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No.39 若い時のやせと中年太りは内臓脂肪のもと

若い頃のご自身の体型を思い出してみてください。今よりも、やせていましたか? 最近の研究で、18歳の時にやせていた人は、中年太りしやすく、また、内臓脂肪がたまりやすいことが分かりました。概要をご紹介します。

NILS-LSAに参加された549名の男性(42~64歳)のデータ※を用いて、18歳の時の体格と、現在の体格や脂肪面積との関連について検討しました。「現在の体重-18歳の時の体重(現在の体重と18歳の体重の差)」を「18歳から現在までの体重変化量(以下、体重変化量と表記します)」としました。また、体格を表すBody Mass Index(BMI:体重÷身長÷身長)の計算式を用いて、「18歳時のBMI」を算出しました。

 ※今回の解析は、18歳時の体重を質問項目に含めた第1次調査と、現在の体格や脂肪量を詳細に調べている第2次調査の両方に参加された男性を対象としました。

まず、18歳の時の体重と体重変化量との関連を分析した結果、負の相関関係がありました。すなわち、18歳の時に体重が軽かった人ほど、18歳から現在までの体重変化量が多く、逆に、18歳の時に体重が重かった人ほど、18歳から現在までの体重変化量が少ないことが分かりました。

より具体的に検討するために、18歳時のBMIの中央値を用いて「18歳時やせ群(BMI20.14未満)」と「18歳時非やせ群(BMI20.14以上)」の2群に分類し、18歳から現在までの体重変化量を比較しました。体重変化量の平均は、18歳時やせ群では10.8kg、18歳時非やせ群では5.8kgで、18歳時やせ群の方の体重が約2倍増加していました。別の言い方をすると、18歳時やせ群の約半数が、18歳から現在までの間に体重が10kg以上増加した、となります。一方、18歳時非やせ群では、2割の人が体重減少を示し、5割の人の体重増加量が10kg以内におさまっていました。

※日本肥満学会が提唱するやせの基準はBMI18.5未満で、日本人食事摂取基準(2015年版)における18歳時の目標BMI値は18.5~24.9とされています(詳細はNo.36低栄養を回避する(1)をご参照ください)が、今回の解析では便宜上、やせの基準として、解析データの中央値(データを小さい順に並べたときに中央に位置する値)を用いました。

 

では、若い頃の体格は、40代以降の脂肪のつき方とどのように関連するでしょうか?

若い頃の体格と現在の体重及び内蔵脂肪面積との関連を検討すると、興味深いことが分かりました。18歳時やせ群では、18歳時非やせ群よりも、体重が1kg増加した場合の内臓脂肪面積の増え方が大きかったのです。つまり、体重が同じだけ増加したとしても、18歳時にやせていた人の方が内臓脂肪が多くたまる、ということです。

図:体重が1kg増加したと仮定した場合の内臓脂肪面積の増加

脂肪細胞の数は胎児期と乳児期、そして思春期に集中して増えると言われています。18歳の時にやせていた人では、脂肪細胞の数が少ないため、中年太りにより増えた脂肪を皮下にためきることができず、内臓の周りについてしまうとも考えられます。内臓脂肪は、様々な生活習慣病のリスクを高めることが知られています。内臓脂肪の蓄積を予防するためには、若い時にはやせすぎないように心がけること、中年になったら体重が著しく増加しないように気をつけることが大切です。

【お知らせ】
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たばこと内臓脂肪は万病の元!「吸わない」「溜めすぎない」ことが一番です。

 


<コラム担当:KM>

*このコラムの一部は、以下の研究成果として発表しています*
 

Koda M, Kitamura I, Okura T, Otsuka R, Ando F, Shimokata H. :
The Associations Between Smoking Habits and Serum Triglyceride or Hemoglobin A1c Levels Differ According to Visceral Fat Accumulation.
J Epidemiol. 2016 Apr 5;26(4):208-15.

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