
老化疫学研究部では、高齢者の心と体の自立を促進するための疫学研究として、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging: NILS-LSA)」を実施するとともに、国内外の研究機関と連携し、老化・老年病予防に資する多施設共同研究を行っています。
老化に関する長期縦断疫学研究は、同じ人を長期にわたって繰り返し調査をして、老化の過程や認知症、骨粗鬆症、老人性難聴などの老年病の発症の要因を明らかにするとともにその予防法を見つけ出すための研究です。医学・心理・運動・身体組成・栄養などの老化・老年病に関わる広い分野にわたって、様々な専門家が協力し詳細な調査データの収集および解析を行っております。「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging : NILS-LSA)」は 国立長寿医療研究センターで実施している老化の長期縦断疫学研究です。
NILS-LSAの対象者は国立長寿医療研究センターの近隣地域である愛知県大府市と東浦町の40歳から79歳の住民から無作為に選ばれた方々です。この地域は、都会と農村の両方の要素を持ち、また日本のほぼ中央にあって、特異な気候や文化、風土は少なく、この地域に住む方々のデータは日本全体の平均的データに近いと考えられます。調査は1997年11月より開始され、第1次調査から第7次調査では、センター内の調査施設で毎日7名の方々について朝から夕方まで、さまざまな調査を行って参りました。
2013年以降はそれまでの調査に参加くださった方を対象に追跡調査を実施しております。追跡調査では、郵送法を用いた「健康と日常生活の調査」(郵送調査1:2013年10月、郵送調査2:2017年10月、郵送調査3:2022年11月)と、施設招聘型の「脳とこころの健康調査」(第8次調査:2013年10月から2016年2月、第9次調査:2018年10月から2022年2月)を実施、2023年2月から第10次調査を開始しております。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

NILS-LSA第1次調査から第7次調査の変数一覧は、NILS-LSAデータカタログ(1782KB)
をご覧ください。これらの変数の性・年代別の記述統計量は老化疫学研究部ホームページ【公表データ】をご参照ください。
NILS-LSAの研究に多大なご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
NILS-LSAでは、1997年に調査を開始してから、皆様にご協力いただいた貴重なデータをもとに、書籍や論文、国内外での学会報告などこれまでに数多くの成果発表を行ってまいりました。業績また成果の一部は旧NILS-LSA活用研究室サイトの「すこやかな高齢期をめざして」でも紹介しています。ぜひご覧ください。
NILS-LSAでは現在、下記のような老化・老年病予防に資する研究を行っております。これらの研究は、関係する法令および指針(「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」など)を遵守し、法律で定められている正当な手続きを行い、承認された範囲で実施しております。また、個人情報は参加者の皆様に危険や不利益が一切及ばないよう、厳格に管理しております。
注)バイオバンク事業への同意を示された参加者の方のみ、が対象となります。
NILS-LSAのすべての研究は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会の承認を得て実施しております。
なお、NILS-LSAへの研究参加に同意された後、いつでもNILS-LSAへのご協力の意志を取り消すことができます。同意を取り消すことが、皆様の不利益になることはありません。取り消しのお申し出があった場合、調査データおよび試料は個人情報に留意した上で適切に破棄され、それ以降は研究に用いられることはございません。ただし、お申し出の時点ですでに論文などで公表された結果につきましては、対応できない場合もございます。同意の撤回、ご質問などございましたら、下記連絡先までご連絡ください。
「老化」を解明するためには長期間の継続した研究が必要です。NILS-LSAは、我が国における唯一の老化、長寿を専門とするナショナルセンターにおける研究プロジェクトとして、可能な限り長期間にわたって研究を続けていく予定です。
皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。
<連絡先>
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
ともに内線5466,5462(平日9-15時)
