高齢者によくある帯状疱疹はワクチンの開発、それに関する宣伝等の影響ですっかり有名な病気になりました。80歳までに約3人に1人が発症すると言われている、とてもよくある病気です。帯状疱疹を心配して受診する患者さんもあり、「帯状疱疹と違いますよ」と話すと安心されることも多くあります。一方で、治療が後手になった帯状疱疹の合併症の診療も多く経験します。帯状疱疹の正しい知識を得て、適切に対応できればと考え、Q and A様式で簡単に解説してみます。
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus,VZV)の再活性化によって発症する疾患とされています。といわれても、解りにくいですね。

図に示すように、具体的には水痘・帯状疱疹ウイルスが初めて感染すると水痘(みずぼうそう)になります。しかし、水痘は幼児期に発症することが多く、症状が軽いことが多いので、覚えていないことが大半です。
その後、水痘・帯状疱疹ウイルスは脊髄後根神経節や三叉神経節に潜伏しつづけています。年齢とともにウイルスが再活性化(再び暴れだすこと)して帯状疱疹が発症します。
つまり、90歳の帯状疱疹の患者さんのウイルスは戦前(子供の頃)に感染したことが多いと推測できるのです。高齢者では長年共に過ごしたウイルスに突如暴れられるという病気です。人間とウイルスのおかしな関係ともいえます。
神経節から伸びる神経の領域に沿って、帯状に発疹が出ることが多いからです。しかし、顔や外陰部、下肢の場合は必ずしも帯状にはなりません。
これは、帯状疱疹の本質をついた良い質問です。帯状疱疹は重症度の幅が大きい疾患であり、「発疹に気づかない」患者から、重篤な症状をきたす患者さんまで本当に多様です。皮膚科等の医療機関では「どれぐらいの重症度で、今後どれぐらい悪化するかどうか」を様々な情報を収集しつつ判断します。
高齢者ではしばしばあります。特に全身に散らばる汎発疹がある場合には発熱があり、全身状態が悪くなる可能性が高いです。
ちょっと解りにくいかもしれませんが、以下に列挙します。重症度の判断は医師に相談してください。
通常、帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬の全身投与が用いられます。副作用に気を付けながら、必要十分量を使うことが重要です。また、抗ウイルス薬はできるだけ早期の投与が有効になります。脱水の補正や皮膚の処置も重要です。また、痛みが強い場合には鎮痛薬などを用いて症状を和らげます。
ワクチンは帯状疱疹の発症率を低下させるともに、症状を緩和するとされています。自治体による定期接種や助成制度がありますので、その機会を利用してもいいと思います。最近、帯状疱疹にかかった場合には、後に再発することはあるものの、当面ワクチン接種の必要はありませんので、医師に相談してください。