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先端医療開発推進センター

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ご挨拶

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センター長のご挨拶

センター長写真

先端医療開発推進センター長の鈴木です。本センターのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

国立長寿医療研究センター(以下、当センター)は、認知症、フレイルなど、来るべき超高齢社会において早急な対応が求められている疾患についての優れた研究成果を、治験や臨床研究を通じて社会に還元していくことが、基本的な使命の一つとなっています。当センターにおける治験および臨床研究の支援体制を高い水準で整備し、質の高い治験や臨床研究を数多く実施できる体制を構築するため、治験・臨床研究推進センターが平成 26 年 4 月 1 日に設置されました。組織再編に伴い、令和3年4月1日に先端医療開発推進センターに名称変更となりました。単に治験や臨床研究を推進するだけでなく、シーズの発掘・育成から臨床研究へのシームレスな橋渡しも先端医療開発推進センターの重要なミッションであり、いわゆるトランスレーショナル・リサーチ全体を推進させていきたいという想いが、今回の名称変更に込められております。

 

「臨床研究」とは患者さんにご協力いただき行う、病気の予防、診断、治療や病気の原因や病態の理解などに関する医学研究です。臨床の現場で正しく病気を診断するためには、まずその病気がどのような症状を呈し、どのような経過をとる病気であるのかを知ることが必要であり、そのために複数の患者さんの臨床経過を集積し研究することが第一歩です。そして、その病気を診断するためには、どのような検査が有効であるかを検討し、さらに、より正確に安全かつ簡便に診断できるような方法を開発するということも進めなければいけません。

また、病気の治療を確立していくためには、その原因を突き止めていくことが必要です。病気の治療には、様々な薬剤や手術、放射線による治療などがありますが、その病気には、どの治療が有効であるのかといったことも、研究を通して確立されていきます。

 「臨床研究」のうち、治療法、診断法、予防法などの安全性や有効性を確かめる目的で行う研究を「臨床試験」と呼びます。

 「臨床試験」の中でも、特に、新しい薬や、医療機器を国の承認を経て実用化するための客観的なデータを集めるものを  「治験」といいます。現在、いろいろな病気の治療に実際に使われている薬や医療器具も、すべて、安全性や有効性を確かめる「治験」を経て、患者さんの治療に使われています。

優れた研究成果を社会に還元していくためには、治験とそれ以外の臨床研究のどちらも欠かせません。先端医療開発推進センターでは、治験からそれ以外の臨床研究まで広く支援を行います。

先端医療開発推進センターでは、国際競争力を有する質の高い治験・臨床研究推進体制を整備し、当センターで行われる治験・臨床研究を束ねる重要な役割を果たすだけではなく、認知症を始め疾患別の治験・臨床研究のネットワークを全国の多くの医療機関の協力を得て形成してきました(認知症臨床研究・治験ネットワークこのリンクは別ウィンドウで開きます)。このネットワークを活用して、多施設が参加する治験・臨床研究を科学的妥当性と患者保護を中心とする倫理性を担保しながら効率よく実施できる体制を構築して、予防、診断および治療に関する画期的な研究成果を少しでも早く臨床の現場に届けられるように活動してまいります。

皆様のご理解・ご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

国立長寿医療研究センター 先端医療開発推進センター長 鈴木啓介