「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging : NILS-LSA)」は、地域の皆様および関係者のご理解・ご協力のもと、1997年以降、老化・老年病予防に関する研究を続けております。現在、NILS-LSAデータを活用してさらに多くの研究成果を発信し国民の健康増進に貢献できるよう、国立長寿医療研究センター内外の研究者の方を対象として、NILS-LSAデータを利用した共同研究への参加希望を募っております。
NILS-LSA データを使用するすべての研究は、対象者からの同意内容に基づき、老化・老年病の研究であること、NILS-LSA調査研究の一部として行う必要があります。
共同研究を希望される研究者の方のご所属により、所定の手続きが異なります。
また競争的研究資金の獲得を伴う共同研究の申請を希望される場合は、ご所属に関係なく、異なる手続きが必要となりますので、お早めにNILS-LSA事務局までご相談ください。
いずれの場合も、研究開始に先立ち、国立長寿医療研究センターNILS-LSA研究推進委員会および国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会の研究実施承認が必要となります。加えて、民間企業を含む一般の研究機関との共同研究・受託研究はそれぞれ審査委員会の承認が必要となります。
NILS-LSA第1次調査から第9次調査(郵送調査含む)の変数一覧は、NILS-LSAデータカタログ(1782KB)
をご覧ください。これらの変数の性・年代別の記述統計量は老化疫学研究部ホームページ【公表データ】をご参照ください。
データ利用を希望される場合、所定の手続きの詳細をあらかじめ把握されたい場合は、お気軽にNILS-LSA事務局へお問い合わせください。なお、その内容はNCGG内関係者およびNILS-LSA研究推進委員会にて情報共有する場合があります。また手続きはセンター規程に基づき改定する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
NILS-LSA事務局:nilslsa[at]ncgg.go.jp
メール送信時、[at]を@に変換してください
注)国立長寿医療研究センターに所属する研究者の方は、【国立長寿医療研究センターポータルサイト】にて以下をご覧下さい。
国立長寿医療研究センターポータルサイト > センタードキュメント > 研究所関係 > 老年学・社会科学研究センター > NILS-LSA事務局

当研究部で作成・管理するモノグラフ一覧です。モノグラフファイルは英文・和文の各目次ページからダウンロードできます。
See "NILS-LSA Monograph Download (English)" for downloadable monograph files.
| 英文 Engish | 和文 Japanese | |
|---|---|---|
| 第1次調査 | 〇 | - |
| 第2次調査 | 〇 | - |
| 第3次調査 | 〇 | - |
| 第4次調査 | 〇 | - |
| 第5次調査 | 〇 | 〇 |
| 第6次調査 | 〇 | 〇 |
| 第7次調査 | 〇 | 〇 |
| 英文 English | 和文 Japanese | |
|---|---|---|
| 第8次調査 "脳とこころの健康調査Ⅰ" | 〇 | 〇 |
| 第9次調査 "脳とこころの健康調査Ⅱ" | 〇 | 〇 |
| 第10次調査 | ongoing | 実施中 |
| 英文 English | 和文 Japanese | |
|---|---|---|
| 郵送調査1 (2013) | 〇 | 〇 |
| 郵送調査2 (2017) | 〇 | 〇 |
| 郵送調査3 (2022) | 〇 | 〇 |
当研究部で作成した「栄養補助食品成分表」、「NILS食品アミノ酸成分表」をダウンロードできます。

「長寿コホートの総合的研究(ILSA-J) 」では、わが国の代表的な老化に関するコホートのデータを統合し、高齢者の健康水準や老年病の発症率等について、長期的な推移とその背景要因を明らかにする研究を行っています。当研究部は、ひとつのコホート研究として参加するとともに、ILSA-Jの事務局機能を担っています。
ILSA-Jには、東京都健康長寿医療センター、東京大学、桜美林大学、大阪大学、筑波大学、鹿児島大学などが実施する15のコホート研究が参加しています。
電子化医療情報を活用した6NC疾患横断的コホート研究基盤整備に関する研究
6NC(国立高度専門医療研究センター)とは、6法人(国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立国際医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)の総称です。
メタボローム解析を用いた認知機能低下予測ツールの開発
Arterial stiffness・Arterial sclerosisと認知機能低下の関連
高齢者のパーソナリティ特性とフレイルの関連に関する縦断研究
潜在クラス軌跡解析による生活習慣パターンと認知機能との関連:地域在住高齢者を対象として
地域在住高齢者のパーソナリティと食品摂取との関連及び健康アウトカムへの経路の検討:
