国立長寿医療研究センターは、長寿医療に関する診療・研究体制の整備を目的に、平成16年3月に国立高度専門医療研究センターとして開設いたしました。
高齢者にふさわしい医療とは何か、そして長生きをしてよかったと言える社会とはどんな社会なのか、これらを実現するための対策はどんなものか、当センタ一は 病院と研究所が一体となって追求しています。
研究においては、皆さまからご提供いただいた血液や組織を保存し、認知症などに対する新しい診断法や治療法をみつける研究をしています。できるだけ多くの情報を収集し分析することが、病気の原因解明、新たな治療法、治療薬開発(創薬)につながります。
皆さまのご協力なくしては、これからの新しい医療を開発することはできません。
当センターの使命をご理解の上、本事業にご協力いただきますようお願い申し上げます。
新しい薬が世に出るためには、厚生労働省から薬の使用についての承認を得る必要があります。そのためには、薬の効果と安全性を確かめる試験をすることが義務づけられています。健康な人や患者さんで実施する試験を「治験」といいます。治験には次の3つの段階があります。
健康な人または患者さんを対象にして、「どのような副作用がどのくらい起こるのか(安全性)」「どのくらいからだの中に吸収され、どのくらいの時間でからだから出て行くのか(薬物動態)」などを調べます。
患者さんを対象にして、「本当に病気に対する効果があるのか」、「どの程度の量やどのような使い方をすればよいか」などを調べます。
「標準的なくすりと比較して効果や安全性が優れているか」などを調べます。
このような薬の開発段階は、現在一般に使われているすべての薬に共通して行われてきた大切な手順です。それぞれの試験で集められた結果(データ)はすべてまとめられ、最終的には厚生労働省が薬として認可するかどうかを判断するための資料となります。
「治験」には研究的な側面があり、国の法律や国の基準に沿って行われることが義務づけられています。現在使われている薬はすべて、過去において患者さんが治験に協力されたことによって生まれたものです。これまでの薬よりも効果のある薬や、副作用の少ない薬など、患者さんに役立つ薬を開発することは、世の中の病気に悩む人にとって望まれています。
治験にご協力していただくことは、同じ病気を持って苦しんでいるたくさんの患者さんを助けることにもつながります。