リーダーとして活躍できる人材の育成を実施する。
高齢者医療・介護に関する人材の育成
認知症施策推進大綱をはじめとする政策の動向に呼応しながら認知症サポート医研修や認知症初期集中支援チーム員研修、高齢者医療・在宅医療総合看護研修、セミナーの開催等を通じ、加齢に伴う疾患に対する研究・診療に関してリーダーとして活躍できる人材の育成に努める。
認知症サポート医研修の修了者数について、800人/年以上を目指す。
認知症初期集中支援チーム員研修は1,000人/年以上を目指す。
高齢者医療・在宅医療総合看護研修の修了者数について、100人/年以上を目指す。
レジデント及び専門修練医の育成を図るとともに、国内外の病院からの研修の受入れ等、幅広い人材育成を行う。また、高齢者医療の要となる総合内科専門医、老年病専門医の育成に関して、新・内科専門医制度プログラムに準拠しながら全ての分野の内科医が共同して研修医の育成を図る。
臨床と直結した研究の実施に必要となる支援人材の育成及び確保
企業との連携調整や研究成果の活用促進等に取り組むリサーチ・アドミニストレーターなどの人材について、JHのほか大学などアカデミア機関や企業等とも連携し取り組む。
モデル的な研修実施及びマニュアルやテキストの開発・提供
認知症の介護・予防や人生の最終段階の医療、在宅医療の推進等、標準的な研修実施及びマニュアルやテキストの提供を通じ、高齢者医療に関する情報・技術・手技等の普及をNC等が協同して推進する。
認知症(診断、医療介護の連携、予防等)や在宅医療連携等の研修プログラム作成及び改定を行う(医療・看護・介護・リハビリテーション等)。
医療政策をより強固な科学的根拠に基づき、かつ、医療現場の実態に即したものにするため、NC等の連携によるデータベースやレジストリ整備等に取り組む中で明らかになった課題や科学的見地から専門的提言を行う。提言は、各種研究報告によるものの他、重要なものについてはセンターとして提言書をとりまとめた上で、国等へ提言を行う。
ネットワーク構築・運用
関係学会とも連携しつつ、加齢に伴う疾患に係る全国の中核的な医療機関間のネットワークを構築し、医療の均てん化等に取り組む。
情報の収集・発信
医療従事者や患者・家族が認知症その他加齢に伴う疾患に関して信頼のおける情報を分かりやすく入手できるよう、広く国内外の知見を収集、整理及び評価し、ホームページやSNS等を通じて、国民向け・医療機関向けの情報提供を積極的に行うとともに、メディアに向けても積極的に情報を発信する。
また、認知症やフレイル・サルコペニア等、加齢に伴う疾患・病態に関する課題に対し、これらの疾患等とともに生きる方とそのご家族、そして医療・介護・福祉関係者へ向け、それぞれの立場で取り組むべきことを、具体的な事例をあげて分かりやすく情報発信する。
加えて、学会等と連携し、診療ガイドライン等の作成に更に関与し、ホームページを活用すること等により、診療ガイドライン等の普及に努める。
さらに、これら取組の結果として、ホームページアクセス件数について3,400,000件以上/年を目指す。また、JHと連携してNC等の所有する教育コンテンツを集積、広く開示し、センター職員以外も閲覧できる仕組みを構築する。
地方自治体との協力
全国の都道府県、市町村等の要請に基づき、保健医療関係の人材育成、専門的知見の提供等を通じて、各地における地域包括ケアシステムの推進に協力する。
公衆衛生上の重大な危害が発生し、又は発生しようとしている場合には、国の要請に積極的に協力するとともに、センターの有する医療資源(施設・設備及び人材等)の提供等、協力可能な範囲で迅速かつ適切に対応する。
業務の質の向上及びガバナンスの強化を目指し、かつ、効率的な業務運営体制とするため、定期的に事務及び事業の評価を行い、役割分担の明確化及び職員の適正配置等を通じ、弾力的な組織の再編及び構築を行う。働き方改革への対応として、労働時間短縮に向けた取組やタスク・シフティング及びタスク・シェアリングを推進する。
センターとしての使命を果たすための経営戦略や毎年の事業計画を通じた経営管理により収支相償の経営を目指すこととし、6年間を累計した損益計算において、経常収支率が100%以上となるよう経営改善に取り組む。
給与制度の適正化
給与水準について、センターが担う役割に留意しつつ、社会一般の情勢に適合するよう、国家公務員の給与、民間企業の従業員の給与、センターの業務実績等を踏まえ、適切な給与体系となるよう見直し、公表する。
また、総人件費について、センターが担う役割、診療報酬上の人員基準に係る対応等に留意しつつ、政府の方針を踏まえ、適切に取り組むこととする。
材料費等の削減
独立行政法人国立病院機構等との間において、医薬品の共同調達等の取組を引き続き推進することによるコスト削減を図るとともに、医療機器及び事務消耗品については、早期に共同調達等の取組を実施し、そのコスト削減を図る。また、診療材料などの調達についても、コストの削減を図るため、競争入札等の取組を促進する。