SONIC及びNILS-LSAの研究結果の比較から
地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究
身体機能は認知機能・生活機能をどのように予測するか
抑うつと脳局所容積との関連

日本人における食事パターンと生活機能に関する研究
医学・心理・運動・身体組成・栄養などの様々な専門家が協力し、老化・老年病に関する詳細な調査データの収集および解析を行っております。
(医学博士、専門:老化疫学・公衆衛生学・栄養疫学)
(心理学博士・公認心理師、専門:老年学、生涯発達心理学)
(心理学博士、専門:生涯発達心理学・死生学)
(医学博士、専門:栄養疫学)
(人間科学博士、専門:死生心理学)
(専門:保健学)業績は各年度ごとにまとめてあります。
NILS-LSAデータを活用した演題が、2025年11月1日から2日に開催された「第12回日本サルコペニア・フレイル学会大会
」にて最優秀ポスター賞を受賞しました。
地域在住高齢者における身体活動量と内在的能力向上との関連:8年間の縦断研究
立石麻奈(老化疫学研究部),西田裕紀子(老化疫学研究部),久保田彩(老化疫学研究部),丹下智香子(老化疫学研究部),張姝(老化疫学研究部),小坂井留美(北翔大学),下方浩史(名古屋学芸大学),安藤富士子(愛知淑徳大学),牧迫飛雄馬(鹿児島大学),大塚礼(老化疫学研究部)
本研究では、ベースライン時の身体活動量とその後の内在的能力改善との関連を検討し、中高強度身体活動時間と内在的能力改善との関連を明らかにしました(低強度身体活動量関連なし)。強度も考慮した身体活動の促進は内在的能力改善に寄与する可能性が示唆されました。
NILS-LSAデータを活用した2つの演題が、2025年10月17日から18日に開催された「11th Asian Conference for Frailty and Sarcopenia ( ACFS 2025 )
」にて「BEST POSTER AWARD」を受賞しました。
Dietary diversity and improvement for vitality impairment in intrinsic capacity among community-dwelling older Japanese adults.
Rei Otsuka, Yukiko Nishita, Mana Tateishi, Kanno Fujikawa, Shu Zhang, Chikako Tange, Sayaka Kubota, Hiroshi Shimokata, Kaori Kinoshita, Hyuma Makizako, Shosuke Satake, Hidenori Arai
Associations of Intra-Variability of Hand Grip Strength with Cognitive Function Among Middle-aged and Older Adults in the NILS-LSA Cohort
Hsi-Yu Lai, Shu Zhang, Pei-Lin Lee, Yukiko Nishita, Rei Otsuka, Fei-Yuan Hsiao, Liang-Kung Chen, Hidenori Arai
老化疫学研究部は、名古屋大学大学院医学系研究科との連携大学院制度に基づき、老化基礎科学連携講座に老化疫学分野を開設しました(2024年12月)。
当連携講座では「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging: NILS-LSA)」を運用するとともに、国内外の研究機関と連携し、老化・老年病予防に資する多施設共同研究を行っています。医学・心理・運動・身体組成・栄養などの様々な専門家が協力し合い、高齢者の心と体の自立を促進するための疫学研究を進めています。
当講座に興味のある学生さんを歓迎します。ただし当講座は、地域にお住まいの中年期から高齢期の方々を対象とする調査を実施しており、特に日本語以外を母国語とする学生さんは、コミュニケーションやデータ収集・整理のための高いレベルの日本語力(日本語能力試験N1相当)が必要です。このため、大学院進学希望者の方の面談は日本語で行います。また大学院では研究所での調査研究業務が主になりますので、疫学研究の基礎的な知識および経験(論文作成能力)が求められます。
詳細はお問い合わせください。
国立長寿医療研究センター 研究所 老化疫学研究部
老化疫学研究部長 大塚(名古屋大学大学院 連携教授(併任))
e-mail : epidemiology[at]ncgg.go.jp
※迷惑メール防止のため@を[at]で記載しております。@に変換して送付ください。
当研究部における2025年度ベーシックトレーニングは終了しました。次年度以降の講座については名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科公式サイトを参照ください。