ご挨拶
認知症予防活動を
希望するすべての方が受けられる社会へ。
わが国では、要介護となる原因の第1位は認知症といわれています。今後も高齢化の進行に伴い、認知症の人の数は増加し続けると予測されています。そのため、認知症を予防するために、効果が期待できる体制を早急に整えることが重要な課題となっています。
こうした背景のもと、2019年に国立長寿医療研究センターを中心として始まったJ-MINT研究では、日本人の生活習慣に合わせて作られた多因子介入プログラムが認知機能に与える影響を検証しました。主要評価項目において明確な効果を示すことはできませんでしたが、副次評価項目への効果や介入効果が得られやすい集団の特定は、認知症予防施策における重要な土台となっています。現在も、認知症予防のための施策に貢献する成果や認知機能低下抑制の仕組みを解明する成果の創出に努めております。J-MINT研究から得られる成果は、認知症のリスクを有する高齢者への標準的アプローチの確立にとどまらず、地域社会や国全体における認知症予防の社会実装へとつながる第一歩となると考えております。
令和6年10月には厚生労働省より「認知症施策推進基本計画」が策定され、認知症予防が国の推進する基本施策の1つとして位置づけられました。今後も、研究で得られた科学的知見を社会に還元し、すべての国民が科学的知見に基づく予防に取り組むことができるシステム構築に努めてまいります。
誰もが、自分らしく暮らし続けることができる長寿社会を実現できるように、J-MINT研究は歩みを進めてまいります。
皆さまの変わらぬご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。
国立長寿医療研究センター 理事長
J-MINT研究代表者
荒井秀典