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尿もれの治療や対処について

心配しているのはあなただけではありません。
「尿もれ」はいつ受診したら良いでしょう?
どういった治療や対処があるでしょうか?

尿もれ(尿失禁)とは?

自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことです。

どんな時に受診すべきでしょうか?

尿失禁ためにやりたいことが、あるいはやるべきことが、できなくなった時、あきらめなくてはいけなくなった時が目安です。尿失禁以外の症状、例えば排尿困難、残尿感、血尿や痛みなどがある時は必ず受診してください。

尿失禁の種類

  1. 腹圧性尿失禁
    おなかに力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こります。
  2. 切迫性尿失禁
    急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。
  3. 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
    自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまうのが溢流性尿失禁です。尿が出にくくなる排尿障害が必ず前提にあります。
  4. 機能性尿失禁
    排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能や認知機能が原因でおこる尿失禁です。

尿失禁に対する泌尿器外科の検査

問診と診察を行います。検尿、超音波検査、残尿量測定、1時間あたりの尿失禁量の測定、排尿日誌記録を行います。必要に応じて、内診台での診察、チェーン膀胱尿道造影検査、尿流動態検査、膀胱鏡検査などの詳しい検査を行うこともあります。

尿失禁の治療とケア

軽い「腹圧性尿失禁」の場合は、骨盤底筋訓練で改善が期待できます。適切な体重コントロールも重要です。保存的療法では改善しない場合、不満足な場合、中等症~重症の場合は手術の適応です。ポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してぐらつく尿道を支える「TVT手術」は、体への負担が少なく、長期成績も優れています。
「切迫性尿失禁」の治療には、薬物療法が有効です。飲水コントロール、骨盤底筋訓練、尿意があっても少しがまんする膀胱訓練などの行動療法を併用します。
溢流性尿失禁は残尿が多く排尿しきれていないことが多いので、管を使用し、まずは尿を体外へ排出します。
「機能性尿失禁」の場合、身体機能や認知機能に応じた環境調整が必要です。衣類の着脱に時間がかかるようであれば脱ぎ着しやすいように、たくし上げやすい短めの上着、ベルトやチャックではなくゴムウェストのズボンを選びましょう。後ずさりが難しい場合は、トイレの扉は手前に開くタイプではなく横開き、または常時開けておくこともよいです。便器のふたを開ける動作ができなかったり、待てなかったりする場合は、便器のふたは、いつも開けておきましょう。バランス感覚が衰えている場合は、トイレ内に手すりを設置し、立った状態、便器に座った状態が安定するようにすることも一案です。流し忘れることがある場合は、自動洗浄の便器もよいでしょう。
ご自宅のトイレであっても夜間などは、どこがトイレなのか分からなくなることもあります。トイレ前に“厠”、“便所”と張り紙したり、廊下に電気をつけておくこともよいです。
「尿もれ」に使用する場合は、生理用ナプキンやテッシュペーパー、トイレットペーパーではなく、専用のパッド・おむつを使用しましょう。

さいごに

尿失禁で困っておられる方は多いですが、羞恥心のため相談や受診できず我慢している方がほとんどです。尿失禁の状態や原因に応じてきちんとした治療法や対処法がありますので、お気軽に泌尿器外科にご相談ください。当院は「尿失禁」に対するケアついては、予約専門外来の「すっきり外来」で医師・看護師が協働でご対応します。