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加齢に伴うフレイル患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験(医師主導治験)を実施

2022年1月7日

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典、以下「国立長寿医療研究センター」)は、米国企業Longeveron Inc(CEO:Geoff Green、以下「Longeveron社」)との、加齢に伴うフレイル患者(以下、「フレイル高齢者」)を対象とした治験製品「LMSC」(Longeveron社の製品)の安全性と有効性を検討する国内第Ⅱ相臨床試験(医師主導治験)(以下、「本試験」)に関する支援契約を締結したことを発表しました。治験実施医療機関は、国立長寿医療研究センター、順天堂大学医学部附属順天堂医院(院長:髙橋和久、以下「順天堂医院」)、順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター(院長:宮嶋雅一、以下「順天堂東京江東高齢者医療センター」)を予定しています。本試験は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験届を提出し、所定の調査が終了しています。

本試験の目的

日本は、2021年に65歳以上の高齢者が人口の約29.1%、約3,640万人に達しており、フレイル高齢者は人口の7.9%と推定されています。フレイル高齢者には、確立された治療法・治療薬は存在せず、フレイル高齢者を専門に扱う外来等では、栄養・運動療法を中心とした介入が行われています。 LMSCはヒト(同種)由来間葉系幹細胞からなる再生医療等製品であり、フレイル高齢者を対象に開発を進めています。Longeveron社が米国で実施したフレイル高齢者を対象とした米国第Ⅱb相臨床試験では、LMSCの投与により、運動能力の低いフレイル高齢者において、投与後270日目の歩行距離が統計学的に有意に改善されたという結果が示されました。Longeveron社からLMSCの提供を受け、国立長寿医療研究センター、順天堂医院及び順天堂東京江東高齢者医療センターは、日本において本試験を実施し、LMSC投与による高齢者の身体機能の改善を目指します。

本試験の概要

本試験は、フレイル高齢者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。45名の被験者を3つのグループに分け(1群15例)、LMSC 5千万個、LMSC 1億個、またはプラセボを無作為に割付け、末梢静脈内に単回投与します。本試験では、安全性の評価、身体機能や日常生活活動の改善、血中の炎症関連バイオマーカー(サイトカインなど)、その他のエンドポイントに対するLMSCの効果を評価していきます。

参考

 順天堂医院概要

 順天堂医院について

順天堂医院は、高度な医療の提供と医療技術開発および研修を実施する能力を有する特定機能病院として厚生労働省より承認されており、医薬品、医療機器の開発とともに先進的な高度急性期、急性期医療を担っています。また、2020年には臨床研究中核病院に承認され、革新的医薬品、医療機器及び医療技術の開発等に必要となる質の高い臨床研究や治験を推し進めています。

 順天堂東京江東高齢者医療センター概要

 順天堂東京江東高齢者医療センターについて

2002(平成14)年に、超高齢社会への備えとして東京都が計画・開設した東京都江東高齢者医療センターの運営を順天堂が受託し、2004年、順天堂大学医学部5番目の附属病院として自主運営に移行し、現在に至っています。地域医療への貢献および高齢者医療を重点的に行うことを目標とし、中でも認知症病床数は東京都全体の4分の1を占め、認知症疾患への臨床・研究・教育を行うことが大きな使命の一つとなっています。日本の高齢化、社会構造の変化によって生じる問題にも対応し、老人医療や在宅医療などの新たなニーズにも応えています。

 Longeveron社概要

Longeveron社について

Longeveron社は、特定の老化現象や生命を脅かす症状に対する細胞療法を開発しているバイオテクノロジー企業です。主力製品はLMSC細胞療法製品で、若くて健康な成人のドナーの骨髄から採取した培養済みの薬効のあるシグナル伝達細胞に由来しています。Longeveron社の使命は、LMSCおよびその他の細胞ベースの製品候補を重要な第Ⅲ相試験に進めることであり、規制当局からの承認、その後の商業化、および医療関係者による広範な使用を目標としています。

お問い合わせ先

国立長寿医療研究センター 企画戦略課 小野

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

TEL:0562-46-2311(代表)

E-mail:kono-21@ncgg.go.jp

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