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体が黄色いんじゃないの?

 病院で外来をしていると、「体が黄色いんじゃないの」と言われたため受診される患者さんがいます。診察してよくよく話を聞くと、カロテンを摂取しすぎるためにおこる柑皮症の患者さんもみえますが、本当に黄疸の方もいます。柑皮症の場合は白目(眼球結膜)は白いままですが、黄疸は白目のところも黄色くなります。当院は高齢の患者さんが多いため、しばしば閉塞性黄疸(以下参照)の患者さんが受診されます。今回は、これについてお話をさせていただきます。

※柑皮症:みかんなどのカロテンを含む食品やサプリメントの過剰摂取によっておこる、皮膚がオレンジ色なる所見です。柑皮症はオレンジ色になるだけで病的なものではありません。

 では、なぜ体が黄色くなるのでしょうか?

黄疸とは?

 皮膚などの体に黄色い色素(ビリルビン)が沈着し黄色く見える所見です。

図1

なぜ黄疸は出るの?

  • ①血液細胞のひとつである赤血球が壊れると、分解される過程でビリルビンと呼ばれる黄色い色素ができます。
  • ②このビリルビンが肝臓の細胞に取り込まれ、代謝されて胆汁となります(胆汁とは黄色く、脂肪などの分解を助ける消化酵素です)。
  • ③生成された胆汁は胆管を通って胆のうにたくわえられます。胆のう内の胆汁は、胃で消化された食事内容物が十二指腸へ流れ込むと、総胆管を通り十二指腸内に流出します(図1)。

 この①~③のどこかに異常が生じると黄疸となります。

黄疸をきたす病気は?

  • ①の病気として溶血性黄疸(血液疾患)があります。
  • ②の病気として肝炎~肝硬変症による黄疸(肝細胞性黄疸)があります。
  • ③の病気として総胆管結石、膵癌や胆管癌などの腫瘍による黄疸(閉塞性黄疸)があります。

図2

閉塞性黄疸とは?

 肝臓から十二指腸までの胆汁が流れる胆管に何らかの異常が生じ、胆汁の流れが悪くなったためにおこる黄疸です。代表的な病気としては、総胆管結石、膵癌や胆管癌などがあります。それらの閉塞性黄疸に対し、内視鏡を使い黄疸を改善することができます。

内視鏡を使用し黄疸を改善する方法とは?

 閉塞性黄疸は肝臓から十二指腸までの胆汁が流れる胆管が詰まっているためにおこるので、詰まりを取る処置をすれば黄疸は良くなります。

内視鏡的十二指腸乳頭切開術(EST)や拡張術(EPBD)~砕石術(図2)

 主に総胆管結石による閉塞性黄疸の時に行います。内視鏡を使い十二指腸にある胆管の出口を広げ胆管内にある総胆管結石を取り出す治療です。

内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)、内視鏡的胆道ステント留置術(ERBD)(図3)

図3

 膵癌や胆管癌により胆管を閉塞する病気がある場合に行います。内視鏡を使い十二指腸にある胆管の出口から、腫瘍などにより細くなった胆管の部位にステント(ストローのような細いプラスチックの管やスプリングのような胆管を広げる金属)を挿入します。

 これらの処置により黄疸は改善しますが、原因となる病気の根本的な治療ではありません。そのため、黄疸や体の状態が良くなってから、原因となっている病気に対し、手術(切除)や抗がん剤などの治療を検討します。