後発医薬品については、中長期目標期間中の各年度において、前年度の実績を上回ることを目指すため、更なる使用を促進するとともに、中長期目標期間を通じて数量シェアで85%以上とする。
※後発医薬品の数量シェアの算式
[後発医薬品の数量]/([後発医薬品のある先発医薬品の数量]+[後発医薬品の数量])
収入の確保
医業未収金については、新規発生の防止に取り組むとともに、督促マニュアルに基づき、未収金の管理・回収を適切に実施することにより、医業未収金比率について、前中長期目標期間の実績の最も比率が低い年度に比して、低減に向け取り組む。
また、診療報酬請求業務については、査定減対策や請求漏れ対策など適正な診療報酬請求業務を推進し、引き続き収入の確保に努める。
一般管理費の削減
一般管理費(人件費、公租公課及び特殊要因経費を除く。)については、令和2年度に比し、中長期目標期間の最終年度において、5%以上の削減を図る。
情報システムの適切な整備及び管理
デジタル庁が策定した「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」(令和3年12月24日デジタル大臣決定)に則り、PMO(Portfolio Management Office)を設置するとともに、情報システムの適切な整備及び管理を行う。
電子処方箋の導入をはじめ、政府が進める医療DXの各取組に率先して取り組むなど、国の医療政策に貢献する取組を進める。
病院情報システムの更新により、業務の効率化及び質の向上、経営分析の強化を行う。また、会議の開催や資料、事務手続等の電子化を推進していく。なお、病院情報システムを含め、システムの導入、更新に際しては、費用対効果を勘案しつつ、幅広いICT需要に対応できるものとする。
センターの目的に合致する外部の競争的資金を積極的に獲得するとともに、センターの目的や実施内容、成果を積極的に広報することにより、寄附金の獲得を図る。
センターの目的に合わせた医療の提供に対し、診療報酬の改定・方向性を踏まえつつ、人員配置などを考慮して最適な施設基準を取得し、自己収入の確保を図る。
センターの機能の維持・向上を図りつつ、投資を計画的に行い、中・長期的な固定負債(長期借入金の残高)を償還確実性が確保できる範囲とし、運営上適切なものとなるよう努める。
また、繰越欠損金については、第2の1「効率的な業務運営に関する事項」に掲げる取組を着実に実施し、中長期目標期間中の累計した損益計算において経常収支率が100%以上となるよう経営改善に取り組み、中長期目標期間中に、繰越欠損金を第2期中長期目標期間の最終年度(令和2年度)比で3.2%削減を達成する。なお、繰越欠損金の発生要因等を分析し、可能な限り早期に繰越欠損金を解消するため、令和3年度中の可能な限り早期に具体的な繰越欠損金解消計画を作成し、公表する。
(1)予算 別紙1
(2)収支計画 別紙2
(3)資金計画 別紙3
限度額1,500百万円
想定される理由
(1)運営費交付金の受入遅延等による資金不足への対応
(2)業績手当(ボーナス)の支給等、資金繰り資金の出費への対応
(3)予定外の退職者の発生に伴う退職手当の支給等、偶発的な出費増への対応
なし
なし
決算において剰余を生じた場合は、将来の投資(建物等の整備・修繕、医療機器等の購入等)及び借入金の償還に充てる。
監査室、監事及び会計監査法人との連携強化を図り、コンプライアンスへの取組を重点とした監査を実施することで、内部統制の一層の充実強化に努める。
研究不正に適切に対応するため、投稿前の論文の確認、研究倫理研修の開催、さらに研究不正防止に特化した研修の開催など、研究不正を事前に防止する取り組みを組織として強化し、管理責任を明確化するとともに、研究不正が発生した場合、厳正な対応に取り組む。
(1)及び(2)に加え、「「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」について」(平成26年11月28日総務省付け総管査第322号行政管理局長通知)に基づき業務方法書に定めた事項について、その運用を確実に図る。
公正かつ透明な調達手続による適切で、迅速かつ効果的な調達を実現する観点から、策定した「調達等合理化計画」に基づく取組を着実に実施する。
加齢に伴う疾患に対する研究・診療等を実施している大学や独立行政法人国立病院機構、医療機関等との人事交流を推進する。
センターの使命に即した業務改善に積極的に取り組む人材を育成する。
職員、特に女性の働きやすい職場環境を整えるため、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、メンタルヘルス等の対策を強化・充実し、人材確保及び離職防止に努める。
