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平成31年度「認知症対策官民イノベーション実証基盤整備事業」における「認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較試験」の実施

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター、SOMPOホールディングス株式会社のロゴマーク

2019年9月2日
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
SOMPOホールディングス株式会社

 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(以下、「国立長寿医療研究センター」)は、このたび、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」)が行う「平成31年(令和元年)度 認知症対策官民イノベーション実証基盤整備事業」に係る公募において採択され、AMEDとの間で委託研究開発契約を締結いたしました。AMEDの支援を受け、「認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較試験」(以下、「本研究」)を実施してまいります。

 SOMPOホールディングス株式会社(以下、「SOMPOホールディングス」)は、本研究において将来的な社会実装を視野においた介入法の確立を目指すために、分担機関として本研究に参画いたしました。SOMPOホールディングスは、運動・栄養指導・認知機能訓練の分野においてサービスを展開する、コナミスポーツ株式会社、SOMPOヘルスサポート株式会社、ネスレ日本株式会社と連携し、多因子の複合的認知症予防プログラム(生活習慣病管理、運動、栄養、認知機能訓練の複合的な介入)による認知機能低下の抑制に対する有効性を検証することを目指します。

1.背景

 認知症対策として、認知機能低下の抑制や認知症を有する人の生活支援・社会受容を可能にする介入に対する社会的ニーズが高まっています。2019年6月18日に取りまとめられた「認知症施策推進大綱」には、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくことが掲げられています。「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味での予防の取組みにおいて、認知症の早期発見・早期対応法の確立、予防法の開発が喫緊の課題となっています。

2.目的

 本研究では、介入開始時において認知症発症リスクの高い高齢者の方々を対象として、生活習慣病管理、運動・栄養介入、認知機能訓練を複合的に実施する認知症予防プログラムによる認知機能低下の抑制に対する有効性を、ランダム化比較試験※1で検証することを目指します。

 3年間の本研究期間中に、認知症予防プログラムの認知機能低下抑制効果を明らかにするとともに、研究機関と民間企業とが連携して研究を実施することで、将来の社会実装を見据えた認知症予防サービスの仕組み構築を視野に取り組んでまいります。また、バイオマーカー※2、オミックス解析※3や脳画像解析※4を実施することで認知機能低下抑制のメカニズムに迫ることを目指します。

3.研究の概要

 本研究全体の統括は代表機関である国立長寿医療研究センターが行い、認知症ハイリスク高齢者を対象として、生活習慣病管理、運動・栄養介入、認知機能訓練の複合的な多因子介入実施 (オープンラベルランダム化比較試験※5) により、介入開始後18ヵ月までの認知障害の進行が抑制されるかを検証します。対象者のリクルートは、国立長寿医療研究センター、名古屋大学、藤田医科大学、名古屋市立大学で行います。

 研究計画書に基づき開発されたプログラムにおいては、運動指導・栄養指導・認知機能訓練が実施されます。これら介入プログラムおよびアプローチの全体は、研究期間を通じてSOMPOホールディングスグループが統括します。運動指導はコナミスポーツが担当し、フレイルと認知機能低下の予防を目的とした施設での運動指導プログラムを提供します。栄養指導はSOMPOヘルスサポートが担当し、健康相談員によるフレイルと認知機能低下の予防を目的とした栄養指導を実施します。認知機能訓練はネスレ日本が担当し、自宅で実施可能なタブレットによる認知機能訓練を提供します。

4.今後の展望

 本研究の成果は、日本の認知症発症リスクの減少に向けたエビデンスベースのアプローチの第一歩となるものです。本研究を通じて、認知症施策推進大綱に掲げられた「認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望をもって日常生活を過ごせる社会」の実現を目指してまいります。

