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倫理・利益相反委員会受付番号No.21TB33

「左室駆出率が低下した心不全における抗不整脈薬の薬物動態解析(受付番号21TB33)」:人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センター 薬剤部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省共管の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2021年10月13日

1.研究課題名

「左室駆出率が低下した心不全における抗不整脈薬の薬物動態解析」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.21TB33)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

国立病院機構三重中央医療センター 薬剤部 薬剤師 朝居祐貴

3.研究分担者名

国立病院機構金沢医療センター 薬剤部 薬剤師 有原大貴
国立長寿医療研究センター 薬剤部 調剤・薬務主任 早川裕二
国立病院機構静岡医療センター 薬剤部 薬剤師 田代匠
国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 薬剤部 治験主任 山本吉章
国立病院機構豊橋医療センター 薬剤部 薬剤師 尾納明里紗
国立病院機構名古屋医療センター 薬剤部 薬剤師 近藤芳皓
国立病院機構東名古屋病院 薬剤部 薬剤師 鈴木亮平
国立病院機構三重中央医療センター 薬剤部 調剤主任 山本高範

4.本研究の意義、目的

心不全の罹患率は高齢者に多く、薬物療法の導入は必須です。一般的に、心不全治療薬には主に腎臓を介して体外へ排泄される薬物(以下、「腎排泄型薬物」という。)が大半を占めるため、患者様の腎機能に応じた投与量調節が必要です。しかし、腎機能の代替指標として実臨床で広く用いられている血清クレアチニン(Serum Creatinine;Scr)は筋肉量に依存するため、やせ型の高齢者では低値を示すことが多く、クレアチニンクリアランスなどの腎機能指標は過大評価されることがあります。
一方で、心不全の進行に伴う左室駆出率(Left Ventricular Ejection Fraction;LVEF)の低下が腎血流を減少させることで、腎排泄型薬物のクリアランスは低下することが予測されます。したがって、高齢者の心不全患者様では腎排泄型薬物の投与設計に難渋することが多いです。
これまでに、腎排泄型薬物であり治療薬物モニタリング(Therapeutic Drug Monitering;TDM)が必要な抗菌薬バンコマイシンのクリアランスは、クレアチニンクリアランスよりLVEFの方が精度よく予測できたことが報告されています。そこで本研究では、心不全治療薬のうち抗不整脈薬に着目し、腎排泄型薬物であるピルジカイニドとジゴキシン、ほとんど腎排泄を受けない薬物であるアミオダロンとベプリジルを基質薬物とし、LVEFの変化が当該薬物の血中濃度へ及ぼす影響を明らかにすることを目的に実施します。

5.本研究に使用する情報

2011年1月1日~2021年12月31日までに、当センターを受診した患者様(18歳以上の成人、性別不問)を対象とします。研究対象患者様のうち、以下の選択基準をすべて満たし、かつ除外基準にも該当しない患者様が対象です。
[選択基準]
(1)ピルジカイニドの血中濃度を測定した患者様
(2)ジゴキシンの血中濃度を測定した患者様
(3)アミオダロンの血中濃度を測定した患者様
(4)ベプリジルの血中濃度を測定した患者様
上記の(1)~(4)のいずれかの患者様のうち、血中濃度測定日前に心エコー検査を実施し、LVEFのデータが入手できる患者様
[除外基準]
・維持血液透析の患者様

6.本研究の方法

過去の診療録から必要なデータを抽出し、研究に使用します(後ろ向き研究)。

7.研究期間

2021年10月13日 ~ 2022年12月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

2011年1月1日~2021年12月31日の期間中に、ピルジカイニド、ジゴキシン、アミオダロン、ベプリジルの血中濃度を測定し心エコーを実施した患者様が対象となります。選定理由はLVEFの変化が当該薬物の血中濃度へ及ぼす影響を検討するからです。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されているため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合は、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いをうけることはありません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、学会や論文等ですでに研究結果が公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿にて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

本研究に利用する情報には個人情報が含まれますが、お名前、住所など、個人を直ちに判別できる情報は削除し、研究用の番号を付けます。また、研究用の番号とあなたの名前を結び付ける対応表を、各研究機関の研究責任者が作成し、研究参加への同意の取り消しまたは診療情報との照合などの目的に使用します。対応表は、研究に携わらない管理者が責任をもって適切に管理いたします。
また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も個人を直ちに判別できるような情報は利用しません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

研究に用いるカルテ情報は、すべて匿名化して誰の情報かわからないような形にしてから解析を行います。したがって、患者様の個人情報が他に漏れる心配はありません。匿名化されたデータやその他の解析資料等は、研究終了後10年間を経過した後、破棄いたします。また、別の医学研究に使用する際には、改めて当センター内の倫理委員会に提出し、情報公開文書にて同意拒否の機会を設ける予定です。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

研究の資金、本研究に係る利益相反はございません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

他の研究対象者等の個人情報等の保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法について相談に応じます。相談を希望される場合には、下部に記載されている問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
薬剤部 早川 裕二

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)