なお、上記については、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第24条の規定に基づき作成された「人材活用等に関する方針」に則って取り組む。
中長期目標期間中においては、老朽化し狭隘な施設の建て替え整備を行い、加齢に伴う疾患に対し治療・診断・予防等、総合的な取組を実施する。
上記を含め中長期目標の期間中に整備する施設・設備整備については、別紙4のとおりとする。
積立金は、厚生労働大臣の承認するところにより、将来の投資(建物等の整備・修繕、医療機器等の購入等)及び借入金の償還に充てる。
政府統一基準に沿って情報セキュリティ対策を引き続き推進する。推進に当たっては職員の利便性にも配慮しつつ、センター内外の情報セキュリティ研修等を通じて、継続的に職員の情報セキュリティ能力の向上を図る。
センターの使命及び果たしている役割と業務、その成果について広く理解が得られるよう、わかりやすい広報を行う。
ミッションの確認や現状の把握、問題点の洗い出し、改善策の立案、翌年度の年度計画の作成等に資するよう、引き続き職員の意見の聴取に努める。
決算検査報告(会計検査院)の指摘も踏まえた見直しを行うほか、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について、着実に実施する。
※別紙1はテキスト化していませんので、以下の「繰越欠損金解消計画」をご覧ください。
PDF文書(印刷用)
令和3年11月30日
令和7年11月11日改正
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(以下「センター」という。)は、平成22年4月の独立行政法人化以降、高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成20年法律第93号)第3条第6項の規定に基づき、加齢に伴って生ずる心身の変化及びそれに起因する疾患であって高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするもの(以下「加齢に伴う疾患」という。)に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、加齢に伴う疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的に、病院と研究所が一体となり加齢に伴う疾患等の克服を目指した研究開発を行い、その成果をもとに高度専門的医療を提供するとともに全国への普及を図ることを使命としている。
また、中長期目標期間を通して経常収支率100%以上とすることを目標に法人運営を行っている中、第1期中期目標期間(平成22年4月~平成27年3月)の最終年度末においては、積立金12.9億円を計上したものの、第2期中長期目標期間においては、診療棟の新築に伴う減価償却費の増加や新型コロナウイルス感染症の影響による収益減等の影響により令和2年度末において、繰越欠損金が4.7億円生じたところである。
これを受けて、厚生労働大臣から指示されたセンターの第3期中長期目標(令和3年4月から令和9年3月)において繰越欠損金解消計画(以下「解消計画」という。)を策定し、今後の財政健全化に向けた道筋を明確にすることとされ、令和38年度末までに繰越欠損金を解消することとした。解消計画に基づき、令和3年度は黒字を達成し改善の見通しがみえてきたところであるが、収益は増加している一方で、それ以上に費用が増加しているため、結果として令和6年度末において、繰越欠損金が23.9億円生じたところである。
こうした繰越欠損金の状況を鑑み、センターの使命及び役割を果たすために必要な機能の維持・向上に留意しつつ、厚生労働省と協議の上、センターにおける繰越欠損金の発生要因等を分析し、可能な限り早期に繰越欠損金を解消すること、また、今後の財政の健全化に向けた道筋を明確にするため、解消計画の抜本的な見直しを行い、ここに改正する。
主な発生原因として考えられるものは以下のとおり
第1・2診療棟の新築及び電子カルテの更新に伴い減価償却費が増加するため短期的な解消は難しい状況ではあるが、解消計画達成のための措置を確実に実行することで、第9期中長期目標期間中の令和40年度までに別表のとおり解消を図ることとする。
解消計画達成に向けて、次の取り組みを中心に第3期中長期目標期間以降も引き続き経営改善に努める。
解消計画を着実に実行するため、厚生労働省に対し、定期的に計画の進捗状況について報告するとともに、厚生労働省からの意見聴取等の結果を受け、適正な運営に努める。
なお、各年度実績が2期連続で年度計画を下回る等、実際の状況が計画から乖離し、社会情勢の大幅な変化等、正当な事由が認められない場合には、厚生労働省と協議の上、当該計画の抜本的な見直しを行う。