認知症臨床研究・治験ネットワーク|国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
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国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
認知症臨床研究・治験ネットワーク
Clinical Reseach Network for Dementia

ご挨拶

 認知症の患者数は年々増加の一途をたどり、厚生労働省の発表によれば2015年までに345万人、2025年には470万人にも上ると推計されています。( 平成22年調査より )
 診断、治療からケアまで一貫した機能をもつ 『 認知症疾患医療センター 』 の整備が全国でも急がれる中、当センターは認知症の原因究明 ・ 治療法の開発などの基礎研究と並行して、現状でできるすべての叡智を認知症診療に生かし、『 一日でも長く、穏やかに在宅で暮す 』 ことを目標に掲げています。
 これを多職種協働で有機的に実現するための舞台として、2010年9月7日には国内最大、海外でも類をみない規模の 『 もの忘れセンター 』 を開設しました。 また、2011年4月1日には周辺症状および身体合併症に対応した病棟も併設し、愛知県内で初の 『 認知症疾患医療センター 』 に指定されました。 さらには、基礎的知見を治療方法などの開発に橋渡しするため、2011年5月20日には新たに第2研究棟を開設し、臨床研究体制の強化も図っています。
 しかしながら、認知症の治療満足度や薬剤の貢献度は他領域疾患に比べ低く、その治療法の早期確立は、患者本人のQOLのみならず、介護者のQOLにも大きく影響を与える課題です。
 本邦においては、治験のスピードが遅いことや、開発コストが高いことなどの問題から、これらを打破する一策としてすでに多くの機関により治験ネットワークが構築され、運用されています。 しかし、被験者確保が難しいことや診断法が未確立であること、さらに大規模データベースの不在、画像取得方法あるいは診断方法の統一的な見解の欠落など様々な理由から、認知症の臨床研究や治験が思うように進まないといった背景があります。
 当センターでは、これらの機能を補うような認知症に特化した臨床研究や治験のネットワークを構築 ・ 実用化することを目指して、長寿医療研究開発事業のもと、アルツハイマー病の早期診断法の確立を目的とした 『 SEAD-J 』 ※  や 『 J-COSMIC 』 ※  の実施や、『 J-ADNI 』 ※  と連携することで、アルツハイマー病の早期診断の科学的エビデンスを確立することに努力してまいりました。
 これらの経験や実績を生かし、認知症に特化した臨床研究 ・ 治験のネットワークを構築することで、本邦の認知症研究および治験に寄与していきたいと考えております。

( ※「実施中/過去の臨床研究・治験」のページを参照 )

理事長:荒井秀典

国立長寿医療研究センター全景・物忘れセンター