国立長寿医療研究センターでは、医師の認知症研修を受け入れています。経験に応じて6ヶ月から2年までの期間、認知症にかかわる臨床研修を外来・病棟で行います。鑑別診断、周辺症状や身体合併症等に対する対応、地域連携などの認知症医療を総合的に学ぶことができます。
認知症は高齢者14%にみられる“ありふれた病気”です。認知症の診療は、鑑別診断、薬物療法を行うのみならず、合併する行動・心理症状や身体疾患、また人生の終末期までを含む総合的な視点が必要です。国立長寿医療研究センターでは、臓器診療の壁を越え、認知症を多角的に学べる「もの忘れセンター」を平成22年に開設しました。
老年内科、神経内科、精神科、放射線科、脳神経外科、リハビリテーション科の専門医が、認知症看護認定看護師、臨床心理士、精神保健福祉士、薬剤師等と一緒に、きめ細かく指導します。恵まれた環境で、認知症の最新医療を習得してください。
もの忘れセンターの主なスタッフ(外来担当医がていねいに指導します)
募集 | 随時 |
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期間 | 6ヶ月から2年まで |
場所 | 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター |
勤務 | 後期臨床研修医では取扱規程に基づき指導医のもとに診療に従事する(宿日直勤務含む) |
勤務時間 | 基本週31時間以内(31時間を超えた分は、超過勤務手当として別途支給) |
待遇 |
後期臨床研修医または医員として雇用(研修終了後、もの忘れセンターでの勤務についても応相談) (1)給与 当センター非常勤医師給与規程により以下のとおり支給されます。 基本給(後期臨床研修医の場合):年収 6,530,000円(週40時間の場合) (2)保険 健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険加入 |
もの忘れセンターでは、年間1000人を超える新患患者が受診しています。
入院部門には多くの認知症高齢者が入院しますが、主な原因は身体疾患と行動・心理症状(BPSD)です。認知症の入院加療には様々なノウハウと工夫が必要です。指導医、認知症認定看護師、臨床心理士、精神保健福祉士、薬剤師等と一緒に、きめ細かく指導します。
認知症では、診断や治療に迷うケースが多くあります。神経内科、精神科、老年内科などの専門医が集まり討論します。新患で診断に迷ったケースはカンファレンスで症例提示して、意見交換を踏まえて担当医が決めることもあります。また、看護師、薬剤師、精神保健福祉士、臨床心理士と一緒に、治療やケアの組み合わせを協議しますので、多くの成功事例を学ぶことができます。
もの忘れセンターでは、3.0T MRI, 脳血流シンチ、PET-CTを用いたアミロイドイメージング、髄液検査(リン酸化タウ、アミロイド1-42)などの最新の診断機器が完備されています。保険診療の対象になっていないPET検査も、臨床研究として実施していますので、最新の画像解析を学ぶこともできます。
連携業務はもの忘れセンターの大事なポジションを占めています。地域の先生や行政の方々と顔の見える地域連携協議会等を実施しています。
もの忘れセンターやバイオバンクに収載されたデータベースを活用して、様々な臨床研究を計画できます研究テーマについては、もの忘れセンター医師に相談してください。学会発表から論文作成をめざします。また、希望によって社会人大学院生(名古屋大学)として学位(医学博士)取得にむけて、研修の計画をたてることもできます。医師ではありませんが、英語の原著論文を書き、海外に留学した研究員もいます。
認知症の人や家族に対し、診療から延長線上のシームレスなケアサービス(クリニカルサービス)として、(1)もの忘れ外来相談、(2)もの忘れ教室(認知症の人と家族対象)、(3)認知症家族介護者教室等を実施しています。2020年度より、(2)と(3)を融合したMCI・認知症の人と家族の教室を予定しています。レジデントの先生方には、認知症の医学領域の情報提供(治療やリハビリテーション等)で講師として御参加いただくことがあります。
2018年4月1日から2019年12月30日 相談者数:126名 → 内訳:家族120名(95.2%)
受診や服薬拒否への対応方法
マスメディアで報じられた『効果がある治療方法や食材』の確認
運転をやめさせる方法
他の家族が介護を理解してくれず、認知症を理解してくれない。(感情吐露)
2009年から始まった認知症の人や家族を対象とした相互交流型学びの場(通称:もの忘れ教室・家族教室)は、時々で形を変えながら、11年を迎えました。家族については、教室修了者が328名になりました。11年間実施してきた教室のプログラムは、参加者のニーズ分析や効果検証の結果を踏まえて、マイナーチェンジしています。前述の相談分析も、プログラム内容を検討する貴重な材料です。
もの忘れセンターでは老年科、神経内科、精神科、放射線科、脳神経外科、リハビリテーション科の専門医のほか、認知症看護認定看護師、臨床心理士、精神保健福祉士、薬剤師、栄養士などの多職種が常在し、各々の専門領域できめ細かく連携しています。恵まれた人的環境で、認知症の診療を習得してください。
もの忘れセンター センター長:武田章敬(研修内容)/人事課:中村修司(事務)
〒474-8511 大府市森岡町7丁目430番地 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター もの忘れセンター
TEL 0562-46-2311 FAX 0562-48-2373
カリキュラムは,認知症を診る医師が備えるべき、以下のような資質を習得するために必要な知識や経験をリストアップしたものです。(以下の提示はあくまで1例ですので、内容について柔軟にご対応いたします)
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3か月 |
6か月 |
9か月 |
12か月 |
15か月 |
18ヶ月 |
21か月 |
24か月 |
外来の共診 |
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初診・再診外来の担当 |
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身体合併症の治療(病棟) |
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BPSDの管理 |
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カンファレンスでのプレゼン |
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家族教室への参加 |
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地域ネットワークへの参加 |
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