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理事長からのごあいさつ

国立長寿医療研究センターは、2015年4月より国立研究開発法人として新たにスタートしました。本邦は、高齢化率はすでに25%を越え、人類は誰も経験したことがない超高齢社会という連峰のベースキャンプにたどり着いた状態です。 国民皆保険、介護保険制度という十分な装備をもってしても、この連峰を楽に踏破できるとはだれも考えていないでしょう。

超高齢社会とは(1)認知症の激増(2)生活機能障害と病気をあわせもつ高齢者の増加(3)多死の時代に代表される現象が同時に訪れることです。

認知症は予備軍を含め、すでに800万人にのぼります。当センターでは運動と知的刺激の認知症予防効果を実証しましたが、少しでも発症を先送りできる、運動や生活習慣病の管理を、「メタボ対策」が血管病変の予防であるように、記憶や判断力の低下予防として、国家的に戦略的に取り組む必要があり、それには、予備軍への科学的なトライアルが複数のコホートで証明されなければならないと思います。より効果的な認知症治療薬の開発も認知症先進医療開発センターが主導し、本邦の複数医療機関と共同で創薬に近づいています。

認知症にだけはなりたくない人は、医療、介護の進歩で減少してはきていますが、まだまだ不安は根強いことも事実です。世界最大規模の「もの忘れセンター」の大規模データは、バイオバンクに蓄積され、診断、予防、治療、ケア手法との共同研究の門戸を常に開いています。国レベルの認知症医療の今後の方向性(新オレンジプラン)に肉付けして、少しでも安心感を与える使命に応えていきたいと思います。

障害をもった高齢者が病気になったり、病気をきっかけに日常生活が不自由になることは85歳以上では、むしろ普通のことです。急性期の一臓器疾患の回復で満足せず、生活機能の回復と在宅での穏やかな生活を目標に、老年医学の粋を集めた医療を行います。これらを介護と連携してみるために、地域包括ケアと在宅医療の一層の普及につとめ、本邦ではまだまだ医療現場で遅れている介護ロボットや支援機器の開発にも取り組んでいきます。

多死の時代は誰もが死を日頃からよく話し合っている時代でしょうか?調査によればそうではなく、そのためエンドオブライフの意思決定も患者、家族が一致した方針を出すのは容易ではない状況です。

医療スタッフには峻峰を上手に登り、健康だけでなく、峠の先のエンドオブライフにも優しく目配り出来るように教育していますが、国民誰もが「認知症、障がい者、エンドオブライフ」を他人事でなく、イマジネーションを膨らませることができる超高齢社会になるよう、国民の皆様の厳しい指導と励ましをいただき、「高齢者の体と心の自立をはかり国民の医療福祉に貢献する」といった当センターの理念の実現にご支援いただきますようお願い申し上げます。

 

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
理事長 鳥羽 研二

国立長寿医療研究センター

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