看護部
当院では、すべての看護師が適切に高齢者看護ができることを目的に、認定看護師、専門看護師、診療看護師が講師となり、高齢者ケアに特化した高齢者専門ラダーコース研修を開設しています。このコースでは、認知症看護、摂食嚥下、褥瘡ケア、排泄ケア、フィジカルアセスメント、呼吸ケア、転倒転落予防ケアの7つの分野について学ぶことができます。高齢者看護の学びを深めたい看護師の有益な学びの場となっています。
高齢者ラダーコース研修の第4回目は、「フィジカルアセスメントコース」についてご紹介します。
当センターでは、高齢者や認知症の方が多く入院しておられます。高齢者の症状は非典型的に現れることがあります。また、ご自身の症状や状態を伝えることが困難な場合もあるため、その方の訴えに耳を傾け、日々のケアを通して、身体的、精神的な変化を見逃さないこと、変化がある場合は、客観的な情報も含めて状態をアセスメントすることは、異常の早期発見、そして、適切な医療・ケアへつなぐことが可能になると考えます。早期の対応は、その方の苦痛を最小限にします。また、アセスメントすることにより、個々に応じた根拠のある看護を提供することができると思います。
本研修では、診療看護師が講師となり、フィジカルアセスメントの知識や技術に関する講義や判断能力を養うために事例を用いて学びを深めています。フィジカルアセスメントの習得は、強いては、高齢者や認知症の方の思いに寄り添うこと、その人らしく、その人が望む生活(療養)をケア、サポートすることにつながると考えています。
フィジカルアセスメントは根拠に基づいた看護の提供や看護ケアの表を行うために必要なことだと認識していますが、どうしても苦手意識があり、自分の弱いところを克服したいと思い、受講しました。講義はとても分かりやすく、臨床推論の必要性を再認識しました。また、診療看護師という医師の視点も持つ看護師の専門的知見を得ることができ、視点の置き方や考え方のプロセスを自分の中で整理するよい機会となりました。
これまでは、ふだんの発熱や急変時などの対応で焦ってしまうことがありましたが、今後は今回の学びを活かして、的確に判断し、より適切なケアが提供できるようにしていきたいと思います。
診療看護師の活動については以下のリンクをご参照ください。