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No.23 たばこと内臓脂肪はやっぱり悪者!?

喫煙が健康によくないことは知られており、世界中で喫煙率は減少しています。それでもなお、「たばこを吸っていても元気だ」と主張する愛煙家がいます。本当でしょうか。

たばこには食欲を抑制したり、エネルギーを消費したりする作用があることから、喫煙者の中にはやせた人も多くいます。やせていると動脈硬化のリスクである中性脂肪や血糖値が上昇しにくいこともあり、これがたばこの健康に対する害をわかりにくくしている可能性があります。そこで今回は、やせているか太っているかという体格の違いにより、喫煙状況と健康状態の関係が異なるのかどうかについて、調べてみました。

 

NILS-LSAの第2次調査に参加してくださった40歳以上の男性1,152名のうち、脂質異常症と糖尿病の治療を受けていない約850名について、以下の分析を行いました。まず「体格がやせているか太っているか」について、内臓脂肪の面積が100㎠未満/100㎠以上でグループ分けしました。そして、体格のグループと喫煙の状況(たばこを吸ったことがない/以前は吸っていたけれども現在は禁煙している/たばこを吸っている)と、①中性脂肪②ヘモグロビンA1c③HDLコレステロール(善玉コレステロール)という3つの指標との関係を調べました。これらは脂質異常症や糖尿病を判定する際にも参考とされる指標です。結果を図1から図3に示します。

まず、図1に示すように、中性脂肪と喫煙の関係は、体格によって異なっていました。内臓脂肪面積が小さい場合(100㎠未満)には、喫煙の状況にかかわらず中性脂肪値が高い人(150mg/dl以上)の割合が少ないのですが、内臓脂肪面積が大きい場合(100㎠以上)には、非喫煙者、禁煙者、喫煙者の順で、中性脂肪値が高い人の割合が多くなっていました。

図1:喫煙状態と中性脂肪値の関連

次に図2をご覧ください。ヘモグロビンA1cと喫煙の関係も体格によって異なっていましたが、先ほどの中性脂肪の結果とは少々様子が違います。すなわち、内臓脂肪面積が小さい場合には、ヘモグロビンA1c値が高い人(6.0%以上)の割合が非喫煙者よりも喫煙者で多いのに対して、内臓脂肪面積が大きい場合には、非喫煙者でも喫煙者でもヘモグロビンA1c値が高い人の割合が多いという結果でした。

図2:喫煙状態とヘモグロビンA1cの関連

一方、図3に示すように、善玉コレステロールと呼ばれているHDLコントロール値が低い人(40mg/dl未満)の割合は、内臓脂肪面積の大小にかかわらず、喫煙者に多いことが明らかになりました。

図3:喫煙状態とHDLコレステロールの関連

このように、たばこは内臓脂肪面積の大きさにかかわらず、糖や脂質の代謝に悪影響を及ぼしていました。そして内臓脂肪面積の大きい人では、糖や脂質の代謝が、たばこを吸うことでより増悪することもわかりました。現在たばこを吸っている方は、ご自身の大切な体のために、禁煙を試みてはいかがでしょうか。

 

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生活習慣とフレイルの関連記事を公開しました。
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たばこと内臓脂肪は万病の元!「吸わない」「溜めすぎない」ことが一番です。

 


<コラム担当:KM>

*このコラムの一部は、以下の研究成果として発表しています*
 

  • Koda M, Kitamura I, Okura T, Otsuka R, Ando F, Shimokata H. Men who were thin during early adulthood exhibited greater weight gain-associated visceral fat accumulation in a study of middle-aged Japanese men. Obes Sci Pract. 2018 May 18;4 (3) :289-295.
  • Koda M, Ando F, Niino N, Shimokata H, Miyasaka K, Funakoshi A. Association of cholecystokinin 1 receptor and beta3-adrenergic receptor polymorphisms with midlife weight gain. Obes Res. 2004 Aug;12(8):1212-6

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