後継イベントについて

1.G8認知症サミットの概要
平成25年(2013年)12月11日、ロンドン(英国)で「G8認知症サミット」が開催された。
日本からは土屋品子厚生労働副大臣が出席し、英国のデイビット・キャメロン首相、ジェレミー・ハント保健大臣等G8各国の政府代表のほか、欧州委員会、WHO、OECDの代表が出席した。また、各国の認知症専門家や製薬会社代表等も参集し、世界的な共通課題である認知症について、各国の施策や認知症研究、社会的な取組み等幅広い観点からその現状や取組みを紹介するとともに、熱心な意見交換が行われた。
土屋厚生労働副大臣は、日本の高齢化と認知症の現状、認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)等について説明を行った。会議の成果として、G8各国代表者の間で、認知症問題に共に取り組むための努力事項を定めた「宣言(Declaration)」及び「共同声明(Communique)」に合意した。
2.G8認知症サミット宣言の主な内容
- 2025年までに認知症の治療又は病態修飾療法を同定し、その目的を達成するために、認知症に関する研究資金を共同で大幅に増やすという目標を掲げる。
- 認知症関連の調査研究に従事する人々の数を増やす。
- 国際的な専門知識を結集することでイノベーションを促進し、また、認知症イノベーションを世界規模で支える民間・慈善基金を立ち上げる可能性の模索を含む、新たな資金源を獲得するための国際的な取り組みを調整するグローバルな「認知症イノベーション特使(Dementia Innovation Envoy)」を任命するとの英国の決断を歓迎する。
- 我々が資金提供する研究に関する情報を共有し、ビッグデータ構想の共有を含む連携と協力が可能な戦略的優先領域を同定する。
- 認知症研究に対するオープンアクセスを奨励し、研究データと研究結果を更なる研究のためにできるだけ速やかに利用できるようにする。
- 2014年、OECD、WHO、欧州委員会、神経変性疾患に関するEUの共同プログラム(JPND)及び市民社会との連携の下、一連のハイレベルフォーラムを開催し、次のことに焦点を当てた分野横断的なパートナーシップとイノベーションを構築する。
社会的影響への投資(Social impact investment)―英国主導
新しいケアと予防のモデル(New care and prevention models)―日本主導
学術界と産業界のパートナーシップ(Academia−industry partnership)―カナダとフランスの共同主導
3.日本イベントについて
(1)テーマ
新しいケアと予防のモデル New care and prevention models
(2)目的
- 世界的な課題である認知症に対して、ケアと予防という点に着目し、世界の現状を概観し、先進事例を紹介する。
- 地域を作る各々の主体となる者(本人・介護者、住民、事業者、民間企業など)の、積極的な参画と情報発信により、日本が目指す地域包括ケアシステムを紹介する。
- ICT等の新たな技術、手法について紹介するとともに、その可能性を検討する。
- 「新たなケアと予防のモデル」について討議、結果を報告するとともに、可能であれば将来的な提言を行う。
(3)日程
平成26年(2014年)11月5日から7日の3日間
主催・運営
- 厚生労働省
- 国立長寿医療研究センター
- 認知症介護研究・研修東京センター
(4)会議への参加者
イベントには200名を超えるG7各国の専門家等が討議への参加のために招待される。
また、会議の模様は、一般に向けてインターネットにより動画配信する予定である。