アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症のような神経細胞がしだいに壊れて行くタイプの認知症(変性性認知症)では 認知機能の急激な低下は自然な経過のなかでは起こりません。したがって認知機能が急激に低下する場合には次の二つの可能性が考えられます。
1.としては結核性髄膜炎や真菌性髄膜脳炎、悪性腫瘍に伴う特殊な脳炎(辺縁系脳炎)、クロイツフェルドヤコブ病、脳の血管炎、脳原発悪性リンパ腫や悪性のリンパ内皮腫などがあげられます。
2.としては脳血管障害の合併、反復するてんかん発作、薬剤、心不全、腎不全、肝不全、高度の貧血といった全身疾患による脳障害などの合併が考えられます。
1.2.の可能性を考えて全身の検査が必要になります。