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ホーム > 病院 > 感覚器センター > ニュース&トピックス > 「水疱性角膜症」の新しい治療法である培養ヒト角膜内皮細胞注入療法(ネルテペンドセル)を国立長寿医療研究センター眼科で実施いたします
新しい再生医療等製品を用いた水疱性角膜症の治療法である培養ヒト角膜内皮細胞注入療法ネルテペンドセルが承認(承認2023年3月17日)され2024年9月1日に保険収載されました。当院は臨床治験時より開発に協力してまいりましたが、この再生医療等製品を安全・適正に使用できるよう準備を進め、本年度の治療を8月から実施しています。
目の表面は「角膜」と呼ばれる透明な膜でおおわれています。この角膜がむくんで水ぶくれのような状態になり、視力が低下したり、目が痛んだりする病気を「水疱性角膜症(すいほうせい かくまくしょう)」といいます。この病気は、白内障手術のあとや、角膜内皮という細胞が少なくなることで起こります。進行すると目のかすみやまぶしさ、痛みなどのつらい症状が続き、日常生活にも支障をきたすことがあります。
これまでの視力改善の治療法は、角膜内皮移植や全層角膜移植がありました。
これに比べてネルテペンドセルは、角膜のむくみを改善するために必要な角膜内皮細胞を培養して増やした細胞を補うことにより機能の回復を目指す製品でより低リスクな治療法となります。
昨年度から保険診療として承認されております。
水疱性角膜症と診断され治療が必要な方、治療の適応や詳しく話を聞いてみたい方は眼科を受診してご相談ください。
対象:水疱性角膜症や移植後機能不全による視力低下のある方
感覚器センターの初診外来を予約・受診していただきます(紹介状・診療情報提供書を持参していただくことをお勧めします)。
手術適応に一致するか視力や角膜の状態を検査させていただきます。術後に3時間うつむき姿勢が取れる必要があります。
手術は局所麻酔で実施します。術後に細胞接着のため3時間うつむき姿勢を取ります。約1~2週間の入院治療を行い、約1~2か月で視力回復が得られます。

手術は保険診療として算定いたします。高額医療(注1)の対象になります。
注1:対象者の診療行為や所得によって負担上限額が変わりますのでご注意ください。
お問い合わせは眼科外来までお願いいたします。
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