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歩くと足が痛くなるが休むとまた歩ける その原因は?

 一定の距離や時間歩くと足が痛くなったり、しびれたり、足の筋肉が張ってきて歩けなくなる。休むとまた歩けるようになる。こんな症状でお困りの方はありませんか?
 このような症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。
 その原因には神経の圧迫によるものと血流の障害によるものがあり治療も全く異なります。神経の圧迫によるものの代表が脊柱管狭窄症、血流の障害によるものの代表が閉塞性動脈硬化症です。難しそうな言葉が並んでしまいましたね。どちらも高齢の方に多い病気です。
 症状の違いを表に示しました。

 

脊柱管狭窄症

閉塞性動脈硬化症

姿勢により症状が変わる

座ると楽になる

足がしびれる感じがある

姿勢によらない

登りでは症状が出やすい

ふくらはぎが張ったような感じ

 脊柱管狭窄症は背骨の神経の通り道が狭くなり神経が圧迫される病気です。腰椎に脊柱管狭窄が起こることが多く、下肢のしびれや痛みが症状で、特に太ももやすねの外側が痛くなることが多くみられます。この下肢のしびれ、痛みは歩いていたり、立ち続けたりすることで腰部の神経への血行が悪くなるために、症状が悪化します。前屈みの姿勢や、座って休むと脊柱管が広くなることで下肢のしびれや痛みが一時的に楽になり、また歩けるようになります。自転車をこいでいても症状が出にくいのはこのためです。この病気は整形外科が専門です。保存治療として馬尾神経の血行を促進するプロスタグランディンE1というお薬をまず使用しますが、効果が不十分な場合に脊柱管を広げる手術をすることもあります。整形外科の医師とよく相談してください。

 一方、閉塞性動脈硬化症は動脈硬化により足の動脈が狭くなったりつまったりする病気です。筋肉に十分血液が届かないため、一定の距離を歩くと痛くなります。筋肉が「血が足りないよ」とSOSを出しているのです。休むとまた歩けるようになりますし、ゆっくりなら比較的長く歩けます。ふくらはぎが痛くなることが多く、上り坂では症状が出やすくなります。

 この病気は当院では血管外科が専門です。病院によっては循環器内科が対応しています。動脈硬化は全身の血管に起こりますので閉塞性動脈硬化症の方は心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高くなります。糖尿病や高血圧症、脂質代謝異常、喫煙は動脈硬化を起こす原因となり、これらを含めた総合的な治療が必要です。治療はやはり薬による治療と手術があります。薬は抗血小板剤(いわゆる血液サラサラの薬)が中心です。運動療法も有効です。2,3日の入院で行うことのできるカテーテル手術もありますので血管外科でご相談ください。

 素人ではどちらが原因かわからないという方も多いと思います。典型的な症状の方ばかりではなく、また両方の病気を併せ持っている方もあります。そのような場合どちらの科でも結構ですので一度受診してみてください。それぞれ専門の病気でなければ院内で適切に紹介して対応いたします。

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