2021年3月15日
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
新型コロナウイルス感染症がライフスタイルへの介入を行う認知症予防研究に及ぼす影響と対策 (World-Wide FINGERSネットワークからの提言) |
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典、以下「国立長寿医療研究センター」)は、「Alzheimer‘s & Dementia:Translational Research & Clinical Interventions」誌に、新型コロナウイルスへの対策期間中における臨床研究のデザインと管理(特に、認知症リスクを持つ人を対象にした、ライフスタイルへの介入を行う認知症予防研究)について発表いたしました。
論文リンクhttps://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/trc2.12143
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、多くの国で旅行や移動の制限、ソーシャルディスタンスを保つといった対策が行われています。しかし、感染拡大防止や関連する対策は、COVID-19のみならず、認知症などの世界の公衆衛生上の緊急事態に対する治療・予防のための研究開発に大きな影響を及ぼしています。
World-Wide FINGERSネットワーク(WW-FINGERS)は、ライフスタイルの改善を中心として認知症のリスクを低減させる臨床研究のグローバル・ネットワークであり、世界で30か国以上が参加しています。また、WW-FINGERSはCOVID-19流行時における研究の課題を話し合う共有スペースを提供しています。本論文では、COVID-19流行時における臨床試験の課題と教訓を共有し、他の臨床研究に適用することで、ライフスタイルに基づく認知症予防の方策を向上させることを目標としています。日本のJ-MINT研究、アメリカのUS-POINTER研究、ドイツのAgeWell.de研究での経験が紹介されました。