以上

再委託研究開発契約書調印式の様子

再委託研究開発契約書調印式の写真

(左)国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典

(右)SOMPOホールディングス株式会社 グループCEO取締役代表執行役社長 櫻田謙悟

参考

■国立長寿医療研究センターの概要

国立長寿医療研究センターは、国の医療政策と一体となって国民の健康を守るため、2004 年に設立された国立高度専門医療研究センターで、日本における認知症その他の長寿医療の研究および治療機関です。「オレンジレジストリ」(認知症情報登録制度)の構築、認知症予防コグニサイズの開発など認知症研究において主導的な役割を果たしています。

■SOMPOホールディングスの概要

SOMPOホールディングスは、1888 年創業の損害保険ジャパン日本興亜株式会社や1981 年設立の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社等の保険事業を中核とし、介護事業などに事業領域を拡大しています。お客さまの幸せな人生をサポートする「安心・安全・健康のテーマパーク」を構築し、認知症に関する社会的課題の解決に貢献するため、2017 年9 月には国立長寿医療研究センターと包括連携協定を締結、そのアドバイスを活かし、2018年10月には、グループ横断で「認知症に備える・なってもその人らしく生きられる社会」を目指す「SOMPO認知症サポートプログラム」を立ち上げ、展開しています。

■コナミスポーツの概要

コナミスポーツは、長年培った健康指導のノウハウをもとに、これまでシニア向けサービスを数多く開発、提供しています。特に、経済産業省と厚生労働省、農林水産省が連名で策定した「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集」(保険外サービス活用ガイドブック)で先進事例として紹介されたシニア向け運動スクール「OyZ(オイズ)」は、国立長寿医療研究センターの協力を得て、開発したプログラムです。理学療法士やフィットネストレーナーが監修した安全で効果的なプログラムとなっており、受講者の方からも好評を得ています。また、2018年2月には、愛知県豊明市と、高齢者の健康寿命延伸および生活支援等の公的保険外サービスの創出、促進に関する協定を締結し、ロコモティブシンドロームを予防する運動プログラム「ロコモ・フィット」、「ロコモ・コア」などの紹介、提供を通じて、地域の皆さまの健康づくりをサポートしています。

■ネスレ日本の概要

ネスレは、スイスに本社を置く世界最大の総合食品飲料企業です。「生活の質を高め、さらに健康的な未来づくりに貢献します」を存在意義とし、持続的で責任ある方法によって、栄養、健康、ウェルネスを促進することに専心しています。ネスレ日本は、少子高齢化が進む成熟先進国の日本市場で、製品やサービスを通じて日本社会が抱えるさまざまな問題の解決に取り組んでおり、2017年からは、日本の高齢化社会が抱える「健康寿命」の課題解決を目指して、一人ひとりに最適な健康づくりを支援するサービス「ネスレ ウェルネス アンバサダー」を展開しています。

今回の「認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較試験」で使用する『ブレインHQ』は「ネスレ ウェルネス アンバサダー」プログラムで提供する脳のトレーニングシステムです。100 人以上のトップクラスの科学者やその他の脳に関する専門家達からなる国際的な研究チームによって作られテストされ、70 以上の論文によってその有効性が証明されたプログラムです。

■SOMPOヘルスサポートの概要

生活習慣改善支援、健康情報提供、メンタルヘルス対策などの「こころと身体」両面でのヘルスケアサービスを通じて、お客さまの「安心・安全・健康」への取組みを支援しています。生活習慣病を予防する特定保健指導事業では日本全国 1,550 名の専門職ネットワークを有し、1 年間に健康保険組合など 550 団体15 万人に指導する「保健指導の実績 No.1 企業」です。

認知症リスクは生活習慣病により高まることが分かっており、これまで培ってきた人財・ノウハウをもとに認知症予防のための生活習慣改善支援事業への取組みを進めています。

お問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
総務課 担当 山田

TEL.0562-46-2311 FAX.0562-48-2373 E-mail:tayamada@ncgg.go.jp

SOMPOホールディングス株式会社
広報部 担当 白木

TEL.03-3349-3725 FAX.03-3349-4681 E-mai:MShiraki1@sjnk.co.jp
シニアマーケット事業部 担当 金子
TEL.03-6712-1177 FAX.03-3474-0877 E-mail:yukino.kaneko@sompo-hd.com

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