認知症に最も特有な症状として記憶障害(もの忘れ)がありますが、ADでは最初期から現れるのに対して、DLBでは進行してから目立ってきます。
一方パーキンソン症状や転倒といった運動症状はADでは進行してからしか現れないのに対して、DLBでは初期からみられることがあります。
幻視はADでも出現しますが、DLBで、より顕著で、リアルで具体的な幻視がみられるのが特徴です。またたちくらみや失神、睡眠中の大声はDLBではみられますが、ADでは通常みられません。
MRIにおける海馬の萎縮はADで、より顕著なことが多いといわれていますが、個々の例での鑑別は困難です。
脳血流シンチにおける後頭葉の血流低下はDLBに特徴的ですが、60%程度にしかこの所見は現れないため、低下がなくてもDLBを否定できません。
別項でのべたMIBG心筋シンチはADとの鑑別に有用です。