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FLSチーム

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FLSチーム

医療介護の専門職間で高齢者の情報を共有し、骨折・二次性骨折を予防する事業を開始しました

2023年11月27日更新

​愛知県が進めるスマートシティモデル事業に令和5年8月7日に大府市が選定されました。

国立長寿医療研究センターは、株式会社インターネットイニシアティブと共同で、「おぶちゃん連絡帳※1(電子@連絡帳)を活用した市民と医療介護専門職間の骨折・二次性骨折予防」事業を開始します。

運動機能の低下による骨折や、一度骨折された方の二次性骨折により、要介護・要支援認定を受ける高齢者の数が増加傾向にあります。医療介護専門職の情報連携ツールのおぶちゃん連絡帳を利用して、「骨折・二次性骨折予防(FLS※2)」を地域の医療介護専門職と情報共有・連携し、市民の継続的な骨折予防の治療につなげます。

 

おぶちゃん連絡帳を活用した市民の健康長寿への取り組みの概要

対象

運動機能の低下・加齢による筋肉量が低下している高齢者のうち、国立長寿医療研究センターで大腿骨近位部骨折の治療を受け、退院した患者の約50人

実施体制

大府市・国立長寿医療研究センター・株式会社インターネットイニシアティブ

期間

令和6年3月22日(金曜日)まで

内容

医療介護専門職の情報連携ツールである「おぶちゃん連絡帳」により、急性期病院(国立長寿医療研究センター)と地域の医療介護専門職が患者の退院情報・治療経過の情報を共有する。また、おぶちゃん連絡帳の「ここのーと※3」機能を活用することで、患者本人や家族が生活環境の情報を医療介護専門職に提供することができるため、切れ目のないケアを提供し、二次性骨折予防に取り組む。

 

 

事業イメージ図

デジタル技術を利用して多職種連携を構築します

「ここのーと」連携イメージ図

ここのーととおぶちゃん連絡帳を連携してくらしの記録を共有します

参考資料

 

骨折予防 FLSチームのご紹介

2023年2月22日更新

FLSとは

脆弱性骨折は骨の強度が低下し、わずかな外力で生じる骨折であり、高齢者の生活機能を一瞬にして奪い、生命予後の悪化をもたらす重大な疾患です。一度脆弱性骨折を起こした患者の二次骨折リスクは極めて高くなるため、骨折治療を受けた患者さんに再発する骨折を未然に防ぐことは本人のみならず、ご家族、地域社会、さらには医療経済の面からも極めて重要なことです。

骨折リエゾンサービス(FLS : Fracture Liaison Service)は、脆弱性骨折患者に対する骨粗鬆症治療開始率および治療継続率を上げるとともに、リハビリテーションの視点から転倒予防の実践により二次骨折を防ぎ、骨折の連鎖を絶つことを使命としています。

骨粗鬆症による脆弱性骨折防止のための取り組みとして骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS : Osteoporosis Liaison Service)が展開されていますが、特に脆弱性骨折患者における二次骨折予防に対しては重点的な対策が必要です。

そこで、一般社団法人日本骨粗鬆症学会(JOS)ならびにNPO 法人日本脆弱性骨折ネットワーク(FFN-Japan)は、日本における二次骨折予防の普及に向けて、各医療機関における脆弱性骨折患者に対する FLS の提供経験と海外からの報告および臨床ガイドラインを参考に、エビデンスに基づいたスタンダードを作成しました。

当センターではFLSクリニカルスタンダードに則って、骨折予防FLSチームを立ち上げました。

FLSのチームメンバー

FLS のチームメンバーは、整形外科医師、老年内科医師、リハビリテーション科医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーなどです。

対外的には地域連携室に骨折予防FLS事務局を置き、地域連携に努めます。

対象の患者さん

対象の患者さんは50歳以上のすべての種類の脆弱性骨折を起こした患者さんですが、当面は大腿骨近位部骨折の患者さんを最優先とします。

対象の患者さんは電子カルテの台帳入力システムを用いてリスト化し、電子カルテによる患者さんの情報を共有し、データベースの構築を、テンプレートを用いて行っています。

二次骨折リスクを確実に評価します

画像診断(胸腰椎単純X線、骨密度検査(全身DXA法))、続発性骨粗鬆症との鑑別診断(一般血液生化学、Ca、P、25水酸化ビタミンDなど)を行い、必要に応じて専門医との連携を行います。

認知機能評価についても入院中に評価しています。(AMTS, MMSE)

サルコペニア評価はリハビリでの運動機能評価と、全身DXA法による筋量評価にて行います。

骨粗鬆症治療対象患者には投薬を含む治療介入を行います

二次骨折リスクの評価終了後すぐに「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版」を中心に、骨折予防に対してエビデンスをもつ薬物治療と転倒予防を基本的介入として行います。

当センターでは、二次骨折予防のマニュアルを作成し、それに準じて治療方針を決定しています。

患者さんが治療を継続し治療効果を評価するためにフォローアップしていきます

半年後、1年後の患者さんの状態をしっかりと把握させてもらうために骨折予防外来での受診をおすすめします。

長期治療計画には、薬物治療、転倒発生の有無、二次骨折状況、日常活動、生存状況を含めます。

要介護度については参考にします。

脆弱性骨折に関する病識と治療の重要性に対する認識を高めます

医療から介護まで、脆弱性骨折にかかわるすべての職種および患者さんとご家族に対して骨粗鬆症に対する知識の共有と FLS の意義について啓発します。

患者さんに対しては骨粗鬆症の病態と骨折の関連性、骨粗鬆症薬物治療の重要性を指導し、転倒予防と栄養改善の指導を行います。

骨折の連鎖によって重大な機能障害がもたらされる可能性を強調します。

多職種協働を学ぶ連携教育や地域行政機関への啓発活動を行っていきます。

※本ページの内容は、F L Sクリニカルスタンダードを参考に作成しました。

お問い合わせ先

FLS事務局

TEL:0562-46-2311(代表)

山田小桜里

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