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近年、日本人の平均寿命は年々増加しており、厚生労動省によるとH20年の日本人の平均寿命は男性79.64歳、女性86.39歳で、日本は本格的な高齢社会に突入しています。 認知症の人も年々増加し、2025年には470万人にも上るといわれ、65歳以上の高齢者の 10人に1人が認知症と推計されています。
認知症は、脳が病的に障害されて発症し、その原因はさまざまですが、多くは脳の神経細胞が次第に壊されていくアルツハイマー病やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などです。 中でもアルツハイマー病は最も数が多く、150万人 ~ 180万人の人がいると言われています。
また脳梗塞や脳出血が原因で脳血管性認知症となる人も多くいます。 水常圧水頭症など、認知症症状が現れるものもあります。 これらは治療可能な認知症と呼ばれ、原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなります。 これらは認知症の全体の1割を占めていると言われています。
認知症の定義は、まず意識の障害がないこと、またほとんどの認知症で存在する記憶障害があること、さらに記憶障害以外の認知機能が1つ以上障害されているかということです。 記憶以外の認知機能障害は 『 時間や場所の感覚の障害 ( これを見当識障害と言います ) 』 、 『 計画的に段取りよく物事を進める力の障害 ( 実行 ・ 遂行障害と言います ) 』 、 『 判断力の障害、言語がうまく使えない ( 失語 ) 』 などです。 これらの障害は生まれつきのものではなく、いったん獲得した後に低下すること、脳の神経細胞が失われること、働きが低下することが基盤にあることが条件となります。 さらにこれらの障害によって社会生活や日常生活に支障をきたしていることが認知症の定義となります。
もの忘れは自然な老化によっても起こり、誰にでも起こりえます。 一方認知症のもの忘れは病気であり、単なるもの忘れではありません。
認知症の初期症状でもっとも多いのはもの忘れですが、意欲、自発性の低下 ( やる気がおこらない、これまでやっていたことをしなくなった、ものぐさになった ) や、うつ症状、言葉の障害、注意力低下、実行 ・ 遂行障害 ( 計画的に段取りよく物事を進められない ) など、こうした症状が認知症の初期に見られます。認知症のもの忘れは体験の全てを忘れてしまうのに対し、老化によるもの忘れは体験の一部を忘れているという点が異なります。
認知症によるもの忘れ | 老化によるもの忘れ |
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