日本では、不慮の事故でなくなる方の約2割は窒息が原因です。窒息による死亡は1年間の中で元旦、1月2日、1月3日の順に多く、正月三が日が圧倒的に多いです。窒息しやすい食物としては餅が多く、高齢者の餅による窒息事故には注意が必要です。高齢者は飲み込みの力が弱くなっており、また、食べたものがのどに残りやすい人も多くなるため、嚥下障害(飲み込みの障害)のある人が餅を食べると特に窒息しやすくなります。食事やお茶などでむせる人はリハビリテーション科や耳鼻咽喉科などで診てもらうことをお勧めします。
むせがない方でも高齢者では餅を食べる時は
などの工夫が必要です。
窒息しやすい食物
(食品による窒息の現状把握と原因分析,2007)
のどに残った食物
多くなると窒息しやすい
窒息のサイン(チョークサイン)
(出典:政府広報オンライン)
窒息したときによくみられるのがチョーク(窒息)サインであり、声を出せずに自分の手でのどをつかむ動作をします。苦しそうになり顔色も悪くなります。窒息が5分以上続くと死亡することも多いので、救急車を呼んでもなかなか間に合いません。
近くにいる人は大声で助けを呼び、119番通報とAEDの準備を依頼するとともに、窒息の原因となった餅などを取り出すことが推奨されています。
最初に行って下さい。
手のひらの付け根部分で背中の肩甲骨の中間あたりを数回強く叩きます。
腹部の上の部分を手前上方に強く突き上げて下さい。
腹部突き上げ法は乳児や妊婦、肥満の強い方には行ってはいけません。
繰り返しになりますが、窒息かなと思ったら、すぐに助けを呼んでください。