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受付番号No.22TB37

「サクビトリルバルサルタンとカルペリチド併用が心不全患者の尿量に及ぼす影響の解明(受付番号No.22TB37)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター薬剤部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省共管の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者様のお一人ずつから直接ご同意いただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関する問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2023年3月22日

1.研究課題名

「サクビトリルバルサルタンとカルペリチド併用が心不全患者の尿量に及ぼす影響の解明」
(受付番号No.22TB37)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター薬剤部 薬剤師 青木 まりあ
  • 国立病院機構三重中央医療センター 薬剤部 薬剤師 簗川 樹
  • 国立病院機構静岡医療センター 薬剤部 薬剤師 座光寺 伸幸
  • 国立病院機構豊橋医療センター 薬剤部 薬剤師 尾納 明理紗
  • 国立病院機構名古屋医療センター 薬剤部 薬剤師 近藤 芳皓
  • 国立病院機構東長良医療センター 薬剤部 調剤主任 加藤 瑛一

3.研究分担者名(部署名)

  • 国立病院機構三重中央医療センター 薬剤部 薬剤師 朝居 祐貴
  • 国立病院機構三重中央医療センター 薬剤部 調剤主任 山本 高範 

4.本研究の意義、目的

近年発売された慢性心不全治療薬である、サクビトリルバルサルタン(ARNI)は、体内でサクビトリルとバルサルタンに分解される。このうちサクビトリルは代謝活性化され、ナトリウム利尿ペプチドの分解酵素である、ネプリライシンを阻害する。これにより、サクビトリルは間接的にナトリウム利尿ペプチドの作用を増強し、利尿作用、降圧作用を示す。またバルサルタンはアンジオテンシンⅡ受容体を阻害し、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制する。
一方、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)製剤であるカルペリチド(hANP)は、急性心不全に対して幅広く使用される薬剤である。体内においてANPはARNIによる分解抑制を受け、血中濃度が上昇することが報告されている。以上より、hANPが投与されている心不全患者において、アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)の併用患者と比較して、ARNIの併用患者の方が、尿量が増加する可能性があるが詳細は不明である。
そこで本研究においては、ARNIとhANPを併用した群(以下、hANP-ARNI群とする)、ARBとhANPを併用した群 (hANP-ARB群とする)の2群について、尿量から体内に入った水分量の影響を除いた、IN-OUTバランスを比較する。

5.本研究に使用する情報

2020年9月1日~2023年3月31日までに三重中央医療センターまたは研究参加施設に入院した患者(18歳以上の成人、性別不問)を対象とする。

 選択基準

  • ARNIまたはARB服用中にhANPが投与開始となっており、併用期間が2日以上存在すること。
  • 電子カルテにIN量(輸液量、水分摂取量など)、OUT量(尿量など)が記載されていること。
  • ARNI、ARB、hANPの1日あたりの使用量が明らかであること。

 除外基準

  • 維持透析、持続的血液濾過透析を施行中の患者

6.本研究の方法

過去の診療録から必要なデータを抽出し、研究に使用します(後ろ向き研究)。

7.研究期間

2023年3月22日 ~ 2023年6月30日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

サクビトリルバルサルタンとカルペリチドの併用が、尿量(IN-OUTバランス)に及ぼす影響を明らかにするため。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されているため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合は、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いをうけることはありません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究に利用する情報には個人情報が含まれますが、お名前、住所など、個人を直ちに判別できる情報は削除し、研究用の番号を付けます。また、研究用の番号とあなたの名前を結び付ける対応表を研究責任者が作成し、研究参加への同意の取り消し、診療情報との照合などの目的に使用します。対応表は、研究に携わらない管理者が責任をもって適切に管理いたします。
情報は、当センターの研究責任者が責任をもって適切に管理いたします。研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も個人を直ちに判別できるような情報は利用しません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

研究に用いるカルテ情報は全て匿名化して誰の情報かわからないような形にしてから解析を行います。したがって、患者様の個人情報が他に漏れる心配はありません。匿名化されたデータやその他の解析資料等は,研究終了後10年間を経過した後,破棄いたします。また、別の医学研究に使用する際には、改めて当センター内の倫理委員会に提出し、情報公開文書にて同意拒否の機会を設ける予定です。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

研究の資金、本研究に係る利益相反はございません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法について相談に応じます。相談を希望される場合には、下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 薬剤部薬剤師 青木 まりあ

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)