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けっして難しくない酸素療法 第2回

第1回の前回のBlogでは、酸素流量計の種類について書きました。今回はその酸素流量計を⽤いて実施する「酸素療法」の種類について書いてみたいと思います。まず酸素療法には⼤きく分けて2つの⽅法があります。というか2つしか種類はありません・・・。使⽤する物品が多いため複雑に考えてしまいがちですが、実は2つしかないのです。ここで前回の内容を思い出してみると・・・あれっ︖ 酸素流量計も確か2種類。ということは、この2つしかない酸素療法に合わせて2種類の酸素流量計を使い分ければよいってことです。 じゃあその2種類の酸素療法っていったい何︖︖

それはこの2つです。「低流量システム」 と「⾼流量システム」

なんとなくですが「少しだけ酸素を流すシステム」と「たくさんの酸素を流すシステム」と言い換える事が出来そうです。おおまかに言えばそれで正解ですが、厳密にいうとそうではない場合もあります。ただ、今はそこまで理解する必要はありませんのご安心ください。そしてさらにこの2種類をかみ砕いてみると、「少しだけ酸素を流すシステム」については少量だけ酸素を流せばよいのだから酸素を流す力自体はそんなに必要は無さそう。逆に「たくさんの酸素を流すシステム」については、それなりに強い力が必要そうです。はい、前回の内容と今回の内容を組み合わせるともうお分かりだと思います。

いかがですか?たったこれだけの種類しかないんです。けっして難しくないですね。ではこれら2つの酸素療法の差が臨床の場で与える影響を考えてみると・・・。細かい数字は抜きにしてまずはこれだけ覚えてください。

当然といえば当然なのですが、一回で吸い込む量(一回換気量)が、流れてくる酸素の量だけでまかなえない場合は足りない分は”別の所”から補充する必要があります。この”別の所”とは大気という事になります。大気とは21%の酸素濃度の空気です。すなわち一回換気量が変動すると、その都度足りない量が変わる事で補充される21%酸素の割合が変化し、結果的に吸い込む酸素濃度が変化するのが「低流量システム」という事です。逆に「高流量システム」はもともと”別の所”から補充する必要がないほどたくさんの量の規定濃度の酸素が口元に流れてくるため、一回換気量が変化しようが目の前にある量だけでまかなえるため吸い込む酸素濃度は変化しないという事です。

いつも私は勉強会等で講義を行う時、流しそうめんにたとえてお話をさせて頂きます。自分が食べたいと思った時に、常に満足できる一回量のそうめんが目の前にあるのがいわゆる高流量システム。反対に一回で食べたい量が目の前になく、そうめんだけではおなかを満たすことが出来ないため、その欲求を満たすためにそうめんと併せてお水も一緒にすくっておなかに入れるのが低流量システム。どうでしょう。なんとなくイメージは沸きますかね・・・。

大気圧式と恒圧式の特徴と呼吸への影響について

酸素療法の2種類とはこれだけの違いです・・・。ただし、間違ったセッティングではこの条件が満たされない場合もあるので注意が必要です。 このあたりの説明は話が進むにつれて出てきます。 下手な説明でこれだけではあまりイメージが沸かないという⽅・・・。⼤丈夫です。すぐにわかるようになります︕︕

次回からはそれぞれの酸素療法について少しずつ理解を深めていきたいと思います。お付き合い頂けますと幸いです。

 

 

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