病院レター第117号 2025年7月1日
放射線診療部長 加藤隆司
日頃は、地域医療連携を通じて画像診断検査のご依頼を頂戴しており、ありがとうございます。国立長寿医療研究センターの放射線診療部は、充実した画像機器を活用して、病病連携・病診連携をさらに推進して参ります。
放射線診療部では、地域医療連携で、次の検査をお引き受けしております。
(1)単純CT、(2)単純MRI、(3)アイソトープ検査(SPECT-CT)、(4)PET-CT検査(FDG、アミロイド)、(5)骨密度検査(DXA)です。
これらの検査を、下記のラインナップの機器で実施しています。
X線CTは2台あり、そのうちの1台は320列の検出器を搭載したAquilion ONE(キャノンメディカル社製)です。寝台を移動させることなく一つの臓器の全体をカバーする画像データを収集可能です。短時間の検査で、高齢者にとっては身体の負担が少なく済みます。
MRIは、静磁場強度が3TのMAGNETOM Skyra (シーメンス社製)と、1.5TのIngenia Ambition(フィリップス社製)の2台体制です。最新の撮像技術を使って、撮像時間を短縮するとともに画質の向上をはかっています。
撮影装置は、SPECT-CT(シーメンス社製)です。CTとの重ね合わせ画像を得られ、骨シンチなどで、集積部位の解剖学的同定と病変の評価に威力を発揮しています。ご依頼上の注意事項がありますので、初めてご依頼いただく場合は、地域医療連携室に前もってご相談ください。
新しい半導体検出器のPET-CT(シーメンス社製)で検査を行っています。従来の装置と比較して、高分解能かつ高感度で、癌の診断(右上図)や脳内アミロイドの診断(右下図(アミロイドPETの左が陽性像(皮質に集積が見られる)、右が陰性像(集積があるのは白質だけ))で病変の評価がより容易になりました。アルツハイマー病のアミロイド抗体薬治療の適応を判断する必要がある場合、是非ご依頼ください。ご依頼上の注意事項がありますので、初めてご依頼いただく場合は、地域医療連携室に前もってご相談ください。
DEXA法とは、Dual Energy X-ray Absorptiometry の略で、2種のエネルギーの異なるX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差で骨密度を測定します。骨粗鬆症の評価には、欠かせない検査です。
画像検査は、どんどん発展して検査の領域を拡大しています。今ではこんな検査が出来ると聞いているが、はたして連携で引き受けてもらえるんだろうか?とお思いになることがあると思います。その場合は、地域医療連携室を通じてご相談ください。
長寿医療研究センター病院レター第117号をお届けいたします。
今回は当センターの放射線診療部の活動について執筆していただきました。
部長である加藤先生が紹介しているように、当センターには、CT、MRI、SPECT-CT などを始めとする先進的医療機器が導入されており、精度の高い検査を行うことができます。また、PET-CT 検査は、がんの診断以外にも、アルツハイマー病に対するアミロイド抗体薬の投与の適応を判断する際にも極めて有用ですので是非ご利用ください。放射線診断専門医が作成した画像診断報告書を撮影した画像とともに提供させていただきます。
ご予約方法など詳細に関しましては、レター最後にある地域医療連携室のホームページのリンクをご参照ください。
病院長 松浦俊博